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【Side】 エリス ~思い通りにならない貴方が愛しくて~

 主神の世界に立ち入れなくなってから、ルシフェルはすっかり意気消沈して、なんだか、このまま滅びてしまいそうなくらい、塞ぎ込んだきり。

 なによ、主神なんて。

 あんなの、どうでもいいのに。

 お願いよ、ルシフェル。

 あたしを残して逝かないで。あなたがいなくなったら、あたし、どうしたらいいの?


「やぁ、ルシフェル。どうしてるかと思って」


 ふいに、大嫌いな主神の声が降ってきたのは、唐突だった。

 ルシフェルが大きく目を見開いて、主神を見たわ。

 そりゃそうよ。

 主神がルシフェルを訪ねてきたのなんて、初めてのことだもの。


「別に、どうも」

「なんかさ、頑張ってくれた雪乃には悪いんだけど、すべてが私の願い通りって、面白くないんだよね。思い通りにならない君の顔を見たくなっちゃった」

「馬鹿め」


 ルシフェルがすごく嬉しそうに、主神をあざわらった。


「いいんだよ、私の世界は私の思い通りで。たまに、こっちに遊びに来させてよ。ルシフェルの世界はどうなってるの? また、エリスが滅ぼしたきり?」

「どうだったかな、エリス、エスティニアⅧは滅ぼしたのか?」

「もう少しよ」

「うわぁ。滅ぼす前提の会話してるの。ルシフェルって何のために創世してるの」

「別に」

「ルシフェルもさ、エリスをすべて思い通りにするのやめたら? 思い通りにならない方が面白いって」


 そうなのかしらね?

 そうしてもらったら、ルシフェルはもっと、あたしを見てくれるようになるのかしら?

 ルシフェルがふっと、妖艶に笑ったわ。


「なら、おまえがエリスに祝福を与えてみればいいだろう」

「あれ、私が手出していいの? じゃあ、祝福してみようか」


 ちょっと、ルシフェル!

 主神の祝福って、なにそれ待って!?


「きゃあッ!」

「ちょっと、エリス! 神の祝福を怖がらないでよ。ルシフェルじゃあるまいし、悪いことしないって」

「な、なによ!」


 なにこれ!

 なにこれ、おかしい!

 悪いことしたじゃないの! あたし、おかしくなった!


 ルシフェルがまじまじとあたしを見て、面白そうに笑ったわ。


「へぇ?」


 そうかと思えば、ルシフェルが主神に襲いかかった。

 あ、犯る気ね。

 そりゃそうよ。

 主神がルシフェルのテリトリーに入ってくるなんて、千載一遇のチャンスだもの。


「うわ!」


 バヂン!


 神の雷がぶつかりあった凄まじい音がして、強烈な衝撃波がきた。


「たまに訪ねてきた異世界の神にいきなり襲いかかるとか! ルシフェル、君ね!」

「歓迎してやってるんだろう?」

「その歓迎の仕方、嬉しくないから! 帰るよッ!」


 あら、もう帰るの。

 ルシフェルも少し、残念そうだけど、主神が来る前よりは、随分、嬉しそうな顔をしてるわね。


 そうかと思えば、ルシフェルがあたしの(あご)を取って、まじまじとあたしを見詰めたわ。


「ふうん? 退屈はしなくて済みそうだ」


 主神はまた絶対くるから放っておいていいって、ルシフェルが言うの。

 でも、あたしもそう思った。

 馬鹿よね。

 主神はもともと、ルシフェルを気にしていたもの。

 ルシフェルを主神の世界から永久追放してしまったから、会いたかったら、主神の方から会いに来るしかなくなったのよ。


 ざまぁないわ。


 今回は突然だったから、取り逃がしたけど。

 今度きたらハメる気ね。

 ルシフェル、そういう悪いカオしてるわ。

 相手のテリトリーに踏み込むっていうのは危険な真似よ?


「エリス」

「ん……」


 ルシフェルのキスが、いつもみたいに冷たくない。

 どうしたの?

 胸に火が灯るわ。


「エスティニアⅧはどうしたい?」

「いつもみたいに、滅ぼすつもりだったけど……おかしいわね? なんだか、飽きたわ」


 ルシフェルがエスティニアⅧを見据えて、その手に魔力を溜め始めるのを見て、私はひどく不安になったの。


「ルシフェル、どうするの? 滅ぼしてしまうの?」

「なぜ? 別に構わないだろう」

「そうだけど……でも……」


 私はどうしたの。

 おかしいわ。


「ねぇ、今度、主神が訪ねてきたら、エスティニアⅧを祝福させてみたら? 主神のことだから、すぐに愛着がわいて、ルシフェルがエスティニアⅧを滅ぼすのを嫌がって、気にするようになると思うわよ?」

「あぁ、それはいい考えだな。おまえは賢いね、エリス」


 ルシフェルのキスが冷たくない。

 嬉しいはずなのに、なんだか怖いの。

 なにかしら。


「なるほど、面白い」


 あたし、面白くないわ。

 とても不安なの。この感情は何なの。


「主神に祝福されたおまえがどんな神になるか、楽しみに、見ていようか。今度こそ、主神を歓迎するための罠を張りながら」

「そうね、ルシフェル……」




~ 完 ~

★☆ ――――――――――――――― ☆★

  完結キャラクター人気投票のお願い

★☆ ――――――――――――――― ☆★


https://velvet-kazakiri.ssl-lolipop.jp/kaza/dezel/


第二回へのお返事が滞っている状態なのに、

完結編のご案内で大変に申し訳ありません。

リアル事情が、なんか、すごく大変で(汗)

お返事は遅れていますが、第一回、第二回にご参加くださった皆様、本当にありがとうございます。

すごく励みになりました。

今回は妙なアンケートもついているので、よろしければ是非、ご回答を頂ければ幸いです♪(*´∇`*)

(必須項目は特にありません)


※ 本編はこれで完結ですが、まだ、しばらくは後書きとか、キャラ投票の結果発表とかの更新が入ります。

※ 詳細はリアル事情が落ち着いてからになりますが、サイファ編のご感想等、有償での募集を予定しています。応募多数の場合にはキャラ投票にご参加頂いた方を優先します。作者は議論好きなので、本編を熟読して下さった方であれば、褒めて頂く必要はありません。登場人物の友達のつもりで、登場人物宛のお手紙を書きたい方、大歓迎です✨(3月下旬には落ち着く見込みです)


【次回予告】 あとがき

https://www.alphapolis.co.jp/novel/153000069/971438146/episode/4634458



★☆ ============ ☆★

 【ご感想】羽海様より

★☆ ============ ☆★


これは…?

エリスも報われた、と言えるのでしょうか。

ルシフェルはまだ、あくまで主神が好きで、主神に与えられた祝福で主神っぽさが出たエリスが気になりだしたのだろうと思うのですが。ルシフェルもちょくちょく主神に会いに来てもらえるようですし、これでみんな幸せだといいですね。


長文になりましたが、素敵な文章を読ませてくださってありがとうございました…!神様たちや、デゼルたちのこのあと、エトランジュの人生など、この先も続いていきそうな物語が気になります。


☆ 返信 ☆

長い物語に最後までおつきあいを頂きまして、本当に、ありがとうございました。

頂いた素敵なファンアートとご感想の数々、感謝の言葉もありません。


ふふふ、エリス様は主神の祝福で主神っぽさが出たわけではなくて、思い通りにならない、ルシ様の御力でもすべてを読み切ることはできない存在になったのです。

わからない、思い通りにならないところが興味深い。


この後も、今度はきっと、ルシ様の世界で神々の物語は続いてゆくのだと思います。

ルシ様が創造した1000個目の世界、エスティニアⅧの命運を懸けて。


後日談についてはエトランジュの恋物語『夜明け前』など連載開始していますが、作者としてはサイファ編を推したいです。

どちらでも、気が向かれましたらお楽しみ頂ければ幸いです(*´∇`*)



★☆ ============ ☆★

 【ご感想】しき様より

★☆ ============ ☆★


主神様、やっぱりルシフェル様の事結構好きなんだなと思ってしまいます。

ルシフェル様からは小学生の時に好きな子にちょっかいだしちゃうあの感じ、主神様からは図星な事言われたり嬉しくても素直になれない感じの印象を受けます。

ルシフェル様に造られたことにより、それに巻き込まれている(?)エリス様ってもしかして不憫…?


エリス様に与えられた祝福は何でしょう…

そういえば本編には主神様の祝福は出て来なかったような…

様々な感情を与える祝福かな?

ただルシフェル様の近くにいるのもありますし、以前と違う感情を持った事で傷付いたらそれはそれで可哀想だなぁと思います。エリス様が新しい感情によって幸福と感じられる何かに出逢えることを祈っています。


☆ 返信 ☆

主神とルシ様はなにげに両片思いです♪

そんなこと、二人とも絶対に認めませんが。

憎しみあう五つのお題とか懐かしい。


エリス様はもちろん不憫ですよ! あんまり不憫だから、主神が助けてあげようとこんなにも一生懸命になっていたのです。

この物語の真のヒロイン、真の悪役令嬢はエリス様と言っても過言ではないでしょう。

サイファ編の幻のルシ様視点なんて、エリス様、不憫の極み…(ノдT)


主神は配下の十二霊が与えることのできるすべての祝福を与えられますが、とりあえず、慈悲と慈愛の心をエリス様に与えました。

あんまりいっぺんにエリス様に足りないものを与えると、エリス様が崩壊してしまうので。

もちろん、主神に与えられた慈悲と慈愛によってエリス様はたくさん傷ついて、たくさん苦しむことになりますが、ずっと、望んでいたルシフェルの愛と興味をついに手に入れることもできます。

今までのエリス様と、これからのエリス様のどちらが幸福かは、神のみぞ知りそうです。


長い物語に最後までおつきあいを頂きまして、本当に、ありがとうございました。

頂いた素敵なファンアートとご感想の数々、感謝の言葉もありません。


第二章に頂いたご感想にも、

また、遡ってお返事していきたいと思っています♪(*´∇`*)

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