「怪異の掃除人」を振り返る
ある日、僕は真っ白な部屋で目を覚ました。
「……ここは……」
辺りを見回す。少し離れた場所に、見慣れたスーツ姿のもじゃもじゃ頭がうつ伏せにぶっ倒れていた。
「そ、曽根崎さん! 大丈夫ですか!?」
「う、うーん……?」
慌てて駆け寄り、肩を叩いて意識を確認する。幸いどこにも怪我は無かったようで、すぐに彼は目を覚ました。
「ここはどこだ?」
「それが僕にも皆目見当がつかず……」
「誘拐されてきたか? いや、それにしては二人とも拘束されていないな。見た所、丸テーブルと二脚の椅子、二人がけのソファーがあるようだが……」
言われて初めて、僕は部屋の中央にある物体の存在に気がついた。よく見ると、テーブルの上には茶菓子も乗っている。
「……」
「……」
二人で顔を見合わせる。念の為とドアノブを握ってみるが、やはりガチャガチャと無機質な音がするばかりで一向に開く気配は無かった。
だがその時、突然空から一枚の紙が降ってくる。それをなんとか掴み、曽根崎さんは読み上げた。
「……なになに? 『今からお二人には『怪異の掃除人・大反省会』を行っていただきます』?」
「え、その紙そんな事が書いてあるんですか」
「『無事にやり遂げるまでは、部屋から出られません』」
「とんだ怪異ですね」
「『それでは景清君、まずはこちらを読み上げてください』」
「うわ、指名された」
曽根崎さんに紙を渡され、目で文字をなぞる。そしてチラッと一度開く気配の全く無いドアを見て、諦め、大きく息を吸った。
「――というわけでやって参りました、『怪異の掃除人・大反省会』!!」
「やんややんやー」
「前作と日常編を含めると総文字数90万字! 文庫本大体七冊分!! 読者の方のスタミナには本当に頭の下がる思いです!!」
「わっしょいわっしょい」
「というわけで、ささやかながら感謝の気持ちをこめまして、今までの話を振り返ったり、読者の方からのご質問に答えていこうと思います!」
「エイヤーサッサー」
「合いの手鬱陶しいな! とにかく送ってくださった方々、ありがとうございます! ではまず最初の質問です!」
【質問】
そろそろ素麺が美味しい季節ですね。
冷やし中華始めますか?
「始めません! では参ります!」
【怪異の掃除人 第1章 円を描く小指】
登場神話生物:ショゴス
あらすじ:
街のあちこちに何者かの小指が数十本落ちている事件が発生した。不気味なことに、それらは何故か全て同じDNAだったという。
この謎を解く為に行動する曽根崎と景清だったが、やがて彼らは非道な研究の正体に行きついてしまう……。
《曽根崎と景清らの会話》
曽根崎「……あれだな」
景清「あれですね」
曽根崎「ほんとあの事件は不気味だったよなぁ。君もよく付き合ってくれたもんだ」
景清「まあ、僕もアンタの要請を断れるほどに潤沢な財を持つ立場だったら良かったんですがね」
曽根崎「この件から君は忠助と知り合ったんだっけか」
景清「そうですそうです。阿蘇さんには色々とお世話になりました」
曽根崎「あれは何かと面倒見がいいからな」
景清「面倒かけまくってるアンタが言うと説得力が違いますね……」
曽根崎「さて、この件で個人的に印象深いのは、景清君が彼女にフラれて焼肉キメるシーンだが」
景清「いやもっと他にあるだろ! 思い出させるんじゃねぇ!」
曽根崎「アルバイトの多忙さから彼女にフラれてしまった竹田景清。ヤケになった彼は雇用主の男に焼肉をせびり、翌朝彼のベッドの上で目を覚ました……」
景清「含みのある言い方すんな!」
曽根崎「だがそのおかげで、君は自宅に訪れた襲撃者と遭遇せずに済んだんだ。フッてくれた彼女には感謝しないとな」
景清「あー……そんなこともありましたね。アパートぶっ壊され事件」
曽根崎「今後こういう事はたびたび起こるかもしれん。どうだ? 私みたいに仕事用とプライベート用で住処を分けてみちゃ」
景清「あ、わざわざ事務所構えてるのってリスク分散の為だったんですか。知らなかった」
曽根崎「他に裏話としては、あの回に出てくるホームセンターは“ホームセンターしろせ”だったってとこぐらいだが」
景清「あの謎高性能グッズ、代瀬さん所のだったんですね……」
曽根崎「ともあれ、この件に関しては忠助の話も聞いてみるか」指パッチン
阿蘇「ぎゃっ!」
景清「わっ、どこからともなく阿蘇さん降ってきた!」
阿蘇「何すんだ、人が飯食ってた時に」
景清「本当にすいません」
曽根崎「忠助、指が山ほど落ちてた事件のこと覚えてるか? それについて何か裏話があれば聞きたいんだが……」
阿蘇「いきなりなんなんだよ……。あー、あのヤベェ科学者の事件だろ? 酷い話だったよな」
曽根崎「うん」
阿蘇「……裏話っつったって特に無いな。景清君に飯食わせてるのを見てたら、あまりの食べっぷりに弟にしたいと思ったぐらいか」
曽根崎「それについては実に残念だな。君に妹がいれば良かったんだが」
阿蘇「いたらどうなんだよ、景清君と結婚させるのか。いやそこは妹の意思を尊重するわ」
曽根崎「男兄弟しかいないとこういう時に不便を強いられるな」
阿蘇「思ってねぇよ」
景清「阿蘇さん、よくこんな非人道的な男の弟をこなせてますね」
阿蘇「いや? 二日に一回は縁を切りたくなる」
景清「仕方ないです分かります分かります」
【怪異の掃除人 第2章 溺れる香料】
登場神話生物:イブ=ツトゥル
あらすじ:
ある日曽根崎の事務所にやってきたのは、絶世の美女と真面目そうな女子高生。二人が言うには、女子高生の家庭教師である男子大学生の様子が、真っ黒な煙草を吸い始めてから目に見えておかしくなったというのだが……。
《曽根崎と景清らの会話》
景清「柊ちゃん、三条、大江ちゃんと一気に登場人物が増えた事件でしたね」
曽根崎「ちなみに、三条君に関しては当初プロットによると君の目の前で溺死する予定だったんだがな。いやぁ助かってよかった」
景清「本当にな!!」
曽根崎「ところで君は、この件で印象的だった事はあるか?」
景清「あー……(曽根崎さんが教壇に立ったこととか、イケ変装した話をしたこととか)」
曽根崎「ん?」
景清「(でもこれ話したら調子に乗るんだろうな)」
曽根崎「おい、どうした」
景清「なんでもないです。強いて挙げるなら、アンタが『文学部には燃えるものがいっぱいあっていい』とか言って教授室に放火したことぐらいです」
曽根崎「結果として解決しているからフワッと不問になっているだけで、結構前科はあるんだよなぁ」
景清「そろそろ悔い改めましょうよ。阿蘇さんの胃がちぎれる前に」
曽根崎「善処する」
景清「しねぇな、これ」
曽根崎「ともあれ、今回もゲストを呼ぼう」指パッチン
柊「きゃあっ」
三条「ほぎゃっ」
大江「わぁっ」
景清「柊ちゃん、三条、大江ちゃん、こんにちは。……あれ、阿蘇さんは?」
曽根崎「忠助はラーメン食ってくるって言うから帰した」
柊「ちょっと何なのよこの空間! お尻打っちゃったわ!」
三条「あ、ヤッホー景清! 今貸してる漫画どこまで読んだ? その内仲間になる殺人鬼もう出た?」
大江「さ、三条さん! それネタバレ……!」
景清「嘘だろ三条! あの殺人鬼ヤベェヤツじゃん! 仲間になるの!?」
三条「なるなる。むしろ主人公にとって殺人鬼は無くてはならない存在、殺人鬼にとって主人公は人の心を取り戻させてくれた恩人になってだな……」
景清「ああああああ言うなバカ!!」
曽根崎「ところで御三方、黒い煙草の事件は覚えているかな?」
柊「なんだったかしら!?」
景清「いっそ清々しい忘れっぷりですね、柊ちゃん。ほら、三条が煙草吸うようになった事に端を発するあの事件ですよ」
柊「ああ、あったわねぇ! みっちゃんが本当に頑張った事件よね!」
大江「そ、そんな、私なんて……!」
三条「そうそう! オレも大江ちゃんがいなかったらダメんなってたんだ! 大江ちゃんは命の恩人だぜ!」
大江「で、でも、三条さんだって足を挫いた私を抱えてプールに飛び込んでくれて……!」
三条「あ、え、あ、あれは……!」
柊「……あらぁ? そんなことがあったの? ボクそのあたり全然知らないんだけど」
大江「はい! 三条さんすごくかっこよかったんですよ! ご自身の体もお辛かったでしょうに、私のことを見捨てず助けてくれて!」
柊「あらあらあらあらあらあら」ニヤニヤ
三条「……!」
景清「三条がガチ照れしてる。貴重だ」
曽根崎「なあ君達、イチャつくならよそでやってもらえないか。私は事件の裏にあっただろうドロドロとした思惑について聞きたいんだ」
大江「そ、そ、そんなイチャつくだなんて!」
三条「え、え、えーと」
景清「ちょっと邪魔しないでくださいよ、曽根崎さん!」
柊「そうよ! むしろこうでもしないと、この子達全然くっつきそうにないから今がチャンスよ! さあいきなさいみっちゃん! 今こそアンタの女の武器を見せるのよ!」
大江「ええええええええ!?」
曽根崎「おや、メイド服の出番か?」
景清「もう黙っててくれませんか、曽根崎さん」
三条「そういや景清、あの時大江ちゃんがどこかの依頼人の要望でメイド服着てたよな。でもなんでお前、事務所のアルバイトなのに着てなかったの?」
景清「男だからだよ!!!!」
【怪異の掃除人 第3章 あしとりさん】
登場神話生物:シャッガイからの昆虫
あらすじ:
事務所に訪れた、景清の叔父で阿蘇の幼馴染みである藤田。なんでも、彼の友人(マイルドな表現)である女性が、不気味な都市伝説「あしとりさん」の被害者になっているのではないかと危惧しているのだという。しかし事件に関わる中で、景清が「あしとりさん」に取り憑かれてしまい……。
《曽根崎と景清らの会話》
景清「藤田さん初登場の件ですね」
曽根崎「そうだな。君は久々の再会だったんだっけか」
景清「はい、五年ぶりぐらいです」
曽根崎「ふぅん」
曽根崎「この回は何か裏話とか無いんですか?」
景清「ああ、藤田君は初期のプロットでは死ぬ予定だったらしい」
景清「またそのパターンか」
曽根崎「君と忠助の目の前で発狂し、あしとりさんに関する重要な手がかりを残して死亡。復讐に燃える二人は執念であしとりさんを追い詰め、その細胞一片残らず燃やし尽くすのであった……」
景清「阿蘇さんの復讐ってえげつなさそうだな……。何はともあれ、生き残ってくれてよかったです」
曽根崎「そうだな。それに忠助が怪異退治に本気になったら、私の出番が無くなるし」
景清「あの人そこまで能力高いんですか」
曽根崎「いや、見栄えがいい」
景清「見栄え」
曽根崎「考えてもみろ。執念深い強面の警察官が圧倒的パワーで次々と怪異をのしていくんだ。なんかこう、ヒーローっぽいだろ」
景清「アンタ性格悪い屁理屈こねながらじわじわ追い詰めていくタイプですもんね」
曽根崎「しかし忠助が主人公になった所で、ヒロインが現れる気がしないんだよな」
景清「ああ、なんでですかね……。代わりに藤田さんがバリバリ出しゃばってきそうですが……」
曽根崎「というわけで、今回のゲストを召喚」指パッチン
阿蘇「お」
藤田「みゃっ!」
景清「阿蘇さんと藤田さんですね。阿蘇さん、ラーメン食べられました?」
阿蘇「お陰様で完食できたよ」
藤田「オレはまだ食べてた……!」
景清「あ、お二人一緒だったんですか」
阿蘇「おう、コイツ研究室から数日ぶりに帰還したらしくてな。俺が家帰ったら玄関で力尽きてた」
景清「なんて生活してるんですか」
藤田「阿蘇んち大学から近いからつい通っちゃうんだよ」
阿蘇「で、叩き起こして風呂にぶち込んだ後、俺が作ってやったラーメンを二人でズルズル食ってた」
景清「藤田さん……」
藤田「叔父さんにそんな目を向けないで。大丈夫、ラーメンは完全栄養食だから。不健康な体によく滲みるんだよ」
景清「研究室から解放された直後の藤田さんって、つくづく人間末期感ありますよね」
曽根崎「雑談はその辺にしてくれ。なぁ二人とも、あしとりさんの事件について思い返していたんだが、今だから語れる当時の裏話なんか無いか?」
阿蘇「裏話ぃ? ……あー、あの兄さんが二日間景清君を看病したこととか?」
曽根崎「それ裏話じゃないだろ」
藤田「ああ、あれ! オレもびっくりしたんだよね。あしとりさん退治したあとに意識失った景清を抱き上げて、『うちで預かる』だなんてさ」
曽根崎「ちょ、ちょ、藤田君」
景清「へぇー、そんな流れだったんですか」
阿蘇「事情説明すりゃ警察病院で診てもらえたのにさ。なんで兄さん、わざわざ景清君を持って帰ったんだ」
曽根崎「……む」
景清「それは確かに看病された僕も気になりますね。なんでですか、曽根崎さん」
曽根崎「……大した理由じゃないぞ」
阿蘇「おう」
景清「はい」
藤田「ワクワク」
曽根崎「結論から言うと経過観察だ。そもそもあの事件において、私はあしとりさんに取り憑かれていた際の景清君の状態を随時記録していた。だからあしとりさんが抜けた後、景清君がどんな経過を辿るのかもレポートしておく必要があった」
阿蘇「……」
藤田「……」
景清「……言われてみれば、そんな説明を聞いた気も」
曽根崎「幸い景清君は以前うちに泊まりに来ていて、平常時に関する記録はあったからな。しかし病院に入れてしまうと観察ができない。故にとりあえず家において、景清君の睡眠時の様子を記録することにしたんだ」
阿蘇「我が兄ながら、聞けば聞くほど気持ち悪いことするオッサンだな」
曽根崎「データの穴は埋めなければならない」
藤田「研究者としてわからないではないです」
曽根崎「それより君の後日談だろ。ナイフ持って襲いかかってきた君のストーカー。彼女はあれからどうなったんだ」
藤田「どうも何も、特に音沙汰はありませんよ。……あー、でも」
曽根崎「なんだ?」
藤田「あの後、しばらく女の子のセフレ数人と連絡がつかなくなりました」
曽根崎「……まあ、私と忠助と景清君を携えて、肉体関係を明言したらなぁ」
景清「あああああああ嫌なこと思い出した! 何!? アンタあの劇団藤田を処理せず放置してたんですか!? やめろ! 今すぐ片っ端から誤解といてきてくださいよ!」
阿蘇「景清君、今の内に慣れておいた方がいいぜ。怒ると疲れる」
景清「阿蘇さんが悟り過ぎなんですよ! 言っときますがあなた、相当の人数に藤田さんと付き合ってると勘違いされてますよ!」
阿蘇「いつか藤田諸共地獄に落とすからいいよ」
藤田「物騒だなぁ。オレはどうせ落ちるなら恋の沼に落ちたいぜ☆」
阿蘇「よっしゃそこまで言うなら俺が落としてやる。藤田そこ動くなよ。天国見せてやっから」
藤田「あーっ! スリーパーホールドはやめてスリーパーホールドはやめて!! 落ちちゃう! 三途の河見えちゃう!」
景清「ああああ藤田さん! そ、曽根崎さん! 早く次のお題に!!」
曽根崎「もう少し見ていよう」
景清「こっちも根に持ってた!!」
【怪異の掃除人 第4章 生ける炎の手足教団】
登場神話生物:ヤマンソ
あらすじ:
「神を呼ぶ為の生贄となれ」
実の父親からそう命令され、一度は誰の迷惑にもならぬようそっと消えようとした景清だったが、俊足の曽根崎に追いつかれ状況を白状させられる。
景清を救う為、曽根崎をはじめ阿蘇や柊、そして教団の元後継者である藤田らが動く。
《曽根崎と景清らの会話》
曽根崎「……」
景清「……」
曽根崎「……大変だったな……」
景清「そうですね……」
曽根崎「メタい裏話としては、ぶっちゃけこの章で畳む気満々だったので、ネタを出し惜しみせずガンガン盛り上げまくったという」
景清「ああ、道理で。死ぬほどイベントがあった気がします」
曽根崎「ギャルゲーや乙女ゲーで言う所のスチルが大量放出される回」
景清「スチル言うな」
曽根崎「そんなわけで、今回もまたゲストをドン」指パッチン
阿蘇「よいしょ」
柊「んにゃっ!」
藤田「ぎゃふっ!」
曽根崎「さあ皆の衆、教団を潰した時の話をしてくれ」
柊「んもう、唐突ねぇ! でもそれは流石のボクでも覚えてるわよ。あれでしょ? 執念深い兄弟二人に潰されたカルト教団」
藤田「身も蓋もないよ、柊ちゃん」
景清「でも事実だからこそ、そうやって聞くと面白すぎますね。僕らめちゃくちゃ苦しめられたのに……」
阿蘇「まぁ、俺は多少スッキリしたけどな」
藤田「ヒィッ」
阿蘇「怯えんなよ。言っとくけど、関係ねぇ柊が一番暴れてた節あるからな?」
柊「悪い奴はやっつけないといけないわよね!」
景清「え、えーと……柊ちゃんもありがとうございました」
柊「ふふん!」
景清「そういえば阿蘇さん、僕の傷口に血を塗り込んだってことは、教団が血を重んじるってご存知だったんですね」
阿蘇「おう。あの時は咄嗟に動いたけど、今思うと衛生的にヤベェな」
藤田「え、阿蘇お前景清にそんなことしてたの」
阿蘇「何があるか分かんねぇし。保険だ保険」
景清「実際有効でしたよ。……あの方は、僕の体をバケモノの依代にするつもりでしたから」
藤田「……」
景清「どうしました?」
藤田「……いや、なんでもない」
曽根崎「柊ちゃんは、裏話など何か持ってないか?」
柊「え、ボク!? んー……そうねぇ。例えば、入院してたタダスケの警察服と発砲許可を貰ってきた先は田中のオジサマだったとか」
景清「え、そうなんですか!?」
柊「あのオジサマとは以前から付き合いがあるのよー。時々飲みにも行ってるわ」
景清「へー」
曽根崎「あ、そうだ。一応、皆に預けていた発信器のパワーストーンにも意味があったという小ネタもある」
景清「ほほう」
曽根崎「まず私と景清君がつけていたのが、オニキス。魔除けの石として有名だな。苦境においても、諦めずに前に進むための力を与えてくれる」
景清「いい石ですね」
曽根崎「あと、縁切りの石でもある。悪い縁を切って新しい縁を繋いでくれる」
景清「へ、へぇ」
藤田「曽根崎さん、オレのは? オレのは?」
曽根崎「君と忠助のは、スギライト。高いヒーリング力を持ち、トラウマに効果的。邪悪なものから保護してくれる」
藤田「ああ、そういや阿蘇と同じだったね」
阿蘇「まさか色がかぶるとはな……。石とか詳しくねぇし、色だけ指定して後は適当にやっといてくれって言ったんだよな」
藤田「でもお前の好きな色って青じゃん」
阿蘇「好きだけど俺にゃ似合わねぇんだよ。それを言うならお前だって赤が……」
曽根崎「あと、スギライトには希望の光を示してくれる効果もある」
藤田「ああああーーーっ!!」
景清「え!? 大丈夫ですか、藤田さん!」
藤田「だ、大丈夫……! ちょっと当時のことを思い出しただけ……!」
柊「幼馴染拗らせてるソイツは置いておきなさい。ね、それよりシンジ。ボクのは?」
曽根崎「柊ちゃんのは、赤翡翠。物事を決定する意志力や実行力を与えてくれるパワフルな石だ。強い魔除け効果もある」
柊「やだ、ボクにぴったり」
曽根崎「そして自己肯定感も高めてくれる」
柊「ボクの石だわ」
景清「柊ちゃんの石だ……」
曽根崎「うん、まあ、こんなもんかな。もっと掘れば色々出てくる気もするが、あんまり突っ込まれたらえらいことになりそうな気配もあるし、ここで切り上げていいだろう」
景清「終わってみれば何かと濃かったですね。……あ、そうだ」
曽根崎「うん? 最後に聞いておこうか。なんだ?」
景清「僕、曽根崎さんからアンクレット貰ったじゃないですか。それつけてから明らかに女の子に声かけられる回数減ったんですけど、これも石の効果なんですかね?」
曽根崎「……」
景清「え、なんですか?」
曽根崎「……うん、多分魔除けの効果が働いているんだろうな」
景清「なるほどー」
阿蘇「おい藤田、お前の甥がチョロいぞ」
藤田「叔父さん実に心配」




