表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/51

災害に巻き込まれ

 上杉和樹はアクシデントに巻き込まれやすい。そのせいでアルバイトの面接に遅刻し不採用になった。


 今日、和樹はアルバイトの面接の為に早起きして都心に出てきた。


 駅から面接会場まで歩いていると前を歩く老婦人が急に飛び出してきた自転車をよけ損ねて転んだのを助け救急車で病院まで付き添った。


 老婦人にお礼をしたいと引き留められるのを振り切って、面接会場に戻ると建物の入り口で泣いている迷子を見かけ近くの交番まで連れて行き急いで戻ったが、面接時間が終わっていて受付で訳を話したが面接は受けられなかった。


 大学受験に失敗して来年も第一志望の大学を受験すると決めたことを親に話すと浪人させる余裕はない言われ、それならバイトして金を稼いで来年も受験すると宣言しバイト先を探し始めたところだった。





 自宅のある駅まで戻ってきた和樹は気落ちした自分を慰めるため、駅前にある唯一のコンビニに寄って緑茶、肉まんを二個とシュークリームを一個買う。


「いい時給だったのになあ……」


 買った物を入れたビニール袋を持ち、人気のない道をとぼとぼと歩く。


 和樹が住んでいるのは東京の西部郊外の町。ぎりぎり東京都であるだけで駅から車で10分も走れば県境にあたる。家に向かってもう30分も歩いているが、まだ誰にもすれ違っていない。ふと前方の空を見つめると東の方から黒い雲が現れ急速に広がっていく。


「まずい。雨宿りする場所もないし傘も持ってないし急がないと」


 歩くスピードを少し上げる、徐々に暗くなり始め雲の間に稲妻が光り雨が降ってくる。


「降ってきた!」


 突然、上空に真っ黒な渦が現れ、そこから巨大な黒竜が飛び出す、それを追いかけるように白い光球が現れる。


「えっ!」


 和樹はその特撮のような光景に驚いて立ち止まり上を見上げる。

 上空の黒竜と光球を見つめていると、突然、光球から黒竜に雷が放たれる。


「うわあ⁉ 雷を飛ばした!」


 雷に撃たれた黒竜が体をくねらせ落ちてくる。黒竜が落ちてきた衝撃で和樹はバランスを崩し跪く。100メートルほど先で落ちた黒竜が地面に打ち付けられのたうち回る。


「……危なっ!」


 光球が黒竜のすぐそばまで降りてきてとどめを刺すように制止する。すると黒竜の口から赤い光が放たれ光球を弾き飛ばす。そして黒竜の体が赤く輝きだし、その光が丸く広がっていく。

 黒竜からの輝きに当たった地面にはヒビが入り和樹を巻き込みながら上空へと持ち上がる。


「何がどうなってんだよ……」


 和樹は巻き込まれ持ち上げられた大きな石や土と一緒にくるくると回転し上昇していく。

何かがぶつかったのか体に衝撃を感じ、激痛を体に感じて和樹は悲鳴をあげて気を失う。

 そして黒竜と和樹は上空の黒い渦の中に吸い込まれていく。光球が慌てたように追いかけて渦の中に消えていく。


 黒竜と光球が消えた後には削れた地面以外は何事もなかったかのように今までの風景に戻る。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ