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悪役令嬢と十三霊の神々 ~悪役令嬢はどうしても町人Sを救いたい ~  作者: 冴條玲
第一章 悪役令嬢はナイトメアモードを選ぶ
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第16話 悪役令嬢は水神を選ぶ

「水神様の祝福を」

「え。」


 軍神マルスがあきれた顔で私を見た。


「水神ねぇ。嵐を起こして敵艦隊を海に沈める方がお好みかな?」

「私が生きている間に、戦争になることはないと思います」


 必ずしも、私なりのやり方で成功すると思っているわけじゃないよ。

 だけど、失敗した時には、私は生きていないと思うの。

 その意味で、私が生きている間に、戦争になることはないと思う。


「まぁ、それがデゼルの選択ならな。言い忘れたが、俺達、残り三霊の神からの祝福は、選んだ神――水神の承認を得てからだ。水神の承認を得ることができた時には、また、聖杖に祈って俺達を呼べ」

「わかりました」


 水色の人魚のような女神様が、中空を泳ぐようにして私のそばを通りすぎると、心地好い冷たさの水の流れの中に放り込まれたような、不思議な感覚の後、すべてが元に戻ったの。何もかも、幻だったかのように。


 キンコーン


==============================

 闇巫女デゼルに水神ウンディーネからの祝福が与えられました。

 精霊の祝福により、魔力と抗魔力が一段階上昇し、生命の水【Lv1】が付与されました。

 さらに、水神にモードチェンジすることにより、水を支配できるようになります。

==============================


 モードチェンジって何だろう。

 『叡智』の出番ね!


【モードチェンジ】 「モードチェンジ、〇〇」と宣言することで、モードチェンジできます。戻る時には「モードチェンジ」とだけ宣言します。


 やってみよう。


「モードチェンジ、水神」


 さっきと同じ、水の流れの中に放り込まれたような不思議な感覚の後、体が宙に浮いたの。

 鏡を見れば、水神になってる!


 グラスの中の水を動かしてみたら、簡単に、思った通りに動くのよ。


 水神モード、強力すぎないかしら。

 軍神マルスの祝福も、授かれば一人で帝国軍を焼き払えると仰ってたけど……。


 ゲームバランスとか、存在しないのかしら。

 ううん、違う。そうじゃない。

 ここは乙女ゲームの世界。

 乙女ゲームの目的は敵を倒すことではないもの。


 ゲームバランスは崩壊していない。

 私は悪役令嬢。

 ネプチューンを倒すことがゲームの目的ですらない。

 恋愛の成就が目的でもないはず……。


 あれ?


 私は何をしたら、このゲームをクリアしたことになるんだっけ?


 あれ???


 困ったときの『叡智』よね。

 このスキル、最初はしょぼく感じてしまったけど、すごく使える。

 メティス様ごめんなさい。

 ご助力に心から感謝します。


【ゲームクリア】 十三霊の承認を集め、主神に三つの願いを叶えて頂きましょう。


 あ、そうか。

 私って、そのためにこの世界に送り込まれたんだった。


 でも。


 私がサイファと公国を守りたいのは、ゲームなんかじゃない。

 それは、私の個人的な目的にすぎないから、ゲームバランスがおかしいように感じるのね。

 私の優先順位の問題――


 私はどきんとして、どきどきしてきて、そっと胸をおさえた。

 どうしよう。

 思っていたよりも、ずっと、たいへんなことを引き受けてしまった。

 途方もない数の人命を左右できる力を授かってしまった。

 私、こんなに大それた力を使いこなす自信ない。

 私じゃなければ、もっと、たくさんの人に幸いをもたらせたかもしれないのに。


 ……。


 でも、今さら、そんなことを考えても仕方ないのね。

 後戻りはできないもの。

 私の最善を尽くして、応えるしかできない。

 だから、ただ、そうしようって――

 遠い昔に決めたのよ。


 私の最善の選択は水神。


 この選択が、私の限界。

 だから、信じて頑張ろう。

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