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神様とおばあちゃんとの対話

「最近は、スマホがいいというので、携帯電話をスマホに切り替えけど、操作が全然わからないよ。スマホにするんじゃなかった。」

「おばあさん、何かお困りですか」

「なんだね、突然、出てきて。あんたは誰なんです?」

「私は、神様です」

「神様? それで、仕事は何をしているんだね」

「えーと、神様なので、これという仕事はありません。」

「つまり、最近流行りのプー太郎というわけだね」

「そうゆうことでも、ないんですが。何か、お困りのようでしたので、声をかけました。」

「このスマホの操作がわからないんだよ」

「心配ありません。スマホに向かって命令してください。電話なら電話、情報を見たければ見たい情報を声で言えば、何をすればいいのか、教えてくれますよ。」

「スマホに命令するのかい?。犬じゃあるまいし、何か返事をするかね」

「します、します。犬より、ちゃんとしますので、心配しないで、命令してください。」

「そうかい。」

「ところで、おばあさんは、おいくつですか?」

「えーと、いくつだったかな? 昭和3年生まれだから、もうすぐ、90じゃ」

「もうすぐ90歳ですか。よく、スマホを使う気になりましたね。」

「ひ孫が、これがいいというんじゃ。最新式のお揃いのスマホを買ったんだ。一緒に、ポケモンGO やりたいと言うので、お揃いのを買ったんだ。」

「そうですか、それは、良かったですね。ところで、ポケモンは捕まりましたか?」

「ひ孫は、もう、1000匹捕まえたそうだが、わたしゃ、ひ孫が最初に捕まえてくれた、5匹だけかな?」

「まあ、いっぱい歩けば、いいことあるそうですから、歩いてください。良い万歩計がわりになりますよ」

「そうかい、そうかい。まあ、最新式の万歩計ということにしておこう」

「ひ孫さんと電話できるし、こちらの様子も伝えることができるので、家族の人も安心でしょうから」

「ところで、あんたの仕事はなんだね。」

「さっきも、言いましたが、これという仕事はないのですが、いやいや、ありました。私の仕事。人間のルーツ探しをしなければならないんです。人間のルーツの神様の痕跡を探さなければならないんです。」

「ルーツ? 祖先だね。うちのお墓は、東京の谷中のお寺にありますけど。そこに行けば、うちの先祖の家系がわかるかもしれませんよ。」

「いやいや、そんな最近の先祖ではなくて、何万年も何億年も前の話ですよ」

「まあ、人間のすべての神話は、神様から、人間は生まれたと書いてありますけどね」

「そうなんです。人間のすべての神話は、神様が人間を作ったことになっているんです。ところが、最近、それを誰も、信じなくなってしまったんです。どうしても、人間の先祖は、猿だと言って、困っているんです。そこで、人間のルーツが神様である証拠を探しに行かなくては行かなくなってしまったんですが、探してみると、どこにも、人間のルーツが神様だという証拠がないんです。まるで、完全犯罪のようにです。」

「最近は、学校で、いろんなことを教えるので、この町の神社のお祭りも、すっかり、なくなってしまったね。私の若い頃には、神社で、盆踊りや出店もあって、金魚や綿あめを売っていたもんだね。若い頃のうちの主人も、櫓の上で、盆踊りの太鼓を叩いたもんだ。上手だったね」

「そこに惚れたというわけですね」

「私が惚れたんじゃない。向こうが、是非にいうんで、結婚したんだ。若い頃の主人は、何と言ってもかっこよかったからね。」

「ところで、この神社には、何が祀られているんですか」

「なんだったかな?恵比寿大黒だったかな。稲荷大明神だったかな。天照大明神だったかもしれん。」

「そう言えば、日本中に神社はどのくらいあるんでしょうね。すごい数の神社と神様が祀られている。そして、それらの神様には、ちゃんと言われがある。およ!」

「どうしたんですか?しゃっくりですか?」

「いや、しゃっくりじゃない。神話というか、神様のいわれは、誰か考えたのか、気になったのです。」

「それは、神様が考えたに違いないと思うが。」

「そうですよね。絶対」

「ーーー」

「そこから、人間のルーツを探してみます。今日は、どうもありがとう。お元気でいっぱい歩いてください。」


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