第1章 俺達って何者?(シンカラス後の世界編)
ここはどこだ?赤茶けた大地は、殆ど不毛とも思える僅かな緑と大小のやはりごつごつとした岩山に囲まれていた。確かに地球は再び、三度壊滅状態になっていた。シン達がやっと生き延びてかろうじて手中にしていた僅かな希望は潰えた・・。
ワクイが地球はもう終わりだ・・その言葉を残して消えてからここは500年と言う時が経っていたのである。もう何もかも失ってしまったのか?地球はもう終焉を迎えていたのだろうか・・
ここはどこだ?赤茶けた大地は、殆ど不毛とも思える僅かな緑の草原と、大小のやはりごつごつとした赤茶けた岩山に囲まれていた。確かに地球は再び、三度壊滅状態になっていた。シン達がやっと生き延びてかろうじて手中にしていた僅かな希望は潰えた・・。
ワクイが地球はもう終わりだ・・その言葉を残して消えてから、ここまで500年と言う時が経っていたのである。もう何もかも失ってしまったのか?地球はもはや終焉を迎えていたのだろうか・・
否・・繰り返す。地球にはまだ何かの生命体が蠢いていたのであった。
新世紀・・地上は真っ赤に染まり、異質な生物が跋扈し、旧人類と言う生物は、ほぼ死滅していた。
大地は正に赤く染まり、赤土で覆われて、空気は淀み、昼か夜か分からぬ薄暗い空が永遠と続いていたのだった。
もはやそこには、秩序等と言う概念などどこにも無く、血で血を洗う戦いの世界なのだった。そんな中で、一人の金色の衣装を纏った武将姿の少年が立っていた。
「ぐがああああっ!」
その少年を目掛け、体長10メートルに近いごつごつした瘤を体中に纏い、まるで太古の恐竜のような赤茶色でティラノサウスを想起される生き物が、だらだらと口から涎をぼたぼたと垂らし、真っ赤な口に、まるで斧をその中に数千本も仕込んでいるかのようにそれをかあっと開き、少年を襲おうとしているのだった。
「むっ!またこいつかよっ!」
ズバッ!少年は、空中高くまるで引力をも無視したかのように、その10メートルを超える恐竜の遥か上の空中に飛び上がり、右手に持った黄金色の長刀で、真っ二つに切り裂いたのであった。それは一瞬であり、その威力たるや凄まじく、まさしく彼我の力量が歴然としているように、またその勢いは地面まで切り裂く程で、どどおんとその恐竜風の生き物は倒れたのだった。
だが、そこから、そいつは更に倒れたその生物を、ズバズバッと切り刻んで行く。まるで調理をしているかのように?いや・・それは無い。その少年の隣に、やはりピンク色の武装姿で、真っ赤な珊瑚風のピアスをした美少女が知らぬ間に立っていて、
「ピラリック・・また襲って来たんだ、こいつ。お兄い、良く刻むのよ、また再生して襲って来るからさあ」
「アカネ、お前も手伝え」
「やだ・・めんどくさーい」
「何だと!」
彼等は自分達の祖先の成り立ちを初めて知る事になる。父が何故自分の能力を隠していたのか、又母が何故この元凶と言われる、過去の地球に種を撒いたのかも明らかになって行く。
その時の種は自分達兄妹を生み、そしてトップ5遺伝子と言う特異な生命体を生み出したのだ。自分達には何の目的も無かった。しかし、次々と襲って来る敵に立ち向かう度に、こう思った。
「なんだか、生きているってこう言う事なんかな‥と」「死ね!じじい」そうも思うのであった。




