転入3
3話ですね。
何だか書き始めって筆が乗ります。( ¯꒳¯ )
湯川さんに連れられ教室を出る。
「じゃあ上井君、まず本校舎1階から見ようか」
湯川さんが会話を切り出す。
「うん、では宜しくお願いします湯川さん」
僕が言うやいなや湯川さんが、
「私のことも呼び捨てでいいって上井君」
と言ってくるが、
「いや、僕が呼び捨てなら湯川さんも呼び捨てで呼び会おうよ。じゃないと何か嫌だな」
と言い返す僕。
調子に乗ったかな?と考えるが、
「そうだね、じゃあ上井。これから宜しくね!」
とフレンドリーに返してくれた。どうやら湯川さんという女の子はだいぶ活発な女の子らしい。
「何だか、湯川みたいな元気な女の子はとても魅力的だね」
そう思った事を湯川に伝えてみる。
「………へっ!?」
急に女の子とは思えないような声を上げだした。
「どうしたの?湯川」
心配になって尋ねてみるが、
「なっ何でもない!それより、その…」
口ごもる彼女。なんだろうか?
「どうしたの?」
「も、もしかして、上井って私のこと口説こうとしてる?」
唐突に何か言い出した。
口説こうとしてる?なぜそう思うのだろう。
僕が首を傾げていると、その反応に湯川は、
「はぁ、気をつけなよ。そんなんじゃ女の子に恨まれて何かされちゃうかんね」
「はぁ…」
僕は曖昧に返事を返す。
一体何がいけないのだろう?
階段に近づいてきた。
ここで彼女が話をしてくれる。
現在僕らが歩く本校舎は4階建てとなっており、
1年生は3階、2年生は2階、3年生は1階に各クラスが配置されているそうだ。その中で、1~3年生はそれぞれ8クラスずつあり、1年生は入試の点数が良い順でクラスが決まるという。上からA,B,C,D,E,F,G,Hクラスまであるそうで中々に関心である。2年生からは文系と理系に別れているそうで、僕がいる2年E組は文系のトップのクラスだそうだ。
ふ〜ん、と湯川の話に耳を傾けていると、
「それにしても、上井って頭いいんだね」
と言われた。
「何で?」
そう聞き返すと、
「だって、私がこの学校入った時もそうだけど、文系の上のクラスになるのって結構ギリギリだったんだよ?」
僕はただそうなのか〜、と受け流す。
「しかも、転入試験って入試の3倍は難しいって聞くから、相当頭良くないと入れないよ」
そんなふうに話してくる。
「僕は勉強しかしてなかったからね」
そう言うと、湯川は急に振り向いた。
「上井って……ううん。何でもない!」
湯川はバツの悪そうに否定した。
そうか、気遣わせてしまったな、と思い、僕から声をかける。
「だから、これから楽しい学生生活を送りたいんだ」
笑顔で答えた。これは心からの本心。
それを湯川に向けて言ってみた。湯川は、
「うん、良い学生生活になるといいね!」
そう笑顔で答えてくれた。
嬉しくて頬が熱くなる。
「あっ、上井が照れた!」
その言葉に反発するように顔を背く。
僕にここまで優しい言葉をかけてくれたのは、これで2人目だ。それが嬉しくて、照れてしまった。何だか幸先の良い学生生活だと思うも、きちんと秘密は守らないと、という決心も新たに固めるのだった。
首が痛くなってきました。