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悪役令嬢と十三霊の神々 ~悪役令嬢はどうしても町人Sを救いたい ~  作者: 冴條玲
第二章 魔神ルシフェル来襲 ≪永遠のロマンス≫
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第63話 悪役令嬢は町人Sに叱られる

 ユリシーズが続けざまに死呪文を放った。

 ここまでして、確殺してくれるのね。

 私の方こそ、ユリシーズには感謝の言葉もない。

 私の高すぎる抗魔力を考慮すれば、死呪文だけでは心許ないのは私も同じ。


「デゼル、危険だ。今ので三度目の気絶だよ」

「だいじょうぶ、もう少し――」


 ベムベムベム


 アラート音が聞こえた。


==================================

 闇巫女デゼルの意志により一つの命が潰えました。

 水神の承認の取消条件にカウントされます。

 ≪1/1000≫

==================================


 あ……。


 なんだろう、このもの凄い、ショック。

 私、本当に殺したんだ。

 何の罪もないこどもを。


「ユリシーズ、ありがとう。――終わった」


 涙があふれて止まらない。


生命の水(ウンディーネ)【Lv10】――水神の名を借りて命ずる、デゼルの身を清め、癒したまえ」


 拭っても、拭っても、まだ、涙があふれるのよ。どうして?


「サイファ様、私、サイファ様を闇主から解放できるようになったの。公国の滅亡も、阻止できたの。だから、もう、サイファ様を解放していいよね?」

「何のために? デゼル、僕を闇主から解放したら、死ぬつもりで言ってるんじゃ」

「だって、私、こどもを殺した……! どうして、私、生きてるんだろう。何のために、殺したんだろう。サイファ様を解放できるようになったんだから、こどもだけ、殺す必要なんてなかった! 私が死ねば!!」


 パンと、サイファがすごく怒った目をして、私の頬を叩いた。

 サイファが私を叩いたのなんて、初めてよ。


「サイファ様……」

「デゼル、デゼルが死ねばよかったなんて、二度と言わないで。言ったはずだよ、僕は解放を望まない。デゼル、着替えてやすまないと駄目だ。生命の水を使ったって」


 私の額に手を当てたサイファがかぶりをふった。


「心労でまた、高熱が出てる。デゼルは弱いんだから、無理をしたら駄目だ」

「サイファ様……」

「ずっと、傍にいるから。デゼルが僕を嫌いになるまで」

「……ならない……」

「じゃあ、死ぬまで」


 泣いて、泣いて、サイファの胸で泣きじゃくった私は、そのまま気を失ってしまったけど。

 二度と戻れないと思ったサイファの腕の中に、戻れた。

 それが、言葉にできないくらい、嬉しかったのよ。

 ずっと、この場所に戻りたかった。ずっと、サイファに助けて欲しかったのよ。


 いつまでも、傍にいて欲しい。

 サイファが傍にいてくれたら、サイファが傍で生きていてくれたら、私、他には何もいらないの。


 どうか、ずっと――

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