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悪役令嬢と十三霊の神々 ~悪役令嬢はどうしても町人Sを救いたい ~  作者: 冴條玲
第一章 悪役令嬢はナイトメアモードを選ぶ
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第47話 隻眼の魔女は闇の皇子が恋しくてならない

 刺客に襲われた時にはどうなることかと思ったけど、ネプチューンとの初顔合わせは首尾よく終わって、皇宮内の時の精霊との契約にも成功したの。


 皇帝とか皇太子とかの暗殺そのものはかんたんなのよ。

 顔さえわかれば、水神にモード・チェンジして水道管から侵入するもよし、公式行事の場を狙うもよし。

 水神にモード・チェンジしている間は無敵な上に、小人のようにも、巨人のようにもなれるの。

 そして、水神の力をもってすれば、血液を意のままにできるから、考えると激烈に気分が悪くなるけど、その意思さえあれば秒殺できると思う。

 だけど、私が独断でそんな真似をしたら、かえって戦争になりかねないもの。

 シナリオ通り、ネプチューンが帝位に就く意志を固めて、皇帝と皇太子を暗殺するよう、闇の十二使徒に命じるのを待つ必要があると思うの。


 それに、私は正直――

 私に暗殺なんてできるのか、自信がないの。


 襲撃された時にも、私とサイファは攻撃に回れなかったもの。

 攻撃なんて考えたら思考がフリーズしてしまうから、とにかく、なかまを守ることを考えてた。


「デゼル」


 帰りの船の中。

 ユリシーズが私達の船室を訪ねてきて、話があると言うから、その間、サイファにはジャイロの船室の方にいてもらうことにしたの。

 襲撃された時の、初めての呪殺がショックだったのかなと思った。


「デゼル、闇巫女様の奥義はあといくつ……?」


 え。


「ええと、あと二回よ」


 途端に、ユリシーズが恐怖に彩られた目で私を見たの。


「一回、使ったの……? もう……? ああ、使わないで、使わないで、私の分を残しておいて……」


==============================

 闇幽鬼(スペクター)ユリシーズがレベルアップしました。闇幽鬼【Lv4】になりました。

==============================


 えぇっ!?


「お願いよ……」


 美しい片目から涙を伝わせて、ユリシーズが私を見たの。


==============================

 闇幽鬼ユリシーズがレベルアップしました。闇幽鬼【Lv5】になりました。

 闇幽鬼ユリシーズがレベルアップしました。闇幽鬼【Lv6】になりました。

==============================


 えぇえっ!?


「あの、大丈夫よ。一回は予定通りなの。次はユリシーズの予定だから」


 闇幽鬼のレベルアップ条件って何なの!?


「私、今日、ネプチューン様をお守りしたよね……? ネプチューン様、見ていて下さったよね……? ああでも、この醜い顔を見られてしまった! こんな顔じゃ、こんな顔じゃ!」


==============================

 闇幽鬼ユリシーズがレベルアップしました。闇幽鬼【Lv7】になりました。

 闇幽鬼ユリシーズがレベルアップしました。闇幽鬼【Lv8】になりました。

 闇幽鬼ユリシーズがレベルアップしました。闇幽鬼【Lv9】になりました。

==============================


「ユリシーズ、落ち着いて!」


 なんか、闇幽鬼のレベルアップって喜んじゃいけない気がする!

 これ、おめでたくないやつよね!?


「素敵な人だった。とても素敵な人だった。私、あの人の傍にいたい……傍にいたいのに……! こんな顔じゃだめ、こんな顔じゃだめ!」


挿絵(By みてみん) 【挿絵】なかいのぶ様


==============================

 闇幽鬼ユリシーズがレベルアップしました。闇幽鬼【Lv10】になりました。

 闇幽鬼ユリシーズがレベルアップしました。闇幽鬼【Lv11】になりました。

 闇幽鬼ユリシーズがレベルアップしました。闇幽鬼【Lv12】になりました。

 闇幽鬼ユリシーズがレベルアップしました。闇幽鬼【Lv13】になりました。

==============================


 わぁあああ!

 怖い、なんか怖い!

 さっきまで【Lv3】だったのに、もう【Lv13】なの!?


「ユリシーズ、大丈夫、大丈夫よ! 約束する、必ず、ユリシーズのために残しておくから!」

「本当ね? デゼル、本当ね? 嘘ついたら針千本……呪殺してあげる……痛く、(むご)たらしく、苦しみ抜くように呪殺してあげるから……!!」


 ユリシーズの泣きはらした、真っ赤な目が私を見たの。


 ――怖いッ!


 これがもう一人の悪役令嬢ユリシーズ、隻眼(せきがん)の魔女なの!?


「私、疲れた……」


 うん、疲れたと思う。

 短時間に10レベルもアップするような精神状態だったんだもの。


 クライスといい、ユリシーズといい、やっぱり、闇の十二使徒は違った。

 サイファやガゼルが懸命に努力して到達する強さを、軽々と超えていくんだって実感した。

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