第1章5節 復活したシンゾウ
「ふ・・今はそう言う事は披露しないでおこう。子供達は、どうしている?」
「貴方を待っているわ。地下から出て来て、A,B,Cの3つのゾーンに行ったけど、今はまたAゾーンに戻った所よ」
「そうか・・シンタには、やはり第六感と言うソナーがあるようだ。つまり、地下道に続くAゾーンは、一番子供達にとって安全な所なんだよ、ワカナ」
初めて聞く情報だった。ワカナは聡明な女性だ。だから、その理由を今は聞かなかった。シンゾウは必要以上の情報を、今までも、これからも恐らく伝達をしないだろう。それが、ワクイが牛耳る現地球の掟のような気がした。彼らには野望等存在もしないし、シンゾウが言う所のこの地で平穏に暮らす事。そして、自分達にとってその阻害となる怪物達の状況を把握し、その分析をする事だ。でなければ、生涯地下トンネル内の生活を選択せねばならなくなる。
シンゾウが言う。
「さぞかし、子供達は心細かっただろうな、シンタがアカネを守っているのか?」
「ええ、子供達は無事よ。急成長している。今はアカネの方がたくましいかも知れないわ」
ワカナが言うと、シンゾウは、
「二人の食事は全て俺が吟味し、それを与えて来た。ワカナ、子供達は復活再生遺伝子を受け継いでいるとは言え、食によってその再生細胞は変化するんだ。君には、そう言う事は伝えなかったし、君自身はそう言う食と言う部分については、必要も無かっただろうから、知らないと思うが」




