神様とクリスチャンとの対話
「聞きましたよ。人類の先祖をさがしているんですって。」
「さがしているんだが、みつからん」
「実は、僕も探しているんです」
「お前もか、なんで、探しているんだ」
「実は、僕は、クリスチャンの家に生まれて、大きくなったんです。生まれた時は、教会で洗礼を受けて、毎週毎週、両親といっしょに教会にいってたんです。」
「それは、りっぱなクリスチャンだな」
「それから、学校に通うようになったら、人間の先祖は、猿だっていうんです。でも、聖書には、神様から作られたアダムとイブって書いてあるのと、大部、違うんで、どちらが正しいのか、調べようと思っているんです。」
「正しいとか、間違っているとか、言い出すと、喧嘩になってしまうので、のんびり考えた方が、良いぞ。」
「そうですね。すぐに見つかりそうもないし」
「だが、あきらめる必要はないぞ」
「人類は、神様をルーツにしているのは、確かなことだ。今から、200年も遡れば、それは常識だったのだ。しかし、現在は、科学が発達してきたので、人類のルーツが失われてしまったのだ。」
「神様は、一体、どこにいるんでしょう?」
「いるぞ。ここにおるではないか。」
「あなたは、スマホの神様で、本当の神様じゃないんでしょ。」
「わしは、正真正銘の神様だ。スマホにいるのは、仮の姿じゃ」
「じゃ、どうして、人間は、神様を見失ってしまったんでしょう。」
「科学が、物質のみの探求しているからに過ぎん。顕微鏡や望遠鏡などで、細胞の秘密や大宇宙の秘密を解き明かそうとしているが、ここに大きな限界がある。ともに、光や電磁波で、観測しておる。」
「エ!、それ以外の方法があるのですか?」
「あるぞ。光や電磁波より超高速の世界じゃ。現在の物理世界は、アインシュタインが提唱した光の速度を上限とする世界の話で、その外の世界は見えていない。」
「光より速いもので構成される世界があるんですか」
「あるぞ。天文学は、だんだん気付き始めたようじゃがの」
「なんですか、それは」
「観測できる宇宙の質量とエネルギーは、本来あるべきと考えられる量のほんの数パーセントで、ほとんだが、観測できないというのとが、わかってきた。その観測できない質量とエネルギーをダークマター、ダークエネルギーと呼んでいるのだ。宇宙には全く別の世界が、隠れているのじゃ」
「それが、神の世界、天使様の住む世界ですか」
「そんな単純なものではないが、別の世界はちゃんとあるのじゃ」
「現在の科学では、観測できない世界は、観測できないわけですね」
「そうだの」
「すると、我々は、どのように、神様の世界、天使様の世界を知ることができるのでしょうか」
「神様の世界、天使様の世界を知るには、科学は必要ないぞ」
「エ!、どうやって、知るんですか」
「ダンテのように、その身で探検するのじゃ」
「でも、ダンテは、導き手がいたんですが、私にはいません。神様がやってくれればいいんですけど」
「わしは、今は、スマホに住む身じゃ。それに、地獄や天国に勝手に言っては、生きて戻れなくなってしまうから、事前に、ちゃんと準備して、許可を得ておく必要があるのじゃ。」
「じゃ、すぐに行けないし、もしかしたら、僕みたいなものに許可が下りないかもしれない」
「では、どうやって、人類の先祖を探せばいいんでしょう?」
「どこかに、超古代文明の痕跡があるといいのだが、ほとんど、消滅して、その痕跡はない。」
「でも、あるじゃありませんか。ストーンヘンジやピラミッドは、超古代文明の技術なしには、できなかったと思うのですが」
「確かに、そうだが。ストーンヘンジやピラミッドを見ても、超古代文明を否定してしまうのだから、それを持って、超古代文明の証とはいえないのだ。」
「そうですね。聖書の中に、ピラミッドの記述も出てきませんし」
「なんとか、なりませんか」
「まあ、ゆっくり探そうじゃないか」




