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悪役令嬢と十三霊の神々 ~悪役令嬢はどうしても町人Sを救いたい ~  作者: 冴條玲
第一章 悪役令嬢はナイトメアモードを選ぶ
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第41話 悪役令嬢は町人Sから誕生日の贈り物をもらう

「デゼル、お誕生日おめでとう」


 九月七日の夜、いつものようにサイファの寝室を訪ねた私に、サイファがそう言って、小さな贈り物をくれたの。

 星ロマのラスボス、闇の皇子ネプチューンとの初顔合わせを間近に控えた夜だった。

 誕生日だもの。

 ちょっとくらい、ずうずうしくてもいいよね。


「サイファ様、座って♪」


 サイファを寝台に座らせて、私もそのとなりに、サイファにくっついて座ったの。

 もう、私、にっこにこよ。

 なにかな、なにかな?

 可愛い白と桜色のリボンをといて、小さな包みの中身を手の中に転がして、私は息をのんだの。

 手の中に転がったのは、綺麗なイヤリング。


 これ……。


『サイファよりデゼルへ 永遠の愛を込めて』


 ムーンストーンを金で縁取(ふちど)って、月を(かたど)った台座に、彫刻されたメッセージ。

 小さなアクアマリンが、月の台座の中に揺れていたの。

 このイヤリング、私、知ってる。

 デゼルがずっと探していた、『壊れたイヤリング』よ。


 こういうものだったの!


 このイヤリングを、あの場所でなくすのはつらすぎる。

 最後まで、なくしたまま取り戻せなかったデゼルが、崖から身を投げてしまったはずよ。


 イヤリングを胸に抱き締めて、涙が止まらなくなってしまった私を、サイファが優しく抱き寄せてくれた。


「サイファ様、ありがとう。一生の宝物にする」

「デゼル、どうしたの」

「嬉しいの。でも、私、なくしてしまうかもしれない。なくしたら、悲しすぎて、生きていけないよ……」


 涙があふれて止まらないの。

 しゃくりあげる私を、サイファがぎゅっと抱き締めて、なだめるように、頬をすり寄せてくれた。


「なくしてしまったら、また、次の誕生日に贈ってあげるから。大丈夫だよ」


 だめよ。

 穢され尽くしたデゼルに、このメッセージを彫刻したイヤリングをもらう資格なんて、その時には、もうないもの。

 なくせないの。なくしたら終わりなの。


 泣き続ける私を抱いていたサイファが、そっと言ったの。


「デゼル、今夜、契りたい。デゼルが嫌でなければ」


 どきんとして、サイファを見た。


「嫌じゃ、ないよ……私、サイファ様なら……」


 どうして、手が震えるの。


「サイファ様、私がどんなに泣いても、抵抗しても、やめないで」

「デゼル?」

「怖いの。でも、嫌じゃない。サイファ様、愛してる。私も、サイファ様となら契りたい」


 サイファが優しく笑って、いつもするように、私の髪に、頬に、唇に、キスを降らせてくれた。

 私は震える手で、先にサイファのパジャマを脱がせてから、クロノスを宣言したの。一時的に大人(おとな)になって契るために。


時空(クロノス)【Lv6】――ターゲット・サイファ、十八歳」


 それから、自分のネグリジェの(ひも)を解こうとしたけど、手が震えてうまく解けないの。

 そうしたら、サイファが解いてくれた。


 私、怖い。

 まだ、何もしないうちから、怖くて涙ぐむ私の手の甲に、サイファが優しくキスしてくれて、少しだけ勇気が湧いたの。


時空(クロノス)【Lv6】――ターゲット・デゼル、十六歳」

※ 初夜は個人サイト限定で公開しています。一般公開では初夜はカットして翌朝の話から続きます。(詳細は11月17日の活動報告)

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