第94話 悪役令嬢は死の神タナトスの祝福を授かる
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闇巫女デゼルに死の神タナトスからの祝福が与えられました。
死の神の祝福により、サクリファイスが選定されます。
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「えっ……」
「デゼル! エトランジュ!」
死の神が風を切るように振るった大鎌が、サイファを一薙ぎにしたように見えた、の。
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第一の願いのサクリファイスが選定されました。
【サイファ】
サイファに死の宣告が降りました。
三十秒後に、サイファが絶命します。
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「なっ……やめて! 駄目、やめて!!」
「デゼル!?」
なにこれ!?
「忘却【Lv9】――ターゲット・サイファ!」
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エラーです。
死の神の祝福は呪いではないので解除できません。
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冗談はやめて、呪いじゃなければ何なの!?
こんなの祝福じゃない!!
「時空【Lv10】!!」
時空【Lv10】は使ったが最後、クロノス様の承認を取り消されてゲームオーバーになるスキルで、時間の巻き戻し。
ゲームオーバーでいい、私、リタイアしたいの!
お願いよ、リタイアさせて!!
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エラーです。
時空【Lv10】は神とのエンカウント中には使用できません。
なお、巻き戻しは『最後に神と会った直後まで』です。
死の神タナトスとのエンカウント前には、
エンカウント後であっても、巻き戻せません。
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「やだ、いやだ、お願いやめて!!」
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第二の願いのサクリファイスが選定されました。
【エトランジュ】
エトランジュに死の宣告が降りました。
三十秒後に、エトランジュが絶命します。
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「いやぁあああああ!!! サイファ! エトランジュ!!」
エトランジュが怖がって、火がついたように泣き出した。
サイファは。
サイファは。
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サイファが絶命しました。
第一の願いをかけて下さい。死の神の承認後に、叶えられます。
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この場所で、初めてサイファに会ったの。
どうして、冷たいの……?
泣き喚いていたエトランジュの泣き声が、しなくなった。
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エトランジュが絶命しました。
第二の願いをかけて下さい。死の神の承認後に、叶えられます。
第三の願いのサクリファイスは闇巫女デゼルが選定した後、
第三の願いをかけて下さい。
死の神の承認後に、叶えられます。
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「お疲れ様、デゼル」
いつの間にか、主神が降臨されていた。
「サイファとエトランジュを、返して下さい……」
震える声で、泣いて懇願する私に、主神は静かに答えたの。
「その願いだけは、叶えることができない。なぜなら、願いを叶えるためにはサクリファイスが必要だから」
三つの願いも、災禍と同じだったの……!?
「神様、願いはありません。何も叶わなくていい、サイファとエトランジュを返して! お願い!!」
「後戻りはできない。三つの願いをかけたら、闇巫女デゼルがこれまでに授かった祝福はすべて失われるが、願いをかけないまま、神々に祝福された闇巫女デゼルとして生きることならできる。かける願いはないと言うなら、私は神界に戻るけれど、すでに、生贄として捧げられてしまったサイファとエトランジュは戻らない」
「……」
京奈が絶対に後悔するって、本末転倒だって教えてくれたのに。
本当だった。
私はいつだって、大切な人も、大切なものも守れない。
どうして――
どうして、欲張ったの。
サイファの右腕が動かなくたって、私がサイファの右腕になればよかった。
サイファの左目が潰れていたって、まだ、両目とも失明するとは限らなかった。
知らない人達がサイファとエトランジュに投げてくる石は、私が受けて庇えば、すべては受けきれなくても、きっと、生きてはいけた。
ユリシーズや京奈やジャイロや、優しい人達だって、たくさんいてくれたのに。
サイファは今のままでいいって、幸せだよって、言ってくれていたのに――!!
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【ご感想】羽海様より
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一気に暗転!?
戦慄しました。どうして…?
どうしてサイファとエトランジュがサクリファイスにならなければいけないのでしょう…
デゼルがエリスの祝福を使っていれば…
と思ってしまいます…
☆ 返信 ☆
なぜ、サイファとエトランジュがサクリファイスに選ばれなければならなかったのか…
サイファ編のクライマックスで衝撃の真相が明らかに!(; ・`д・´)
↑この期に及んでサイファ編に引っぱる
タナトス様の祝福はあくまで祝福、エリス様の災禍とは天と地ほども違うんだって、主神が言ってました。
よく読んでねって、サイファ編を読まなくても災禍との違いはよく読めば必ずわかるからって、主神が言ってました。
いまだ主神の真意を読み切った仙人様は一人も出ていませんが。
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【ご感想】しき様より
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前回の最後に骸骨って書いてあったのでタナトス様かなと思ったらやはりそうでした。
何かあるとは感じていましたが、ここまでは予想できていなかったので本当に心臓バックバクでした。リアルに声が出ました。
?????そんな仕打ちある?????状態です。こうなったら後悔というかデゼルさんは更に自分を責めてしまうのは明白ですね…
友神様方がジト目で主神様を咎めていたのも納得です。
こんな状態で正しい願いを求められるとか酷すぎますね……
☆ 返信 ☆
(ノД`)・゜・。
酷すぎるのです。
第三章のサブタイトルは『神様は一人の少女を徹底的に破壊し尽くす残酷物語にはしたくない』ですが…
友神代表マルス様とか「積極的にそうしようとしてるようにしか見えない」って言ってました。
そして、この状態で正しい願いをかけられる人間がいるかどうか、それこそが、主神とルシ様の賭けの神髄です。
いるものかと相手にしないルシ様に対し、「必ずいる!」と譲らない主神が二万年かけたゲームに、ついに終止符が打たれる決着の時――!
ウルトラマンと怪獣が闘う足元で踏み潰される哀れなモブさながらのデゼるんとさいふぁ様、二人の儚い恋の行方は――!?






