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盗人

メインラインを探しています。

作者: 横瀬 旭

 最初はみんなと同じ道を歩いていた。


隊列を組んで、私は前から十番目くらいで、後ろに百人以上の人間が続いている。


ある時期を境に、ほとんどの人間と離れて、十人くらいで道を歩いていた。


しかし、その時期が一番楽しかった気がする。全ての人間に目が通ったし、全ての人間と同時に会話ができた。


後ろを続く人間が付いてこれているか、振り返って確認するのが面倒になったため、私は列の一番後ろを歩くようになっていた。


だんだん付いていけなくなり、私は「すぐに追いつくから」と言って前を歩く列を先に行かせ、辛うじて最後尾を追い、しばらくは最後尾の人間が見えていたが、結局は見えなくなってしまった。


 私は一人でみんなが歩いている道を探していた。探しているつもりだった。しかし、どう考えてもみんなが歩いている道とは程遠い道を歩いていた。


長い草がぼうぼうで行く先を塞がれた。私は草をかき分け、無理をして道なき道を歩き続けた。


私はこの時点でみんなの元に戻れないことに気づいていたかもしれない。それでも私は、戻る道を探していた。


 一年ほど探し続けて「この道が私の歩くべき道なのだろう」と思い、みんなが歩いている道に戻るのを諦め、自分で進んだ道を歩くことに決めた。


自暴自棄になっていた。どうでも良くなっていた。みんなと同じ道を普通に歩いていたはずなのに、付いていくことができなくなり道から外れ、戻ることができなくなっていた。


途中で丁字路や交差点などは無かった。ただ真っ直ぐ伸びている道を歩いていただけなのに、何故かみんなの元に戻ることができなかった。


 結局は崖にぶち当たった。


無理矢理でも話に落ちをつけたかった私は、踵を返さず、歩みを進めた。

「シスター・レイ」っていう17分くらいある曲の歌詞をgoogle翻訳にかけて


出てきた和訳をそのままタイトルにしました。


曲の歌詞としての"mainline"というのは、注射を打つ静脈のことらしいですが。

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