神様と事故にあって死んでしまった人との対話
「あ!」
「だいじょうぶかな」
「あの、ぼくどうなってしまったんですか」
「お前は、たった今、事故で死んでしまったんだよ」
「僕が、死んだ? でも、僕、死んでいません、こうして、生きているじゃありませんか」
「お前は死んだのだよ。あそこのバイクの横に、横たわっているのは、だれだね」
「え!、僕です。でも、僕は、ここにいます。生きているんです。でもでも、あの僕は死んでしまったんですか?」
「そうだ、お前は死んだんだ。」
「僕が死んだ。まさか、さっきまであんなに元気で、パワー一杯だったんです。」
「でも、しんだんだ。」
「僕は、どうすればいいんです?」
「みんなにお別れを言いに行きなさい」
「でも、僕は、南米の山の中で、一人で、事故を起こして、死んでしまったんです。誰かが気づくことなんて、絶対ありません。」
「そうだな、こんな地の果てのようなところに来たもんじゃ」
「どうやって、日本に帰ればいいんです。太平洋があるんです。幽霊になってしまったんで、船にも、飛行機にも乗れません」
「心配するな。よい方法を教えてやろう。目を閉じて、ふるさとを思い出してごらん。そして、足で軽くジャンプして、空の中に飛び込むんじゃ」
「えい!」
「そうじゃ、目をあけてごらん。ここはどこじゃ」
「え! 日本だ。故郷の町だ。すごい!」
「お前は、やり残したことがあるだろう。この地上に留まれる時間は、49日間だけだ。その間に、やり残したをやるといい。49日すぎたら、魂の世界にいくのじゃ。その時、天国に帰るのか、地獄にいくのか、決まる。決めるのは、自分の心が決めるのじゃ。木は、水に浮くが、石は、水に沈む。それと同じように、お前が木のように軽くなっているか、石のように重くなっているかが、自分の行く道じゃ。石のように重くなっていても心配することはない。いつかは、木のように軽くなって天国にいくのじゃ。地獄とは、身に付いた汚れや重さを拭いさるお風呂のようなものだ。あまり快適とはいえないが、本当の魂の姿になれるように、魂の汚れを落とす場所じゃ。気にすることはない。あまり、快適ではない場所じゃ。快適だと、みんな長居をしてしまうから、できるだけ、快適ではないようにしてあるのだが、長居をしておる魂も多いのは、こまりものだが。」




