エッセイを書くメリット ~自分語りできるって最高だぞ~
やぁ、みんな。みんなはエッセイ書いてる?
え? 書いてない? もったいない!
すぐにでも書いた方がいいよ!
エッセイを書くと色んなメリットがあるんだ!
え? ブクマ? ポイント? のんのん!
それよりももっといいものが手に入るんだ!
え? なろうでブクマポイント以外に大切なものなんてないって?
何を言ってるのかなぁ、君はぁ。
そんなものよりずっといいものだよ!
え? 感想や逆お気に入りユーザー?
確かにそれも大切だよね!
でもエッセイを書くと他にもいいものが手に入るんだ!
それはね……快楽……だよ。
ちょ、待って欲しい。
まだブラウザバックしないで、できればもう少しだけお付き合いを。
確かに、エッセイを書くことで、他の作者様と交流できたり、自分の作品を見つけてもらいやすくなるメリットはある。
だがそれ以上に……エッセイは書いていて気持ちがいい。
どう気持ちいいのか、説明するのは難しい。
なんとなく理解できそうなエピソードを紹介する。
私の職場に、最近若い子が入って来た。その子はとても礼儀正しく、物腰が柔らかで、人当たりも良い。若いのに教養もあって、所作を見ていると育ちが良いのが分かる。何一つ欠点が無いと言っていいほど完璧な子だ。
さらにいえば、その子はいわゆる陽キャで、見た目からして爽やか。顧客からも人気がある。
対して私は陰キャでコミュ障。仕事も大雑把でしょっちゅう怒られている。その年になるまで何をしてきたのかと、上司からおしかりを受けたのは一度や二度ではない。勝てるところが何もない。
そんな私がその子と一緒に社用車に乗って行動することになった。車内で私はずっとむっつりと黙っていたのだが……なんということでしょう。普段、世間話すらほとんどしない私が、饒舌になってべらべらと喋りまくっていたのだ。
私がそんな風になってしまったのは、その子がいろいろと質問をして私に説明させ、口を開くよう誘導したからだ。こういう風に書くと、その子がとても計算高い人物のように思えるかもしれないが、別に私と仲良くなることで得られるものなど何もない。ハッキリ言ってメリットがないのだ。
つまり、その子は私とただ仲良くなりたいがために、私とコミュニケーションをとろうと思案し、いろいろと話しかけてくれたらしい。職場で円滑な人間関係を築くためとはいえ、頭が下がる。
その日以来、私はその子に対し敬意を払うようになった。大げさかもしれないが、それくらいに親しみを覚えてしまったのだ。
初対面の相手と仲良くなる方法の一つに、何かを説明させるというテクニックがある。自分がすでに知っていることでも構わないので、相手に何かの物事を説明させると、それだけで好感度が上がるというのだ。
無論、聞き方や質問の仕方など、適切な態度をとらなければ相手は質問に答えてくれない。しかし、このテクニックを一度身に着けてしまえば、どんな相手もあなたに好印象を抱いてくれるはずだ。
……という内容を、少し前にある記事で目にしましてね。
私がその子に対して良い印象を抱いた理由はこれかと、目からうろこが落ちる気分だった。
とまぁ、こんな感じで人に何かを説明すると気分が良くなるわけだが、都合よく身近に話を聞いてくれる人なんていない。
連載小説のあとがきで自分語りをする作者がいるが、あれは本当にやめた方がいい。物語に入り込んでいたのに急に現実に引き戻され、続きを読む気が萎えてしまう。その作品を読んでいる読者は、アナタの書いた物語が読みたいのであって、アナタの話が聞きたいわけではない。
だが、誰かに話を聞いて欲しいと思う気持ちは分からなくもない。
そこで……エッセイですよ。
なろうで短編エッセイを書くと、ほんの短い時間であるが新着の短編小説としてトップページに乗る。タイトルで内容の8割くらい説明しておけば、興味を持って読みに来てくれる人がいるかもしれない。
万が一感想が書かれたりポイントが入ったりすれば、最高にハイって気分になれる。誰かに共感してもらえるって本当に嬉しいぞ。
感想やポイントが入らなかったとしても、エッセイを書くだけで気持ちがいい。リアルでは誰も聞いてくれないような身の上話を、なろうのエッセイにぶつけよう。
私が小説を書く時に失敗した話なんて、身近な人に話そうとすら思わない。でもここは別。なろうのエッセイジャンルはそういうことをする場所だから。
だから好きなだけ自分語りしよう。
一応、忠告はしておこう。
誰かを中傷したり、否定したりするエッセイは書いてはいけない。安易に政治的なネタや時事ネタを取り入れるのも避けるべきだ。自分の心の中を正直に告白するから気持ちがいいのだ。誰かを否定して得られるのはまったく別種の快楽なので、自分語りで得られるものとは違う。
大切なのは「自分」を「語る」こと。
誰も聞いてくれない自分の話をネットの海に吐き出そう。
もしかしたらどこかの誰かが、アナタの独白を拾ってくれるかもしれない。