第1章3節 新たなエリアに向かう
呆気に取られるシンタとリンドウだった。それってまさにペットに餌をやる行為じゃんかよ、相棒って上下の関係とは違うんじゃ・・
「おお!美味そうな肉だなあ、せっかくだから食わせて貰うぞ」
ばくばくとケンゾウは食いかけた。
「う!美味いぜっ!」
確かにシンタも感じた。ひょっとしてケンゾウに適合した食材だったのか?見る見るその体に活力が漲り始めたのがはっきり分かった。アカネが余り美味しくないと放置した丸焦げの怪物は5頭分あった。大食いのアカネが食べ残したものだが、シンタとリンドウはもう満腹状態。ケンゾウとの闘いでかなり腹の中ではそれを消費したものの、自分達には合わないと遠慮した。
そして、丸5時間をかけてケンゾウは5頭分を食べきったのだった。シンタ達は、にやにやしながら眺めているだけだったが、襲って来る怪物はもう居なかった。彼らを遠巻きに見ているだけであった。
「あいつもさ、大食いの部類じゃね?」
「なあ・・ただ、生で食べるより、丸焦げの方が味変してさあ、何か成分が変わるって思うんだよなあ、パパッチはいつも良く焼いてから俺達に食事を作ってくれたからなあ」
「お兄い、あたいは偏食をしないから、何でも食べるけど、確かにミミッチはしょぼい怪物だけど、焼くとめっちゃ美味しいんだよね」




