第19話 祭り部と僕
最終回を予約投稿しました。
このお話ももうじき終わりです。
さて、前作の改訂しなきゃ。
2015.3.8 13時現在
「来る2月14日!好ましい事に平日だ!」
「祭り部の威信にかけて盛り上げよう!」
三学期の某日。
ある教室に生徒数名が集まって会議中です。
「ここはやはり、恋人達の絆を校内に知らしめる企画を……」
「異議あり!かの女王は恋愛の拡散を望んでいた。ここは新たな恋人達の出逢いを演出すべきだ!」
「それこそ論外!無理矢理は女王が最も嫌う所。リア充を嫉妬ではなく羨望の的にしてこそ、「自分も」と、思うのだ!」
「我らは奥手な日本人だぞ!会場を用意してやらねば、縮こまる!」
「いや!大事なのは、相性と未来像だ!」
ご覧の通り、この祭り部。
リヴァンネ先輩ファンクラブを前身とした、イベントコーディネートの部活だ。
「会長!一言下さい!」
「そうです!校内屈指の純愛カップル!」
「天使を射止めた男!」
それで、その先輩に後を任された僕は、この祭り部の取り纏めをしている。
「じゃあ、良いかい?」
2月14日。
昼休み。
『祭り部だ!突然だが、君たちの本命チョコは預かった!』
演出だ。
実際は、生徒会と本人の許可を取ってから預かっている。
『返してほしくば、我々の課す難関を突破しなくてはならない!』
これも了承を得ている。
『どれも二人の絆を試すものばかりだ!さあ!まずは第一の試練だ!二人揃って科学準備室に来るがいい!』
因みに、各試練の内容を僕は知らない。
なぜなら、
「太陽!行こう!」
「うん。分かってるよ」
優菜と参加するに決まっているからだ。
「太陽と優菜ちゃんにかかれば楽勝ではないのか?」
(そうは限らないよ。どうせ……)
二人三脚や答え揃えクイズ、二人羽織。
僕達もスルスル突破したけど、
『やっぱりあんたがたが一着か!だろうな!』
「悪いな」
「ごめんなさいね」
蔵人と千愛には負ける。
この競技の様子は全校生中継。
参加するだけで注目の的だ。
チョコ?
勿論全員に返したよ。
かえって仲がギクシャクして、渡す所じゃないカップルもいたが。
因みに、放課後調理室にて男女混合チョコ作り教室も開いた。
中々なムードのグループもいた。
交際に発展するかは、彼ら次第。
三月。
「卒業生を送る会だ」
祭り部の定例会議。
いつもはうるさいぐらいの教室は、シーンっと静まりかえる。
「生徒会から一枠貰ってきた。何をやるか決めよう」
始めこそ黙りこんでいたが、そこは祭り好きの集団。
一人を皮切りに、次々とアイデアが挙がる。
「劇だよ、劇。短くて良いんだからさ!」
「いやいや、時間足んないよ!ここは、ダンスだろ!」
「私らがやりたい事じゃなく、先輩がやって欲しい事をしようよ!」
「具体的には何だよ!」
そして、収拾がつかなくなるのもいつも通り。
「会長!ご決断を!」
で、僕の意見でまとめる流れ。
しかし、今回ばかりは難しい。
「そうだな……」
しばらく考え、僕は提案する。
「それは……」
「少し地味では?」
「主役は卒業生だぞ。僕達が目立ってどうする」
祭りの中には、ハデさが邪魔になるものもある。
僕達が行ったのは、スライドショー。
先輩一人一人の活躍を流し、締めに世話になった後輩から恩ある先輩への一言だ。
笑いあり、涙あり。
告白ありのなんでもありだ。
「大トリは勿論……!」
「「「「「女王様!!」」」」」
僕のふりに応え、壇上は人・人・人だ。
先輩の仲介でカップルになれた人。
純粋に先輩のファン。
そして、僕ら祭り部全員。
「先輩がこの学校にいた証が、今この場に出揃っています!」
人を掻き分け、なんとかそう言うや否や、マイクを奪われる。
奪っては一言言い、また誰かの手に渡る。
枠のギリギリまで、先輩に向けた感謝の言葉は尽きなかった。
文句無しの大成功だ。




