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ファーストコンタクト

 ユニベル、白いローブを羽織る金髪碧眼の少女。

 どことなく漂う高貴さと理知的な瞳、優し気な笑顔。でもゴースト。

 それともう一人、名前はホーリー。ユニベルが連れてきました。

 白髪、血の気の全くない顔色、透き通るような純白の肌の黒服のメイド少女。

 無表情でものすごく少ない言葉数、リビングデッドらしいです。

 和樹は「ゾンビのおまけ付きかい」と心の中で突っ込む。


 ゴーストとリビングデッド、ホラーが苦手な和樹には想定外の事態です。


 この世界で初めて出会った人間?。ゴーストとリビングデッドだけど。コミュニケーションできる存在。多分、話せるのはメルキュリロワの記憶のお陰?かな。この機会を逃すわけにいかないというわけで……。

 和樹はユニベルに事情を話した。


 ユニベルがこの城と世界のことを話してくれた。ここはサントル大陸の北部にある、ノルテ大森林。城の名前はスリロス城。400年前に妖魔に滅ぼされた人族の王国スリロスの王城。

 城の西側には人族の国、東には魔族の国が隣接している。他に獣人、エルフ、ドワーフの国もあるらしい。


 400年前にスリロス城を突然、妖魔が襲撃してきた。

ユニベルは襲撃が始まってすぐ魔獣を連れた妖魔に襲われたらしい。


 その日はユニベルの十七歳の誕生日で夜に開かれる予定のパーティを心待ちにしていたそうだ。襲われたときに一緒にいたホーリーは魔獣の攻撃で壁に叩きつけられ気を失い、そのあとに意識を戻したホーリーがユニベルの遺体を捜したが見つからなかったらしい。


 ユニベル捜索中にホーリーは敵のネクロマンサーに遭遇してしまい死霊魔法をかけられリビングデッド化したそうだ。

 ホーリーはユニベルの専属メイドでその時、十四歳。


 ユニベルは気が付いたらゴーストになっていて城をさまよっているときに、リビングデッドになったホーリーと出会い、それからは城で二人っきりで暮らしているそうだ。二人ともなぜ誰もいなくなったのか襲撃後のことはあまり憶えていないそうだ。


 ノルテ大森林は妖魔の襲撃で使われた巨大な禁忌魔法の魔力汚染で樹々が巨大化、魔獣も狂暴化し頻繫に出現するようになり。死の森、魔の森と呼ばれている。この城の周囲だけ隠蔽と忌避の魔法のおかげで危険な魔獣の遭遇は少ないそうだ。何度か人や魔族が大森林に植民するが狂暴化した魔獣に蹂躙され撤退している。そして今は城を含め大森林はどこの国の領地でもないそうだ。


 メルキュリロワのことも聞いてみた、千年前ぐらい前の神話に出てくるらしい。物語では悪役で呼び名は略奪者メルキュリロワ。それまで神しか使えなかった魔法を神から奪い魔族に魔法を教え、人族の協会から神を裏切った者と呼ばれている。それだけではなく武神から武技を剣神から剣技も奪ったみたいです。ちなみにエルフやドワーフたちには天上から地上へと技術を齎したものとして尊敬されているらしい。


 元の世界に戻れるような魔法も知らないと言われた。異世界は神話には記載されているが現在の知識でも存在は確認されていないそうだ。親切に話してくれているユニベルはけっこう博識みたいだ。

 本当にここは異世界のようだ。それもファンタジー的な世界。まるでマンガかゲームみたい。そういえばそもそもの原因もしゃべる光球と黒竜だったなと和樹はぼんやりと考える。


 和樹は城のものを勝手に取って食べたことをユニベルとホーリーに謝る。二人は魔力を吸収しているので、食事をする必要が無い。だから城に食糧は備蓄していない。そのため和樹に渡せる食料も無いので城に生えているモノなら自由に取って食べてくださいと言われた。それに探せば城の周りにも食べ物はあるのではないかと。城の中や周りの食料を自由に探していいと許可してくれた。


 和樹が最初に取って食べた赤い実はメロ、芋はガジャという名前らしい。しばらく食糧はメロの実と芋で大丈夫だとな思う和樹だった。


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