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神様と大学教授との対話

「神様、日本の将来が心配です。赤ちゃんがどんどん減って、人口が少なくなっているんです。若者が減ってしまうと、大学もなくなって、僕も失業してしまうかもしれないので、心配です」

「人間は魂である。神の世界から地上に生まれるのである。しかし、地上の受入準備ができないと、赤ちゃんを送り出すことができないのだよ」

「そうですよね。今の日本に赤ちゃんがたくさん生まれても、対応できませんものね」

「そうだ。われわれも、赤ちゃんを送り出したいのだが、準備のできていないところには送り出したくはない。」

「でも、貧しい国ほど、たくさんの赤ちゃんが生まれていますね。」

「国は貧しくても、出産するとなれば、われわれも赤ちゃんをおくりださなければならん。」

「神様。もしかして、輪廻転生の話をしています?」

「魂は普遍で、輪廻転生をしておるぞ」

「質問があります。現在の地球の人口は、70億人ですよね。ですから、少なく見積もっても、70億人分の魂が必要ですよね。でも、過去の地球に70億人も住んでいたことないと思うのですが、もし、魂が輪廻転生して、普遍であれば、こんなに人口が増えていることは、数が合わないような気がします。」

「まったくだ。こんなに人口が増えてしまうと、魂も不足ぎみじゃ。どんどん生まれなきゃならん。天国も忙しいぞ。」

「あの!ダンテの神曲によれば、地獄もあって、そこにも、たくさんの魂がいるようなんですが。」

「そうだ。あそこにもたくさんいるな。何億、何十億という魂があそこで修行をしておる。この世で生きた汚れをぬぐいさらないと、天国に戻れないというか、浮き上がれないのだ。」

「すると、地球の人間の魂は、地上の魂+地獄で修行中の魂の合計で、150億ぐらいいるんですか?」

「まあ、計算するとそのくらいになるかもしれんな。」

「でも、魂が普遍だとすると、かつての地球の人口は、絶対そんなに多くなかったのだから、一度に、生まれた人数は、数千万か多くても数億人だったとすると、現在の地球に生きている魂が多すぎる気がしますが」

「おぬしもなかなか、小うるさいやつだな」

「これでも、数学の教授ですから、計算が合わないと、学生に突っ込まれてしまうんです。この間も、教室中の黒板16枚を使って、計算式をどんどん書いていったら、最後の答えが合わない。変だなとおもって黒板をよく見たら、8枚目の真中あたりで、計算を間違いていて、やり直しをしたくらいなんです。数というのは、小うるさいんです。」

「そうか、数学の教授か。今回の対話は、めんどうな奴にあたってしまったな。まるで、ポケモンのモンスターボールを投げても投げても、捕まらないポケモンのようなやつじゃな」

「神様、私をポケモンのモンスター扱いするんですか?」

「まあ、そういうつもりではない、たとえじゃ、たとえ。」

「でも、神様、人間の魂は普遍で、仏教で言うところの、不増不減で、輪廻転生しているとすると、地球の人口が、こんなに急速に増加するのは、異常じゃないですか」

「異常だぞ。地球45億年の歴史の中でも、こんなに人口が増えたことがない。しかもじゃ。まだまだ、人口が増えていくのじゃ。このままじゃ、あと50年もすると、150億人ぐらいになってしまいそうじゃ。すべての魂が、自分の使命を果たして立派に生きていけるわけではないので、地獄で修行する魂も多くなってしまうぞ。」

「そんなことになったら、天国は、空っぽになってしまわないんですか」

「実は、いま、天国はたいへんなことになっている。天国にも過疎地が多くなってきておるのじゃ。しかも、生きている人間には、6人チームで、守っていくことになっているので、ほとんどの魂が、生きている人間の守護に追われて、天国の仕事をする魂が不足する事態になっている。」

「そういうときは、どうするんです。」

「もちろん、単純なことだ。よその星の人間の魂に応援してもらうしかない。」

「え、そんなことをして、大丈夫なんですか?」

「もちろん、大丈夫だ」

「地球の天国に、よその星の文化とか、言語とか、習慣とか、いろんなものが、交りあって、混乱しないのですか?」

「心配いらん。天国は魂の世界じゃ。物質や時間や空間は存在しないのじゃ。魂の感じたまま、思ったままが、その世界の反映なので、自然に、共同できてしまう。一瞬の出来事じゃ。仏教でもいうじゃろ。色即是空、空即是色じゃ。地上の出来事には、空間や時間があるが、魂の世界は、すべては、一瞬の連なりなのだよ。その意味でも地獄も同じなのだ。本人が地上に生まれて、身に着けた誤解や混乱をしている限り、死んだ後の人の世界は、誤解と混乱のままなのだよ。その誤解と混乱が生み出しているのは地獄なんだよ。みんなの誤解と混乱が解消されれば、地獄は消滅するんじゃが、それには、とんでもなく長い時間がかかりそうだ」

「ところで、自分は、金星人だ、土星人だ、宇宙人だという人がテレビにでてきますが、あれは、本当なんですか?」

「あれは、うそじゃな。しかしながら、人間の普遍の魂の何十億年の記憶を遡れは、多くの宇宙の星々を巡り、未開の星を、高度な文明、調和のとれた星々を建設した記憶は、だれにでもあるのじゃ。なぜなら、地球の全ての魂は、よその星からやってきた魂だからだ。不増不減の魂なのだ。」

「では、宇宙全体では、どのくらいの人間の魂が存在しているんですか?」

「そうだな、星の数ほどじゃ」

「それじゃ、とても、数学的はありません」

「詳しく知りたいなら、天文学者に聞くといいぞ」




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