第90話 悪役令嬢は最高のエンディングに感動する
あ、すごい。
中空に思い出のアルバムが出現した。
わぁ、サイファよ!
『お帰り下さい、女神エリス』
わぁあ、しゃべってる!
私、あの時、すごく嬉しかったの。もう、死んでもいいと思ったの。
サイファかっこいい。サイファ素敵。サイファ最高。
『ずっと、傍にいるから。デゼルが僕を嫌いになるまで』
『……ならない……』
『じゃあ、死ぬまで』
どうしよう、涙が出るほど嬉しい。
神様すごい。
私がもう一度見たいと思っていたサイファの姿、聞きたいと思っていたサイファの言葉を、完璧に選んでくれてるの!
わぁ、わぁ、このエンディング、録画して永久保存したい。
「デゼル、どうしたの!?」
私が感動のあまり泣いてしまったから、ユリシーズが心配して駆け寄ってきてくれた。
「大丈夫……うまくいったの、ハッピーエンドだよ。もう、大丈夫……」
切なくて優しい旋律にのせて流れてくる思い出のサイファの姿を、私、瞬きも忘れるくらいに見詰め続けた。
神様ニクイ、ニクイよ!
この演出は最高すぎる、ありがとう!
最後から2枚目の絵は、京奈と闘った時のサイファ。
『僕はどうなってもいい、デゼルもどうなってもいい、ケイナをエリスから解き放て! 僕に従え、デゼル』
嗚呼、あの時のサイファは痺れるほどカッコよかった。
あの時のサイファの声は、私の魂を貫いたのよ。
最後の絵は、本当に懐かしい、私にプロポーズしてくれた、十歳のサイファ。
私もサイファも、今にして思えば、子供の遊びみたいなものだったけど。
だけど、想いはずっと真剣だったの。あの時からもう、始まっていたの。
あ、BGMが転調した。
聖戦の軌跡ね。
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オプスキュリテ公国の滅亡が阻止され、
オプスキュリテ公国の民203,756名、
トランスサタニアン帝国の民13,784名、
他国の民705名の非業の死がキャンセルされました。
トランスサタニアン帝国の内戦が早期に終結し、
トランスサタニアン帝国の民64,370名、
他国の民487名の非業の死がキャンセルされました。
聖サファイア共和国の滅亡が阻止され、
聖サファイア共和国の民962,338名、
他国の民12,127名の災禍がキャンセルされました。
救命 1,257,567名
殺害 1名
攻略評価 A 生存評価 S
経験評価 A 戦闘評価 S
総合評価 S
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やっぱり、光の十二使徒の災禍を放っておいたら、聖サファイア共和国が滅亡してしまう流れだったみたい。
「……デゼル、総合評価なんだった?」
同じように、中空を見詰めていた京奈に聞かれたの。
「S。京奈は?」
「聞かないで」
他の人に聞こえるといけないから、私はこそっと、京奈に囁いた。
「リセットのきかないゲームを詰まずにクリアしただけ、京奈、頑張ったよ。クリアおめでとう!」
可愛らしく頬を染めた京奈が、少し、嬉しそうに、はにかんで笑った。
ふふ、京奈、私が貸した戦略シミュレーションは評価以前にクリアできたことがなかったもの。
京奈は頑張ったよ。
ネプチューンとのラストバトル(?)なんて凄かった。
入れ知恵しといてなんだけど、私じゃ、ああはいかないもの。
総合評価が出たと思ったら、今度は壮麗な鐘の音が鳴り響いたの。
★☆ ============ ☆★
【ご感想】羽海様より
★☆ ============ ☆★
最初から最後までサイファ様のことしか考えていないデゼル、さすがです。
デゼルが幸せそうで何より。
☆ 返信 ☆
ありがとうございます✨(*´∇`*)
あんまり書けなかったけど、ほんとはじゅ。のことも、すごく可愛がってだいじにしています。
星ロマのシナリオと全然まったく関係ないから、じゅ。はゲームのエンディングには登場できないけど、これからのデゼるんとさいふぁ様の世界のアイドルです♪
★☆ ============ ☆★
【ご感想】しき様より
★☆ ============ ☆★
クリアおめでとうございます!!!
エンディングは雪乃さんと京奈さんのお二人にそれぞれ用意されている感じでしょうか…!
めちゃくちゃ気になるのが、このエンディングは誰セレクトなんだ! という部分です。主神様だとしたら乙女のツボを押さえる神だし、アフロディーテ様なら流石ですとしか言えないです…
みんなでわちゃわちゃ選んでたとしたらそれも可愛い…b
総合評価の時にSと正直に答えられるのが雪乃さんの良いところですね!
他人に敏感だと、無難にBとか言っとくか〜と思ってしまいそうです…
☆ 返信 ☆
ありがとうございます!!
はい、エンディングはデゼるんと京奈ちゃんのそれぞれに(ていうか、ほんとなら京奈ちゃんメイン)用意されています✨(*´∇`*)b
主神「フッフッフ、誰セレクトかって? もちろん、私だよ、この私!」
神様の『眺める』は対象の心の中までお見通しなので、乙女のツボを押さえるくらいわけはありません!(`・∀・´)
でも多分、アフロディーテ様も手伝ったんじゃないかな。
最も美しく素晴らしく見えるアングルでよろしく! とか言われて。
それをさらにみんなでわちゃわちゃ構成してたり( *´艸`)
エンディングについては、デゼるんより京奈ちゃんに苦労したみたいです。
なにしろ、京奈ちゃんの思い出はネプチューン側に忘却されていて最終決戦のみ。
ユリアの思い出になると、今度は京奈ちゃんが覚えていない。
「これもこれも、二人の思い出ってわけじゃないけど、いいのかなぁ……」
と、主神を大いに悩ませてくれたみたいです。
総合評価については、京奈ちゃんE評価なので、Bとか言っても無難じゃないという…
虚偽はたとえ善意であっても、他人の真っ直ぐな成長を阻害し、いらぬダメージを与えるものだとデゼるんは考えているので、評価が良くても悪くても正直に答えます。
現世で数学と情報処理を専攻していたデゼるんの認識において、虚偽とは何の情報価値もないばかりか、不具合を誘発する地雷なのです。
物事を感情論で考えるか正論で考えるかで、思いやりの方向は真逆に向かうので、真実が一時的に京奈ちゃんの感情を傷つけるとしても、偽らずに真実を答える姿勢は他人の痛みに鈍感だからではないのですが。
『ふつうの人々』は一時のきやすめが長期的に相手とその周囲の人々に与える影響まで考えて生きてはいないため、デゼるんは現世でも誤解されがちで、そのあたりもひきこもりの原因になったみたいです。
掘り下げて大変に恐縮ですが、ここ大事なところなので、よろしければもう少し、おつきあいを頂けると嬉しく。
ここで、『その周囲の人々に与える影響』というのは、たとえば、京奈ちゃんの立ち回りがひどいものだったと知らせないことは、京奈ちゃんの犠牲者の魂を深く傷つけるということです。
人間だとさえ認識されず、京奈ちゃんに虐殺されたモブ達にしてみれば、京奈ちゃんがデゼるんより評価がとことん低いという事実を突きつけられて傷ついたくらいの報いじゃ、全然、足りない。
『そのピンク頭、俺を、私を、何の罪もない他人の愛する子供を殺しておいて悪かったとさえ思ってない、何が聖女だ、処刑してくれ!』
慟哭しながら訴えたいことでしょう。
それでも、神様がモブ達を虐殺した京奈ちゃんに最低評価で応えたことには、虐殺されたモブ達にしてみれば、すごく意味がある。
京奈ちゃんは彼らの命に価値を認めなかったけれど、神様はちゃんと認めてくれていたと。
最低評価は罰として与えられたものではなく、『私の愛する子供達を無惨に虐殺する者には、一切の評価を与えることができない』という、主神の御心の表明として、いかなる評価も『与えられなかった』ものなのです。
京奈ちゃんの犠牲者を減らすために命を懸けて闘ってきたデゼるんだからこそ、犠牲者がどこにどれだけいるか、大まかなことは誰よりも理解しているし、真実を知らせることは犠牲者のための鎮魂でもあるのです。
京奈ちゃんはふつうの子で、ふつうの子が京奈ちゃんの立場になったら、誰でも犯しておかしくないあやまちを犯してしまったに過ぎない。
だけど、犠牲者は実際にたくさんいるのだから、報いはあって然るべきで、そうでなければ犠牲者の魂が浮かばれない。
その報いはデゼるんには決められないから、神様にゆだねるために真実を告げているという意味もまたあるのです。
しき様に限らず、ちょっと、皆様のご感想が京奈ちゃんに甘すぎる印象を受けているので、サイファ編でここ(京奈ちゃんの犠牲者の悲惨とか嘆きとか)拾いたいのですが、最終章の話ともなると、そこまで書く前に忘れそうなので、もし、私が書き忘れていたら、ここを読んで下さった方に突っ込んで頂ければ幸いです。
(トリ頭の悲劇…)






