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神様と天文学者との対話

「宇宙は広いですね。この宇宙のどこかに知的生命体は、存在するのだろうか?」

「存在するぞ。山ほどいるぞ。」

「ほんとうですか、いったいどこに居るんです?」

「M376惑星、F70234惑星、H44123惑星、他にもたくさんあるぞ。」

「なんですか、そのMとかFとか、Hとか?」

「お前は天文学者だろう。お前達が名付けた宇宙番地の星の番号だぞ。」

「そんなこといっても、星雲だって、途方もない数あるんですよ。ましてや、星の一つ一つに番地なんて付けられません。」

「まあ、仕方がないな。地球の科学文明の限界かな」

「本当に、いるんですね?」

「いるとも、いるとも。」

「合わせてください。」

「合いたいか?」

「そりゃもう。合いたいです」

「合わせてやってもいいぞ」

「どうやって合うのですか」

「肉体のまま、合うのは、難しい。魂として幽体離脱をして、それから、かの星にいく。」

「そんなことができるんですか」

「できるとも、簡単じゃ」

「今から行こうか」

「え。そんなに簡単なんですか」

「わしが今、ここにいるから簡単だが、普通はできないぞ」

「その惑星にいくのに、どのくらいかかるのですが?」

「数分かな」

「宇宙はとんでもなく広いのですよ。数分じゃ、となりの家の玄関だってだとりつけません。」

「心配することはない、1時間もあれば、向こうの星にいって、1週間ぐらい滞在して、帰ってこれるぞ。」

「それって、計算が合わないような気がしますが」

「心配ない。この地球の時間と、宇宙の時間は一緒ではないのだ。宇宙は、多次元なのだ。わしの存在する場所は、時間も空間もない場所である。」

「魂の世界ということですか」

「そうだ。今、お前は、大学生の頃を思い出せるかな。あの山の上の望遠鏡を一晩中覗いて日を思い出せるかな」

「思い出せます。あの夜、とての不思議な感覚がしたのです。自分が宇宙の中に広がっていくような、飛んでいるような感覚でした。とても、忘れることができません。」

「そうだな。あの日は、お前にとって、大きな転換点の日だった。それは、さておき、お前は自分の心の中で、時間と空間を乗り越えたのを感じただろう?」

「まあ、そうですけど。思い出ですけどね。」

「その思い出は、いったいどこに存在しているのかね。脳細胞の中か? そうではあるまいその心の機能を、自由自在に使うことができれば、時間と空間を自由に旅をすることができるのじゃ。1時間もあれば、心の自由自在性によって、宇宙を一瞬に駆け抜け、1週間の滞在、見聞も可能になるじゃ。」

「まさか。そんなことができるわけがありません。聞いたこともありません」

「お前は、仏教について聞いたことはないか?」

「2500年前のインドで生まれた仏教のことですか」

「そうだ。あの仏教は、お前ら、天文学者より途方のないことを言っているいるぞ。仏教で言うところの一番大きな数字は、無量大数。距離も時間も途方もなくでかいぞ。お前ら天文学者が言って概念の何百倍、何万倍、何億倍も大きな概念を取り扱っているのだぞ。」

「そんなにすごいのですか」

「そうだ、それを体得できたのは、お釈迦様しかいなかったのが、かれは、この宇宙の実相、そして、それに匹敵する 人間の心の実相が、同じだと、体得してしまったのだ。」

「宇宙と人間の心が、同じですか?」

「そうだ。だから、人間は、宇宙を見上げ、宇宙を感じることができるのだ。人間の心の中に宇宙がなければ、宇宙を感じることなどできないはずだ。」

「宇宙を感じるですか?」

「そうだ。目はものを見る。そして、外界を感じるように、宇宙をみて、その宇宙を感じるなにかが、そこに存在している。それが心であり、人間の本体である。まるで、望遠鏡が広大な宇宙を眺め、それを感光板に宇宙を写しとるにに似ているな。心は、宇宙を写し取る感光板じゃ。宇宙を正確に写し取るには、波一つない湖のような平かさが必要だ。それができたのは、お釈迦さまだったわけだ。彼は邪念というものをすべて退けて、真っ平らな心を保つことができた、全人類のなかでも、非常に珍しい存在だったのだ。だから、仏教は、現代天文学以上の広大さを表現できたのだ。」



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