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三人の精霊と俺の契約事情 【白銀の騎士編】  作者: 望月 まーゆ
始まりの書
14/26

ケイト・ローレント

草原の中にある小さな村、あたりは陽が落ち闇に包まれている。


古びた宿屋の一室に3人。

紫色の髪の女の子、金髪の女の子が冴えない顔の男が喋り出すのをまだか、まだかと待っていた。


「僕の名前は、ケイト・ローレント。

元、帝国騎士団 聖騎士。当時、三聖士と呼ばれたこともある」


それを聞き、ナタリアは思い出したような顔をした。

最強帝国騎士団の白銀の騎士の話を。


「話は5年前にさかのぼる。

僕は、ある噂の真実を探るため仲間と共に帝国を倒す為の組織を作っていた。

それが反帝国軍バンディッツだ。

僕らと仲間は自由を掲げ帝国と戦った。

そして、大臣オドロフの黒幕を暴き撃ち倒した」


エレナは、大きな青い目を開き聴き入っている。


「それがあの帝国クーデター・・・」


ナタリアが呟いた。


「その通り。僕とバンディッツの仲間が起こした事だ。それが5年前の事だ。

それから、暫くして僕らバンディッツは身を隠し過ごした。

なぜなら国家反逆罪の罪で捕まるかもしれないからね」


半笑いで語るケイト。


「ーーでも、そのおかげで世界はみんな平等な和平を結べたのに。

ケイト・ローレントの名は世界に轟いたのですよ」


ナタリアが弁解するが、首を振りながらまたケイトが語り出した。


「僕もこれで平和になる。

これでみんな上手くいくと思ってた。

けど、現実は僕が思ったより簡単じゃなかったんだ」


ケイトは、唇を噛み締め悔しそうな表情を浮かべながらまた喋り出した。


ケイト・・・


エレナは心配そうにケイトを見つめていた。


「帝国クーデターから1年後。

帝国は和平協定を各国に結び、国の治安維持と目論み兵士護衛を配置した。

それがソルジャーの始まりだ。

帝国の監視の目の届かない所で、正義の名を語り、町や村でやりたい放題を繰り広げる。

国民たちは訴えても帝国まで民衆の声は届かず泣き寝入りするしかなかった。

実は、帝国クーデターの一連の流れも和平協定も全てある一人の人物による策略だったんだ・・・」


エレナとナタリアは驚きを隠せなかった。

絶句とはこの事だ。


「ケイト・・・あの新聞読んで帝国にすぐ行こうって言い出したよね。

まさか・・・その人物って・・・」


エレナがおどおどしながらケイトに言った。

ケイトは、その言葉を聞いて少し溜めながら頷きまた喋り出した。


「ーーヴィル・クランチェだよ」


エレナはやっぱりといった表情になったがナタリアは何がなんだかもうわからないといった表情になりパニックになっていた。


「ヴィル・クランチェと僕そしてダニエル・カーターの3人は同期で共に騎士を目指していた。

後に、三聖騎士と呼ばれたのもこの3人だ。

聖騎士になってからヴィル・クランチェの行動に不審な動きがあると度々連絡を受けていたんだ。

僕らもヴィルの動きには目を光らせていた。

信頼出来る部下にヴィルの監視をお願いしていた。

ヴィルの不信な動き、それは帝国クーデター後に急に現れた謎の宗教団体・・」


「神聖教・・・クルセイダーズ。

謂わゆる薔薇十字軍」


ナタリアはガタガタと震え出した。

思い出したくない思い出。

そう、魔女狩りに現れたのは紛れもなく神聖教クルセイダーズなのだ。


エレナは震えるナタリアを抱き抱えながら続けてと言わんばかりの視線をケイトにおくった。


ケイトは容赦なく話を続ける。


「ーーある日、部下と連絡が取れなくなった」


驚く2人・・・息を呑んで話を待つ。


「部下は暗殺されていた・・・

すぐにヴィル・クランチェに殺害容疑が出た。

その切り口が余りにも綺麗な太刀筋だったからだ。

しかしーーすぐに無罪釈放。

このあたりも計算済みだ」


ケイトは、ふーっと息を吐き立ち上がりまた語り出したーー。


「エレナの記憶の話に触れることになるかな」


エレナは、びくんっとなり目を真ん丸にした。


そんなエレナをケイトは愛おしく思いながらエレナとの出会いの話を語り始めるのだった。



ーー勇騎士称号授与式まで後、41時間ーー

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