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悪役令嬢と十三霊の神々 ~悪役令嬢はどうしても町人Sを救いたい ~  作者: 冴條玲
第二章 魔神ルシフェル来襲 ≪永遠のロマンス≫
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第52話 公子様は悪役令嬢をどうしても守りたい

「ねぇ、デゼルってそれ、いつも、何してるの? 僕が見てもいい?」

「えっと……」


 学校をやめても、勉強は遅れないように自習で進めていたサイファが、私を振り向いた。

 攻略ノートはすでに三冊目。


 パラパラとノートをめくったサイファが、軽く目を見張った。


「闇の神の予知って、すごいんだね。ティニーがいつどうして亡くなるかまで、あらかじめ、わかってたんだ。予定日を過ぎてるから、ティニーはもう、助かったんだよね?」

「うん」


 私がにっこり笑うと、サイファも笑ってくれた。


 真っ青な顔をしたガゼルが訪ねてきたのは、そんな、平和な時間のことだった。


「デゼル、少し、つきあってもらいたいんだけど」

「ガゼル様? サイファも一緒に――」

「いや、今日はデゼルひとりで」


 私がサイファの顔を見ると、サイファもうなずいてくれた。


「わかりました。どちらへ?」

「公邸に跳べる?」


 何度か、ネプチューンとの打ち合わせにガゼルを連れて帝国に跳んだことがあるから、ガゼルはクロノスのことを知っているの。

 私はガゼルにうなずいてから、サイファを振り向いたの。


「サイファ様、行ってくるね」

「うん、気をつけて」


時空(クロノス)【Lv2】――目標、公邸」


 公邸に跳ぶと、急ぎ足のガゼルに手を引かれて、私は初めてガゼルの私室に通された。


 うわぁ、綺麗。


 大理石の壁と柱に、落ち着いた雰囲気の布がかけてあって、神様が住む場所みたい。


「デゼル、ごめんね」

「えっ……」


 唇が重なって、すぐに、舌が絡んだ。


「んっ……!」


 身体が動かない、ガゼル!?


「夜明けの守護をかけるから。デゼルが魔法を使おうとしたら、今みたいにして止める」

「やっ……! ガゼル様、どうして!?」


 夜明けの守護って、契るってことよ!?

 いつかと同じ、ガゼルにされると苦しくて、すぐ、魂を縛られたように身体が動かなくなるの。

 身体の自由がきかない私を、ガゼルが寝台に横たえた。

 衣装を解いた胸元に口づけられて、私は悲鳴を上げて懇願したの。


「やめて! ガゼル様、お願い、やめて!」

「聴こえるんだ、声が。とても、空耳だとは思えない」


 声!? 声って何の!?


「――災禍の女神エリスが、君をさらう」

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