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普通科学校の異能人  作者: Rot
7/18

転入7

7話です!

━━━━走る。


普通の人間はどの程度の速さで走るのかを知っているだろうか。

一般の男子高校生などは、100mを15~6秒で走る。女子高校生などはだいたい18~9秒辺りだと思う。


その中でもトップスプリンター、所謂陸上選手は100mを10秒近くで走る人もいる。


そう、普通の人間の限界はそこまでである。



しかし、

「くっ!!間に合えっ!!」


僕は現在『力』を発揮していた。


そのため、通常は出ないレベルの足の回転、ありえないレベルのストライドが実現できるのだ。


(ギリギリかっ……!)

そう思い今の限界のスピードで路上を駆ける。



僕はこの『力』等を使いこなす為、異能が発揮してから10年。里で訓練をしていた。

この訓練とは、人に能力を気づかれないようにするためのものと、力のセーブをする、などのようなものである。


長い訓練の中、僕は10年にてようやく『異能』を制御できるようになったのである。


そして今は力のセーブを9割抑えた状態の限界であった。


走り、走って、駆け抜けてようやく湯川の姿が見えた!

(まだっ!間に合う!)

僕は油断して、力を緩めた。


そう、僕は湯川の後ろ姿を見て、



油断をしたのだ。


走っていて気づいかなかったが、もう交差点に着いてしまっている。


悪夢で見たワンボックスカーが横目に映る。


そこで嫌な汗が出る。


再び、急に速度を上げて湯川の元へ辿り着き、



「湯川!!」

そう言って、交差点を駆け足で進む湯川は足を止めた。

そのまま、『能力』を使ってこちらに引き寄せる。


「わっ!わわっ!」

急に後ろに引き寄せられて湯川は驚きを持っているが、今は関係ない。


そして、湯川を引いてきて抱き寄せる。

そのまま後ろに倒れるが、まだ終わりじゃない。


歩道への道を『能力』で塞ぐため透明な壁を作る。

その数瞬遅れて勢いよく、ワンボックスカーが車道を通って行く。


(ま、間に合った〜)

何とか成し遂げて、干渉していた『能力』を解く。

僕が安堵して交差点を眺めていると懐から湯川が顔を出した。


「かっか、かか上井っ!なななにしてんの?!」

湯川が慌ててなにか言い出した。


(あーそうか)

僕は気づいて湯川を抱いていた腕を緩めて解放した。


「なっ何してんの!ひ人前でっ!」

僕は、湯川が助かったことに安心して笑って言葉を受け止める。


「何笑ってんの!んもう!上井なんて知らない!!」

そう言い残し、湯川は帰って行った。


その後ろ姿が、ちゃんと生きている、ということに嬉しさを含めて、ただ、


「良かった」

それだけしか言葉が無かった。






今日か明日に次の話を上げます。。

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