第1章6節 そして動き始める
「何だか・・ちっとも分からねえんだけど、俺達って一体何者なんすか?そして、シンゾウさんと呼んだら良いんすよね、俺達って敵なんすか?味方なんすか?」
リンドウが聞く。シンゾウは首を振りながら、
「敵じゃないよ、最初からそれは分かっている。でもね、現在この地球には、今言うデマルク以外にも無数の怪物達が跋扈している。そして、それは、ワクイが宇宙から持ち込んだ別の遺伝子、生物の由来のものと、地球滅亡後も生き残った細胞体が混在していると言う事なんだよ。つまり、人型生命体はこの地球において、再生細胞として自己発生しているもの、ワクイが再生した2種、或いは複数種存在していると言う事だ。どの個体も、君達が短い期間内に自己変貌もし、食なる行為によってパワーアップしたし、また強いエネルギーを発揮出来ている事においても、また再生すると言う不老不死に近いその体さえも含めて、暴発的に今増殖していると言う現実なんだ。その中でどの種が生き残って行くか、正にサバイバルゲーム突入している訳さ、そこをまず理解して欲しいんだ」
その時黙っていてアカネは、
「ねえ、パパッチ、ママリンは?」
シンゾウは、
「ママリンは恐らく強い。また、この現地球上のあらゆる生命体の頂点にすら立てるだろう能力を持っている。だから、安心しろ、アカネ・・そしてシンタ。いずれ、俺達がこれから向かう困難な道においても、ワクイの情報が刻々入って来るだろう。逆に君達に言っておく。いずれ独り立ち出来る能力を君達は持っていると思う。だが、今は俺に従え。良いかい?俺の言う事を聞け、いや・・聞いた方が良いと思う。それに、敵だの味方だのと言う言葉は、平和な時代の古語でしかない。そんな世界では無いんだ。目の前に存在する怪物、或いは必ず出会うだろう人型生命体は、全て敵だと思え。もはや二極化なんてものでは無い。一対億・無限との戦いになるだろう。それまでには倒したら、食う。それしかスキルアップする方法は無いんだよ。全ての生命体がそうなんだからね」
「でも・・不味いって相手、植物も食わなきゃ駄目?」
アカネが聞くと、シンゾウは笑った。




