神様と気象学者との対話
「最近、地震や台風が多いですね。神様が、起こしているのですか?」
「われわれ神様は、そんなことはしないぞ。」
「でも、アトランティス大陸やムー大陸は、沈めてしまったんでしょ。」
「あれは、われわれ神様が沈めたのではない。地球のリズム、波動に合わなくなって、結果として、沈んでしまったのだ。われわれ神様も防ごうとしたのだが、人間のこころのもつ、強大なエネルギーが暴走してしまって、防ぎようになかったんだ。」
「そうなんですか?てっきり、神様が怒って、やったとばかり思っていました。」
「いや、そんなことはない。われわれ神様の基本的姿勢は、太陽と同じなのだ。」
「そうなんですか」
「太陽は、この太陽系のすべてに、エネルギーを供給しておる。もちろん、地球にもだ。」
「そうですね。太陽がなかったら、この地球に生命はありませんでしたね。」
「太陽のおかげで、植物が成長し、食べものを生み出し、動物や人間が生きていく環境が生み出されているのだ。その上、太陽は、人間から税金や料金をとったりしない。みんなタダじゃ。」
「そうですね。でも、太陽と神様がどうして、同じと言うんですか?神様は、太陽のように、エネルギーを供給しているわけじゃないでしょう。」
「いや、神様は、人類に、いや、地球に、いや、全宇宙に生命のエネルギーを供給しているのじゃ。」
「そうなんですか」
「そうだ。宇宙に働く基本の原理のひとつは、エントロピーじゃ。すべては、無秩序に広がっていくのじゃ。仏教でことばでは、諸法無常ということじゃ。」
「たしかに、宇宙にはエントロピーが働いていますね。」
「植物も、動物も、そして、人間も死んでしまえば、朽ち果て、土に還っていくのじゃ。」
「そうですね。」
「しかし、生命は、ほんの一つの細胞から、何十億個、何兆個の細胞の塊に発展し、生命を維持しているのだ。まるで、生きるとは、ナイルの大河をさかのぼってようなものだ。生命がつきれば、流されていく。」
「そうですね」
「その生命のエネルギーを供給しているのが、われわれ神様なのだ。根源的神様は、宇宙の全体の生命にエネルギーを供給する偉大な存在で、われわれ如きの下っ端の神様とは、全然違うがのう。」
「宇宙には、あなた方とは、ちがう超巨大なスーパー神様がいるということですね。」
「そうだ」
「でも、その生命エネルギーというのはいったい、何なんです。」
「まだ、地球の科学では、まだまだ解明できないものじゃな。現在の地球の科学が発展したといえども、ようやく物質の秘密を少し解明した程度じゃ。まだ、生命の秘密も、精神や心の秘密、そして、神々の秘密の解明もほとんどできておらん。解明には、あと、何百年、何千年もかかりそうだな。」
「そんなにかかりそうですが」
「かかるだろうな」
「もし、解明されたら、どうなるんです。」
「地球は調和され、宇宙の中で、もっともすばらしい星の一つになる。今は、大混乱で、不調和な星だが、本当に宇宙でもっともすばらしい星の一つになるんじゃ。」
「ほんとうにそうなったら素晴らしいですね」
「ほんとうにそうなるのじゃ。わしには、その姿がみえる。かつて、アトランティスもムーも、その文明の頂点は、美しい文明であり、地球も美しく輝いていた。その再来がいつかくる。」
「地球が調和されて、美しい星になったら、どうなるんでしょうか」
「宇宙は、広いのじゃ。またまだ、発展途上や混乱している星はたくさんあるんじゃ。地球の人間は、神の使いとして、そこに派遣されて、文明や調和を生み出す冒険の旅にでるのじゃ。まるで、イエスが弟子たちを育てる目的で、各地に伝道に行かせたように、見知らぬ星にいって、あたらしい文明をつたえるのじゃ。」
「それって、民族の神話のはじまりのような話ですね。」
「そうだな。対話の初めのダーウィンの話にもどってしまったようだが、文明や民族の初めに神様が登場するのはそのためだ。人間には神様に匹敵にする偉大なエネルギーが内臓されており、サルには、ない力なのだ。人間は、猿からは進化できないのだ。」
「そうなんですか」
「進化ということばで、思い出したぞ。なんでも、ポケモンGO というゲームが面白いそうだな。わしもやってみたいとおもう。あのゲームには、強化と進化という概念があるそうだな。進化とは、別の次元への変化を差しているようだな。もし、ゲームになぞらえるなら、進化ということは、連続ではない、突然の変化のようだな。もし、それを進化と呼ぶなら、とんでもない変化で、人間が登場したのかもしれんな。その意味では、あまりダーウィンを責めることはできないかもしれん。」
「神様も反省することがあるんですか?」
「反省ではない、考察じゃ」
「屁理屈ですよね。」