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悪役令嬢と十三霊の神々 ~悪役令嬢はどうしても町人Sを救いたい ~  作者: 冴條玲
第二章 魔神ルシフェル来襲 ≪永遠のロマンス≫
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【Side】 サイファ ~町人Sは悪役令嬢を探し求める~

「グノース――」


 僕が『それ』に気づいたのは、その日の午後だった。

 ティニーのことに始まり、この三年間、僕達が助けて回った人達のことが詳しく書かれた情報の最後に、デゼルのページがあったんだ。

 デゼルは自分のことは、時期と、グノースと書いて×をしているだけだった。

 時期の方は、『闇の十二使徒の最後、私が十歳、ユリアが暗殺されるタイミング』と書かれていた。


「ガゼル様、これ……」

「!? グノースに心当たりはないが、念のため、帝国に到着したらすぐ、部下を一人、公国に帰してグノースについて調べさせよう。私達はスノウフェザーの前にネプチューン皇子に会って、ユリア様の安否とグノースについての心当たりを尋ねた方がよさそうだな」


 その夜にもまた、デゼルが『夜明けの守護』を使ったらしく、ガゼル様が急激に体調を悪くしたんだ。


「くそッ! このペースでこれだけ苦しむような目に、デゼルが遭っているのに……!」


 その言葉を聞いて、ガゼル様でさえ、どうしようもないんだと知った時。

 僕は、もう一つのことに気がついたんだ。


「ガゼル様、デゼルは助けられるはずです。僕達が見せられたデゼルの最期は、十歳には見えませんでした。デゼルは十歳で死ぬ予定ではないはずです」


 軽く目を見張ったガゼル様が、うなずいてくれた。


「そうだな、確かに、その通りだ。だが、気を抜くなよ。滅びる予定だった公国が滅ばずに済みそうだということは、するべき努力をしなければ、死ぬ予定のなかったデゼルが死ぬこともあるということだ」

「はい!」


 僕は、今ほど、ガゼル様がいて下さることに感謝したことはなかったと思う。

 一人だったら、自分の無力に絶望して、途方に暮れるしかなかったんだ。

 助けられるデゼルも、きっと、助けられなかった。


「サイファ」

「はい」

「デゼルがどうして君を選んだのか、よく、わかったよ」

「え……?」


 ガゼル様が寂しそうに微笑んで、僕を見た。


「サイファが傍にいると安心する。――私では、同じ安心感をデゼルに与えてあげることはできないんだろうな」

「――ガゼル様、デゼルも手紙に書いていたけど、僕も、ガゼル様が治めることになるオプスキュリテ公国に生まれたこと、ガゼル様にお仕えできることを誇りに思い、感謝しています。今、あなたがここにいて下さることにも」


 そうか、と、ガゼル様が優しく微笑んでくれた。すごく綺麗だと、僕はいつも思うんだ。


「ありがとう」

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