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悪役令嬢と十三霊の神々 ~悪役令嬢はどうしても町人Sを救いたい ~  作者: 冴條玲
第一章 悪役令嬢はナイトメアモードを選ぶ
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第27話 悪役令嬢は婚約破棄をたくらむ

「サイファ様、手を、つないでもいい?」

「うん」


 落ち着こう。

 急に聞いて、びっくりしたけど。


 大丈夫よ、きっと。

 私、サイファにキスしてもらったもの。


 そうよ――

 きっと、何かの間違いだと思うし、そうでなかったとしても。


「デゼル、怖かったら抱っこしようか?」

「うん」


 抱いてもらったら、涙が出てきた。

 私、ほんとに怖かったのね。

 サイファの胸が優しくて、ほっとしたら、涙が出てくるくらいには。


「サイファ様、ありがとう」

「今日はこの後、予定通り、クライスさんのところに行くの?」

「――うん、時間がないの。でも、少し、待って」


 サイファに抱っこしてもらっていると、気持ちが落ち着くの。

 大丈夫――

 びっくりしたけど、そうね、水神の加護を公子様が頂いたことにしてもらったから。

 上の方で、それを確かにしようとする動きが出てしまったのかな、たぶん、そうね。


 なら――

 水神の加護が目的の政略結婚なら、逆手に取れば、サイファの身に危険が及ばないように公子様を断れるはず。

 サイファが邪魔にされて、暗殺とか追放とかされる前にわかってよかった。


「公子様のことで、少し、マリベル様に話してから行く。サイファ様に何かあってからじゃ、遅いもの」


 現実って、へんね。

 私、こんなにサイファが好きなのに、どうして、他人が私の婚約を決めたりするのかな。



  **――*――**



「マリベル様」


 呼んでもらったマリベル様に、私は居住まいを正して聞いてみたの。


「私が公子様と婚約しているって本当ですか」

「ちょうど、その話をしようと思っていたところです」


 にっこり笑ったマリベル様は、確信犯の微笑みだった。


「公家から正式な申し入れがあったので、受けました。サイファとは少し距離を置いて頂いて――」

「マリベル様」


 私も無邪気を装って、にっこり笑った。


「サイファ様はデゼルの闇主です。デゼルはサイファ様と契りました。デゼルは生涯、喜んで、サイファ様にお仕えすることを誓いました」

「はっはは! デゼル様は子供でいらっしゃる、その程度のことで契ったとは言わないのですよ。それに、それでは主従が逆というものです。闇主こそは、闇巫女を守り支えお仕えするべき――」


 残念ね、マリベル様。

 私、名探偵コ〇ンなの。

 例によって、私は白々しい子供っぽさの声で言ってのけた。


「えぇ~! だって、水神様が、デゼルはもうサイファ様と契っているってお認め下さったのに、公子様とも契るような不義をすれば、デゼル、水神様のご加護を失ってしまいます」


 マリベル様が見る間に血の気を引かせた。

 ふ。

 どうよ。

 相手は神様よ?

 神様の前に不義があってはいけないよね。

 それに、ほんとに、神様からの承認を取り消されるかもしれないよ?


「水神様がお認めに……?」

「はい!」


 私は無邪気にうなずいて見せたの。


「マリベル様、サイファ様にはもう闇主としての魔力も発現しているのに、どうして、お疑いになるのですか?」

「いや、それは……え、契ったの? 七歳で?」


 にこにこにこ。

 ちょっと、苦しいかな?

 でも、水神様のご加護を失うわけにはいかないはずよ。

 水神様のご加護を失っては、この婚約は本末転倒。


「ですから、公子様との婚約は、丁重にお断りして下さいね。公子様のことは敬愛していますが、デゼルの闇主はサイファ様です」

「は、はぁ」

「今日は午後からクライス様を訪ねる予定なので、サイファ様と行って参ります」


 私はマリベル様に丁寧にお辞儀をすると、席を立ったの。

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