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わしは、大ショックを受けたのだ。

「神様、初めまして。わたくし、作者です。」

「初めまして、わしは、神様だ。スマホにすんでいる、おとぼけ神様だ。」

「あの、わたくしの小説に主人公になりたいと、申し出があったんですが、どのような理由で、申し出たのか、聞かせていただけますか」

「実は、わしは、大ショックを受けたのだ。」

「どのような大ショックを受けたのですか」

「わしは、人類のルーツは、当然、神様だと思っていたのだ。人類のすべての神話は、神様からはじまるので、すべての人間が、人類にルーツは神様だと、信じていると思っていたのだ。ほんの数百年前までは、それは、当たり前で、人間の力のみなもと、人間の知恵のみなもとは、すべて、神様に由来していたのだ。それが、どうだ、昨日、昨日じゃよ。のんびり、テレビをみていたのだ。人類のルーツを探すという、科学番組だった。てっきり、神様が出てくると、実に楽しみして、目をこらして、耳を澄まして、みていたのじゃよ。驚いたのなんの。びっくりこいたのなんの。神様の一言も、一文字もなかったんだ。いったい、どうして、こんなことになってしまったのか、これを、解明しなければならないと、行動を起こすことにしたんだよ。」

「それで、なろうの小説にでて、活躍しようと思ったんですか?」

「まあな、そんなところだ。」

「でも、わたくしの書いた作品なんて、誰も読んでいませんよ。」

「そんなことは構わん。わしは、有名になりたいわけじゃない。ましては、おまえを有名にしたいわけではない。だいたい、お前の文章は、へたくそだ。読むに耐えん。誤字脱字が多すぎる。漢字も知らないので、ひらがなばかりだ。そういうのを、悪文というのだ。」

「それでも、わたくしの小説の主人公になりたいと」

「まあな。そのわたくしという言い方も気に食わん」

「まあ、そんなに気になさらないでください。」

「とにかく、人類から神様を取り去ってしまった犯人はいるはずじゃ。きっと、悪魔の仕業にちがいない。」

「悪魔の仕業なんかでありませんよ。ダーウイン博士という非常に偉い博士が、自然界を隈無く探求して、人類のルーツを突き止めたんです。人間は、猿から進化したに違いない。」

「まさか、お前もそう信じているわけではなかろうな」

「信じるもなにも、現代人は、生まれた時から、そう教えられて育つので、それを疑う人はだれもいません。」

「まさか、そんなことになっているとは」

「神様は、それを、昨日、テレビをみて、気がついたんですね。」

「そうなのだ。そうなのだ。ほんとうに、そうなのだ。あまりにびっくりして、スマホの世界から、この地上に転げ(ころげ)落ちそうになったぞ。」

「じゃ、わたくしが、神様のためにいろんな人を連れてきますので、いろいろ対話して、聞いてみてください。」

「それじゃ、よろしく、たのむ。ところで、作者、その「わたくし」という表現はやめて貰えんかな。どうも、へんな感じがして、しょうがない。」

「では、僕という言葉にしますね。では、はじまり、はじまり。最初の人の登場です。」


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