表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢と十三霊の神々 ~悪役令嬢はどうしても町人Sを救いたい ~  作者: 冴條玲
第二章 魔神ルシフェル来襲 ≪永遠のロマンス≫
84/176

第56話 悪役令嬢は闇の皇子に帝位を捧げる

 エリス様に遭遇(エンカウント)してから十二日目。

 水神にモードチェンジした私は、闇主たちを引き連れて、皇宮に突入したの。

 外堀の水を逆滝の噴水のように立ち昇らせて、矢も砲弾も弾き返すようにした。

 城門だけは開けておいて、武器を捨てて投降する者は助命して出してあげるように闇主たちに命じておいた。


 私には、皇帝と皇太子の顔がわからないから、その確認のため、ネプチューンにだけは、一緒に突入してもらったの。


 皇太子ウラノスを見つけると、ネプチューンがたちまち一刀両断にした。

 ユリアのことで、恨み骨髄(こつずい)だったのね。

 だけど、皇帝を見つけた時には、ネプチューンはそうしなかった。


「やれ」


 私に命じたの。


「――はい」


 私は震えそうになる水神の手を、真っ青な顔をした皇帝に向けた。


「で、きな――」

「やれ」


 私は泣きながら、皇帝の全身の血を蒸発させて絶命させたの。

 皇帝はネプチューンが討つことになっていないの。

 ゲイルの獲物なのよ。

 私がやらなかったら、ネプチューンは内戦にするかもしれない。

 そうなったら、何の罪もない帝国の人達がたくさん殺されてしまうもの。


「ほう」


 手の震えも涙も止まらなかった。

 私、人を殺した。この手で、人を殺した。


「よくやった、おまえを俺の副官にしてやる」


 知ってる。

 よくやらなくても私が副官よね。

 どうして、よくやらなくても私が副官なの?


褒美(ほうび)に今夜、抱いてやる。俺の部屋に来い」


 なんて、言ったの?


「褒美は必要ありません」

「デゼル? じゃあ、命令だ」


 デゼルはまだ十歳よ!?

 愕然(がくぜん)とした目でネプチューンを見て、私は水神のまま、水道管から逃げたの。


 ネプチューンが皇帝になるまでのシナリオは、これで完成したはず。

 もう私、ここにいなくていいよね?


 人のいなくなった皇宮のお風呂を勝手に借りた後、台所も借りて、私の体調が悪い時に、サイファがよく作ってくれたミルクパンを作って食べたの。

 涙の味しかしなかったけど、なんとか、お腹に入れたの。


 あと少し――


 サイファ達が公国にいるのを、『なかま』のステータス画面で確認したもの。

 私が帝国にいる限り、残り二日、会うことはないはず。



 レーテー様、どうか、一刻も早く私に祝福を下さい。

 神様、どうか、私にご慈悲を。ひとつでいい、承認を下さい。

 サイファ達を闇主から解放したいの。


 私が、この命をつなげなくなる前に――


 どうか、サイファ達を助けて。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ