第1章4節 そして、再び振り出しの地へ
「デマルクはこの3ゾーンには居ない。ほぼそのゾーンを回って来たから確かだ。で、このAゾーンが今は何か落ち着くんだよ。下等なCランクのミミッチ等は時折襲って来るが、わざわざ食われに来ているようなものだ。でも、他の怪物共が襲って来る事は無くなった。だから落ち着くのさ。ここでじっくりこの先を考える方が、他のゾーンでやるより良いと思うんだよ」
「つまり・・お前達が悉くこのゾーン達の怪物共と戦ったと言う事だよな?」
「ああ・・Cゾーンとは違ってな。Bゾーンではガラークを倒して、食っちまってから攻撃が無くなった。つまり、それぞれのゾーンは全く別の世界だと思えるんだよ」
「だろうな、かなり違う事は理解したぜ。それに、ここのミミッチと果実は別格だった。何か、体にも効率が良いと言うか・・消化も早いんだよな」
ケンゾウが言うと、シンタは、
「ふふ・・俺とアカネもそれが今更ながらだが、分かったんだ、実は。つまりさ、大食しなきゃ体に摂り入れる事が出来ない食べ物は、アカネはまだまだ消化率が悪いって言う事を何となく分かった点と、俺も久しぶりにミミッチを食って、今まで食っていた量の何分の一かで十分だと思った。なあ?アカネ」
「うん・・そんな気がしたよ、あたいも」
「ふうん・・つまり、体の中で分解酵素っつうか、そう言う物があるんだな?」
ケンゾウが、びっくりするような事をすらっと言う。お前は学者だったのかよ・・シンタは突っ込みそうになった。




