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第10日 記憶

作者: 夜乃 ユメ

 記憶とは脳が管理する、精神的なタイムスリップだ。記憶の中ではみな、いつもどんな時にでも時を遡ることができる。記憶とは曖昧なものだ。確実に覚えていると思っても、それがそもそも思い込みであって、その記憶が正しいとは限らない。過去への精神的回帰は自らの都合がいいように戻ることができる。

 記憶には2種類あると思っている。1つは「そういえば確かにそんなことがあったね、まぁもういいんだけど」というただの記憶としてあつかわれること。もう1つは「そういうことはあったね、すごく懐かしいや」という懐旧の情に浸れるものだ。懐かしさの記憶には香りが存在すると個人的に私は思っている。何事にも言い例えることのできない至上の香りだ。私はこの時の脳髄に漂うような香りがとても大好きだ。そしてその香りがある記憶は全て感動に満ち溢れており、さらにはその記憶と同じような状況や場所に行かなければ、引き起こされることはない。毎日でも体感していたい至福の香りが、毎日堪能することができないおかげで、私はときどき味わうことのできるあの甘美な香りに没頭できるのだろう。

 記憶というのはタイムスリップだ。しかし、どんな記憶でもそれができるというわけではない。限られた記憶しかできない芸当であるがゆえに、特別感が沸き、またその記憶の中へ帰ろうと行動することができるのである。

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