第1章 俺達って何者?
「キモ・・」
確かに、バラバラになった肉片なんて美しいと形容されるものでは無い。それに臭い。これは食えない奴なのだ。そしてその匂いを嗅ぎつけ、無数のミミッチが集合して来た。
「行くぞ、アカネ・・こんな場所で長居する訳にはいかねえわ」
「うん・・」
二人は『感車』に乗って、そこから移動することにしたのだった。
「おちおち、飯も食えやしねえぜ」
「だよねえ・・お兄い、カエルンパはどこを狙ったら良いの?」
「あいつはな、下あごを狙うのさ。口がでけえからな、まずはそこを突いたら、再生しねえから、後はバラバラに刻んだら良いんだけどさ、もう分かっただろ?最初にその順番を間違えたら、あんなC級怪物でも、かなり上級クラスのピラリックに変身するんだよ。俺も二度闘ったから、それが分かっていたんだ。まあ、アカネと俺は殆ど一緒に行動しているんだからなあ、お前は闘いの経験値が少ないからそこはしょうがねえさ」
「分かった・・あたいも、やっぱりどんどんとこれからは積極的に闘うよ。めんどくさーいって言っているだけじゃ駄目だもんね、自分のレベルもあげなきゃこの先お兄いにも負担が掛かるからさあ」
「はは・・その辺は、パパッチがアカネには超甘だったからな、過保護ってやつ?まあ、その辺は少し成長したじゃねえか」
アカネは頷き、
「まあね、いずれにしてもパパリンがまた戻って来たら、あたいも成長しているって所を見せて、頭なでなでのよしよしをして貰うんだ。でも、その前にママリンも探さなきゃならないしね」
「おう・・とにかく、ママリンを探さなきゃ・・そっちが先だろう」
「あたいは、頑張る」
アカネは、目標が少しはっきりして来て、眼を少しきらきらとさせるのだった。




