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悪役令嬢と十三霊の神々 ~悪役令嬢はどうしても町人Sを救いたい ~  作者: 冴條玲
第二章 魔神ルシフェル来襲 ≪永遠のロマンス≫
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【Side】 サイファ ~僕のことしか考えられないようにしてあげる~

 大丈夫だよ、デゼル。

 僕がデゼルの闇主なんだから。


 闇巫女だからなのかな。

 デゼルはすごく、心に反応するんだ。


 初めて一緒に眠ったのも、クラスメイトの悪意が重たいって、デゼルが高熱を出した夜だった。

 そういうことが何度もあって、気がついたんだけど。

 デゼルは悪意を向けられると、たちまち体調を崩す反面、好意を向けてあげると、たちまち体調がよくなるんだ。

 距離はゼロが一番効く。

 デゼルを想いながら触れてあげると、すごく、呼吸がやわらかくなるんだ。

 いやがったらやめようと思ったけど、デゼルがいやがらないから口移しにしてみたら、壊れそうに震えていたのが落ち着いて、見る間に綺麗な白い頬が桜色に染まって、すごく、可愛かった。


 デゼルの一番、綺麗で可愛い表情も、優しくて甘い声も、僕だけが知ってる、僕だけしか知らないもの。

 緩く波打つ銀の髪から、きらめきながら優しい光が降るように――

 僕に呼ばれたデゼルが見せる微笑みは、まるで、闇の中に月の光が零れるみたいに、優しくて、儚くて、とても綺麗なんだ。


 穢れてなんていない。

 初めて会った時から、デゼルの瞳はずっと澄み切っていて、哀切な翳りを帯びてさえ、幻想的なまでの美しさだった。

 デゼルは何も変わっていない。

 変わったのは、ただ、周りの態度。


 ずっと、みんなのために力を尽くしてきたデゼルへの報いがあれじゃ、あんまりなのに。

 デゼルが従える闇主たちを見た人々の多くが、表ではデゼルを称賛しながら、裏ではデゼルを穢れた魔女だと蔑んで、心ない嘲笑や中傷、悪意を向けてくるから、デゼルはいつまでも体調がよくならないんだ。

 デゼル、待っていて。

 僕が必ず、デゼルを守ってあげるよ。

 デゼルは僕のことだけ考えていたらいいんだから。

 僕のことしか、考えられないようにしてあげるから。


 僕ならきっと、できるんだ。

 母さんも、みんなも、僕とデゼルじゃ釣り合わないから、一緒になるのは無理だって、言ったけど。

 どうしてかな、僕は無理だと思わなかったし、こうしてデゼルは僕の隣にいて、僕のすべてに従う。

 これまでも、これからも。


 僕が呼べば、デゼルはすぐに飛んでくるんだから、つないだり、(おり)に閉じ込めたりはしないよ。

 だって、僕に呼ばれたデゼルが、すごく嬉しそうな笑顔を見せて、僕の腕の中に飛び込んでくる瞬間が、僕は一番、好きなんだから。

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