表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢と十三霊の神々 ~悪役令嬢はどうしても町人Sを救いたい ~  作者: 冴條玲
第二章 魔神ルシフェル来襲 ≪永遠のロマンス≫
72/176

【Side】 先生 ~誰にも暴れるゴリラを止められない~

 教科書はと聞かれて、忘れましたならまだしも、持ってきていませんと答えた生徒は初めてだ。

 それが飛び級で進学してきた闇巫女様だと言うんだが。

 闇巫女様なんてのは、要するに、インチキ占い師なわけだろう?


 あげくに、注意したら、「もう、明日から来ません」ときた。

 小学校でどれだけ甘やかされてきたんだか知らないが。

 教科書さえ持ってこない、授業を受ける気のかけらもない生徒には、学校に来る資格などないんだ。

 他の生徒に悪影響があるばかりだ。


 デゼル、サイファ、ジャイロの三人の成績は優秀らしいが、あやしいものだな。

 インチキ占い師の肩書で、ゲタを履かせてもらっていたんじゃないのか。


 だが、デゼルが中退した後も、平和は続かなかった。

 ジャイロをはじめ、数人の男子生徒が私にガンをつけてくるようになったんだ。

 その場はサイファが注意してくれたが、あの子もよくわからないな。

 私にも偉そうに注意したし、上から物を言うのが好きな子なのか?

 中二病の時期が近いからな、男子中学生なんて、どの子も世界で最もバカな生き物だ。


 そう思っていたら、ジャイロとサイファが想像を超えるバカな真似をしてくれた。

 中学生が放課後に、仰々しい装備を持ち出してのケンカなんて前代未聞だ。

 どういうことなんだ。

 二人とも、装備を使いこなしているように見えて、到底、割って入れなくて困っていた時だった。


 中退したはずのデゼルがなぜかいて、割って入った。

 そうかと思えば、サイファとイチャつき始めた。


「君達ね、学校でそういうことをしていいと思っているのか」


 私は断じて、おかしな注意はしていないんだ。

 極めて、常識的な指導をしているだけだろう。


「先生、僕も中退しようと思います。僕が中退すると、ジャイロがクラスで暴れるかもしれないと思って、ためらっていたけど」


 その時には、まったく、意味がわからなかった。

 だが。

 サイファがいなくなった後、地獄が始まった。



 **――*――**



「よぉ、センコー」


 いきなり、ジャイロに殴りつけられたんだ。


「サイファとデゼルを退学させるとか、いい度胸じゃねーか。サイファの代わりに、オレのサンドバッグになってくれんだろうな?」

「なっ」

「もともと、そうだったんだぜ? サイファとデゼルがオレのブレーキだったのになぁ? クラスメイトなんか殴っても、もう、弱すぎてつまんねーんだよ。中学生になったし、センコーを殴るのがいいよな?」

「いいわけがあるか!」


 ジャイロにあまりにも問題があったので、保護者に連絡をしてみれば、保護者にいたってはキングコングだった。会話が可能な相手ではなかったんだ。

 保護者会も校長すらも、ゲイル・カーペンターの前には沈黙を貫くばかり。

 ジャイロの素行にどれだけ問題があろうとも、誰も何も言えない状態だった。




「よぉ、センコー」


 翌日もまた、ジャイロに殴りつけられたんだ。


「ゴリラをおとなしくさせとくにはよぉ、バナナ(デゼル)安全な檻(サイファ)が必要だよなぁ? オレ達がなんで、小学校の間、ずっと、同じクラスだったと思ってるのか、聞いてみたいと思ってよ」

「け、警察にッ……!」

「警察なら、キングコングに盾突けると思ってんのか?」


 ジャイロが陰惨に笑って言った。


「警察官だって、命は惜しいからなァ! ゲイルに盾突いてくれたのなんて、デゼルとサイファだけなんだぜ? ゲイルは公国軍の将校なんだから、もっと上にかけあわないと駄目だなァ? デゼルの後ろ盾である公家とかなァ!」


 いったいどうして、そこまで話が大きくなるんだ!?

 この素行不良の中学生を、誰にもどうにもできないって、どういうことなんだ!


「オレがこんな真似してると知ったら、デゼルもサイファもぜってぇ、許さないのになァ? 誰が退学させたんだろうなァ? 公家にかけあったら、デゼルが退学した理由について聞かれるよなァ」


 ガクガク震えている私の肩を、ジャイロがぽんぽんと叩いて言った。


「デゼルに頭下げて、ゴリラなんとかしてくれって頼んでみれば?」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ