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第82話 悪役令嬢は世にも愛らしい幼女におしおきされる

 翌日、私は熱を出してしまって、起きられなかった。


「この大切な時に、私って、どうして、こうなんだろう」


 枕元でエトランジュをあやしてくれていたサイファが、首を横にふった。


「三日前、僕に殺されかけたばかりで、デゼルは無理をし過ぎたんだよ。ちょうどいいから、やすんで」

「でも」

「ケイナのために亡くなってしまう人達のことは、ある程度、諦めるしかないんだよ、デゼル。無理をして、デゼルがケイナに殺されてしまったら、もっと、多くの犠牲者が出ることを忘れないで」


 私が京奈に殺されたら、もっと、多くの犠牲者が出る――?


 サイファの言葉で、私はたいへんなことに気づいたの。

 私、ネプチューンの魔力で魔物に変えられてしまった人達を、元に戻す仕事を終えていない。

 京奈はきっと、必要最低限しか、元に戻してあげないよね。

 もともと、シナリオでもデゼルの役割だし、京奈はあまり、そういうことに気がつく性格じゃないもの。


 私がデゼルの役割を終える前に死んでしまったら、たくさんの人達が魔物のまま、元に戻れなくなってしまう。

 急がないと、どんどん、災禍の犠牲者が増えてしまうけど、京奈に殺されるかもしれないことを考えたら、魔物にされた人達を元に戻してあげることを優先するべきなの?


「デゼル、難しい顔してる。僕はね、だから、今日くらいはリラックスしてゆっくりやすんでって、言いたいんだよ?」

「サイファ様……」

「エトランジュ、ママにおしおきしようか」

「えっ」


 エトランジュが、わかってるのか、わかってないのか、やる気まんまんに「あーお!」って、サイファにお返事をしたのよ。

 めまいがするほど可愛いけど、サイファ!?


「あ」


 私のネグリジェの腰紐(こしひも)を抜いたサイファが、私の両手首をとって、それで寝台に結わえたのよ。

 なにするの。

 なにするの!?


「エトランジュ、そろそろミルクの時間だよね。自分で探しておいで」

「あおー!」

「きゃっ」



挿絵(By みてみん) 【挿絵】カゴ様



 私の体の上に降ろしてもらったエトランジュが、可愛い小さな手で、ネグリジェをかきわけようとして探るのよ。

 やだ、くすぐったい。

 サイファったらすぐ、私が(よろこ)ぶこと思いつくのよ。

 サイファの優しそうな微笑みは油断ならないの。

 うまくネグリジェをかきわけられないエトランジュを手伝うついでに、サイファが優しく私の肌に指先を滑らせたの、絶対にわざとだもの。

 甘い声が出て、恥ずかしいのよ。



 無事にミルクを探り当てておなかいっぱいになったエトランジュを闇魔法で寝かしつけた後(闇は安らぎを司るから、子供を寝かしつけるのには便利よ)、サイファったら、熱を出して寝込んでいる私にそのまま、容赦のないおしおきをしたのよ。

 なんのおしおきなのかわからないよ。

 私がゆっくりやすまないおしおきなの?

 それで、紐で縛って、熱が上がるようなことを丁寧(ていねい)にするのは、本末転倒なんじゃないかしら。


 でも――


 不思議ね。


 心がすごくラクになって、満たされて、その夜はぐっすり眠れたの。

 そうしたら、翌朝には熱が引いたのよ。

 サイファは私の心をラクにするのがとても上手いの。

 私をすごく、優しくて心地好くて、幸せな気持ちにさせてくれるの。


 考えないといけないことは、たくさんあったの。

 だけど、その日は、サイファのことだけになって、ゆっくり、心がやすめた。

★☆ ―――――――― ☆★

 【ご感想】羽海様より

★☆ ―――――――― ☆★


エトランジュは女の子だったのですね!

なんとなく男の子のイメージでした。

小さい子なのに「おしおき」なんて言っている時点でもう、サイファ様の子供ですね……


☆ 返信 ☆

おしおき言ってるのはさいふぁ様ですよ!(笑)

じゅ。は女の子です♪

なんでだろう、この二人の最初の子供はじゅ。だと、私の中に確たるイメージがあって決まっていました。

デゼるんと同じ銀髪、さいふぁ様そっくりの綺麗な翠の瞳。

育ったら、乙女ゲームの真ヒロインになれそうな…!

聖サファイアの次期女王として、天界に招待されそうな気がする…!

でも、きっと、ガゼるんがお子様のお嫁さんに欲しがって、だけど、ガゼルJrは名前も知らない初恋の女の子を忘れられなくて、会ったこともないエトランジュとの婚約を断ってしまうんですよ。

エトランジュだよ、初恋のその女の子! っていう。

あれ、なんか別の物語が幕を開けそうな?(・∀・)



★☆ ―――――――― ☆★

 【ご感想】しき様より

★☆ ―――――――― ☆★


エトランジュさん、お父さんの言葉をしっかりわかって役目を果たしている…?!

強い(確信)

エトランジュさんはもしかして(性格は)サイファ様似なのかな?


災禍を先に解くか、魔物にされた方を先に戻すか…

全部デゼルさんがやらないといけないのは大変過ぎますね……。

京奈さんはネプチューン様の事が大好きなので魔力で魔物に変わった人がいる事も把握してそうな気もしますが、関係なく討伐対象になってしまうのでしょうか…


サイファ様のS気が出てる時のデゼルさんは普段より乙女してて幸せそうで自然と笑顔になってしまいますね!(そして挿絵が最高でした!!)


☆ 返信 ☆

はい、じゅ。は(性格は)さいふぁ様似です✨(笑)

じゅ。に恋する少年たちの想いに全然、気がつかなくて、

たくさん泣かせます!(ノ∀T)


京奈ちゃんは光の聖女として、この世界の魔物がネプチューンの魔力で魔物に変えられてしまった何の罪もない人々なのは知っています。光の聖女の祝福で、魔物に変えられてしまった人々を人間に戻してあげられることも知っています。

だが、しかし。

デゼるんと違って、まさか全員を元に戻してあげようなんて考えないし、祝福が間に合わなければ討伐してしまいます。

祝福して人間に戻してあげた方が光の使徒の好感度を上昇させる効率がよいので、一応、エンカウントした魔物はなるべく祝福するよう心がけてはいますが、魔物は数限りなく出現するものだと思っているのです。

つまり、悪気があって人々を見捨てているわけではなくて、デゼるんが言うように「京奈はあまり、そういうことに気がつく性格じゃない」だけなのです。


挿絵、お気に召して嬉しいです! お褒めの言葉、ありがとうございます✨

私もこのシーンの挿絵は超お気に入りです♡(*ノノ*)

さいふぁ様のS気が出てる時のデゼるんはふだんより幸せそうって、それは何か語弊が…! 間違ってないけど深刻な語弊が…!?(笑)

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