【Side】 エリス ~あの子は何なの~
★☆ 新連載のご案内 ☆★
同じ物語をサイファ視点で書いた新連載を開始しました。
https://www.alphapolis.co.jp/novel/153000069/781509349
タイトルが確定しなくて迷ってます。なんてタイトルがいいか、よかったらアドバイス下さい。
デゼるんが可哀相になるくらいコメディです。
サイファ編を先に読んだら、デゼル編の感動のクライマックスだいなしです。
――さいふぁ様は大真面目だよ! さいふぁ様の天然がものすごい渾身のラブコメディです。
「何なのよ!」
ありえない!
あのサイファって子、何なの!?
お帰り下さいじゃないわよ!
命懸けで守ろうとしたあの子に捨てられれば、おぞましい汚物を見る目を向けられれば、デゼルの心は絶対に壊れたのに……!
何十人もの男と交わって、穢され尽くしたあげく、孕まされたデゼルのために命を捨てられるって、どういうことなの!?
あそこは「女神様、汚らわしい淫売の魔女はどうなってもいいから、どうか、僕を闇主から解放して下さい」って、泣き喚いて私にひれ伏すところじゃないの!
あの子が「近寄らないで、見るもおぞましいから」と言って、デゼルを冷酷に拒絶したら、デゼルとの約束通り、あの子を闇主から解放してやろうと思ったのに!
デゼルがどうするか見物じゃないの。
死にたいって、ホントに本気?
どんな復讐だって思いのまま、世界を思いのままにする力があるのに、ホントに死ぬの?
もしも、デゼルがその手でサイファを殺したら、最高に笑えたのよ。
デゼルがホントにおとなしく死んだら、それはそれで笑えたし。
だってそれって、デゼルったら、何のために地獄の十二日間を耐え抜いたの?
サイファにおぞましい汚物を見る目で見られて、冷酷に捨ててもらうために?
身体をバラバラにされるような痛みを覚えて、慟哭しながら、さぞや運命を、主神を呪いながら命を絶ってくれたわよねぇ?
想像しただけでゾクゾクするわ。
それなのに!
「デゼルが望むなら、僕の腕の中で死ねるよ」
そう言って微笑んだあの子を見た時、ぞっとした。
あの子、本気だった。
デゼルが死ねば、あの子の命もないと承知で、穢され尽くしたデゼルを、迷いのない優しさと愛情を込めて抱き締めてた。
一片の悲しみも、怒りも、恐怖も抱えない心で。
あの子、狂ってる。
「そんなものは、デゼルに必要のない感情だからさ」
「――主神!」
「あれが、ルシフェルが君に与えなかった、愛情、思いやり、いたわり、優しさ、そういうもののすべてを備えた心の神髄だ。何よりも強く、美しい魂だろう?」
「あんたも狂ってる!」
「心から愛する少女を救うために、今は必要のない感情のすべてを制圧する、無敵の心が奏でる妙なる調べを、美しいと感じられないなんて、君は本当に――」
主神、その目はなに。
私に向けるその目をやめて!
「哀れな神だ」
「なんですって!」
「――そうだとしても、ね」
主神はすぐ、『その目』はやめた。
そうよ、その目はやめて。
災禍の女神に向けられる目は、憎悪、敵意、怨嗟、そして畏怖――
そういうものでなければ!
「ちょっと、主神、何するのよッ!」






