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第20話 春とわたし

ほとんどのイベントは昨年度で消化しました。

なので、主要四人を掘り下げつつ、季節ごとのダイジェストです。

まずは、優菜。

新年度です。

進級して、わたしは二年生。

太陽達は三年生、受験生です。






「おやおや。またラブレターですかな?」

「困るよ。わたしは太陽のものなのに」


ある日の朝。

友達で同じ陸上部の牧菜淕(まきなりく)と、下駄箱に入った手紙を見ます。

二年生になってこれで五度目です。


「差出人は新一年ね。優菜と佐鳴先輩の事を知ってる人は、こんな事しないしね」

「きっぱり、お断りの手紙を書いておかないと」


わたしと太陽について耳にするのか、後に問題にならないのは幸いです。






「ねえ。進路、どうする?」

「進路?流々(るる)ってば、気が早くない?」


別の日の昼休み。

もう一人の友達である氷紗(ひさ)流々の言葉に、わたしも淕も驚きます。


「ほら。今年の三年、目的意識が高いからさ。このままで良いのかなって」


蔵人さん達の影響からか、三年生の皆さんは真剣に将来について考えているようです。

流々はクラス委員なので、そんな先輩達と話す機会が多いのです。


「んー。家継ぐから、あたしは一応機械工学方面だけど」

「淕も意外と考えているのね」

「意外とはなによ!そういう流々はどうなのさ!」

「それが分からないから相談してるのよ」


わたし達三人の中で、流々はお姉さん的ポジションにいます。

そんな彼女がわたし達に相談する程に、真剣に悩んでいるのです。


「頭良いし面倒見も良いから、学校の先生は?」

「うーん」


わたしの提案はいまいちのようです。


「優菜は永久就職で決まりよね。今日も愛夫弁当で料理研究だし」


陸上部で忙しいわたしに、「朝、ヒマだから」と太陽が弁当を用意してくれます。

本当はわたしが太陽に作ってあげたいのに、男女があべこべです。


「こっちは気にしなくていいから、愛しの旦那様と食べてきたら?」


そうしたいのは山々なのですが、祭り部に連れられて秘密の会議だそうです。


「男を待つのも、良い女のたしなみよ」


愛ちゃんに言われるまでもありません。


「太陽の奥さんにもなるけど。別の型でも助けになれたらなって、最近思っているの」

「うわ。素でのろけてるよ」

「彼氏か。羨ましいわね、全く」


わたし達のお昼はかしましく過ぎていきます。






「よーい、ピッ!」


陸上部も新入部員を迎え、今年も賑やかです。

わたしは二年生として技術に磨きをかけつつ、後輩に指導もします。


「有部先輩!踏み切りのタイミングなんですが……」

「先輩!もう一回、跳ばしてください!」

「先輩!」

「有部先輩!」


走り高跳び希望者が多くて、あっちにこっちに大忙しです。


「全員集合!ロードワーク行くぞ!」


部長の掛け声で質問が止み、みんな粛々とジョギングに精を出します。


「ねね。最近彼氏さんの顔見ないけど、どうしたの?」

「別に勉強が大変なだけだよ。それに校門までは毎朝一緒だし」

「仲のよろしいことで」


ジョギング中、淕が話かけてくるので大いに自慢してあげました。


「そこ!雑談禁止!」

「「すみません!」」


そしたら部長のお叱りです。

反省。






「ごめん。お待たせ」

「大丈夫。そんなに待ってないよ」


ゴールデンウィーク。

久しぶりに太陽と二人きりです。


「せっかくの逢い引きじゃ。しっかりエスコートするんじゃぞ」

「そうです。男の甲斐性を発揮させなさい」


訂正します。

二人と二柱、喋らないけど太陽の側にもう二つ憑いています。


「さて、行きたい所はある?」

「太陽におまかせ」


少し困った顔をしながらも、迷いなくわたしを導きます。

太陽はちゃんとプランを用意する人です。


「部活とか、どう?」

「問題なし!太陽こそ勉強大丈夫?無理してない?」

「獣医大志望は僕が史上初らしいけど。まあ、とりあえず順調だよ」


「だから今日は気にせず楽しんで」と、逆に気遣われてしまいました。

ここは思いっきり楽しむ方が、太陽のためですね。

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