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「カイン様。あの、私を助けて下さった時に、どこか怪我などされなかったでしょうか? なにぶん古い家で…」


家の周りに罠があり軟禁されているなんて、とても言えない。

軟禁って、ひくよね。


「いや、なんともない」


(怪我? そうか、罠のことだな⁉︎ 私の怪我の心配をしてくれるのか?リィーン、あなたはなんて優しい人なんだ。

すまない!心配無用だ。

罠の場所は把握してある。それに……)


「リィーン、私は、今はこんな格好だが、騎士団の治安部隊に所属している。人々の治安を守るのも仕事だ。良ければ、回復するまでここにいさせてもらえないだろうか?

 

もちろん、夜は外で寝るし、

その、女性の一人暮らしは心細いと思い…」


「どうして私が一人暮らしだと?」


(しまった!つい気が緩んでしまった。なんとか誤魔化せねば)


「リィーンが昨日倒れてから、い、いままで誰も帰ってこなかったもので…多分、おそらく、一人暮らしではと、そ、そう思ったが…違ったのか? 


べ、別にリィーンが一人暮らしだからといって不埒なことなど決してしない‼︎


約束する! 不安ならば、寝る時は私を、縛ってくれてもいい!あ、縛られたら護衛できないか……でも、リィーンが安心するなら……」


ごにょごにょと言い淀むので、最後の方は聞き取れなかった。


カインの慌てた様子や、必死に弁解する姿を見て、リィーンの緊張の糸が解れていった。


黙っていると威圧感のある人なのに、中身はどこかかわいく思える男性。


自分の直感を信じて、この人は悪い人ではないとリィーンは思った。


「ふふっ、私みたいなのが、そんな心配なんてしていません。

訳あって、一人で暮らしていますが、助けなど必要ありません。お気遣いありがとうございます」


突然マリア嬢が来るかもしれない。

それに、何かのゲーム補正で助けてくれたカイン様を危険な目にあわせたくない。


どうか、このまま穏便に帰られますように。


リィーンは祈るような気持ちで、カインに手助け不要だと告げる。


「リィーン、

そうか、わかった。勝手に押しかけてすまなかった」


「本当にありがとうございました。どうか、お気をつけて」


リィーンは上体を起こして、ベッドの上からカインに頭を深々と下げる。




カインは、わびしげな顔をしていた。

何か言葉を口にしようとしては止め、何度も振り返りつつ、部屋を後にした。




拙い文章ですが、ご拝読ありがとございます♪

ブックマーク登録してくださってる方がいて、とても嬉しいです。 励みになります。

ありがとうございます。



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