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第17話 クリスマスと僕

期末試験や終業式を粛々と終え、


「成績がまた上がったのう」

(太郎さんの教えかたが上手いからね。すごく感謝しているよ)


僕らは冬休みを迎えた。






「うわー。すごい人!」


優菜と言う恋人を得て初めてのクリスマス。

一緒にデート……といきたかった。


『お前ら!女王主催のクリスマスパーティーだ!盛り上がれ!』


体育館を丸々使っての催し物。

学生服を着た男女が、多数集まっている。


『ペアは見つかったか!?まだの奴!勇気出してフリーなあの子にアタックだ!恋人持ちは狙うなよ!』


マイクを握るのは忍谷先輩。

受験勉強は良いんだろうか?


「ね!ね!あっち行こうよ!」


優菜が楽しそうだし、良いか。






「佐鳴!手伝ってくれて助かった。済まないが、今日も頼む」

「分かっています」


主催者の女王こと、リヴァンネ先輩にご挨拶。

準備に駆り出された事もあり、僕もスタッフと言う事になる。


「先輩、受験は大丈夫なんですか?」

「言ってなかったか?わたくしは海外で大学卒業資格を取得済みだ」


僕の質問に対して、思ってもみなかった答えが返る。

先輩は思ったより凄い人だった。


「付き合わせている人達には悪いがな」


少し申し訳なさそうに言う先輩。


「あ!大丈夫ですよ。三年の皆さんは勉強会してました。仕事を僕ら後輩に押し付けて」


リヴァンネ先輩には内緒にしてたな。

女王思いの人達だ。


「そうか。よかった」


安心した様子で去って行く先輩。

約一人不安な人がいるが、それは秘密で。






「先輩!俺と周りません?」

「いいや!俺と行きましょう!」


男子二人がナンパの最中。

イベントの参加がペア必須のため、彼らのように声をかけまくったりしている光景が点在している。

優菜に告白出来ていなかったら、僕もあの一人だったのだろうか。


「あ!大空くんと千葉くんだ」

「知っているの?」

「うん。クラスメイト」


大空疾風(おおぞらはやて)と、千葉発人(ちばはつひと)と言うらしい。


「相手は誰だ?」


少し気になり、回り込んで相手の顔を覗いてみる。


「生徒会長じゃないか!」

「げっ。佐鳴」


一年コンビが狙っていたのは、現生徒会長の繭塚來(まゆづからい)だ。


「げっ、とはひどいな」

「仲悪いの?」


何を隠そう。

この繭塚生徒会長こそ、生物係おとりつぶし賛成派の主導者だったのだ。


「ん。ちょっとね」


今更の話でもあり気にしていないのだが、一方的に避けられている。


「おい!お前ら、行くぞ」


生徒会長は一年コンビを引き連れ行ってしまった。

あれじゃ、親分子分にしか見えないな。






『ラストイベントを始めるぜ!』


忍谷先輩の仕切りでビンゴカードが配られる。

もちろんただのビンゴじゃない。


『ペアもしくはコンビ一組で揃って初めてクリアだ!』


ただでさえ当たりにくいビンゴ。

二人両方とも当てないといけないのは、地味に高いハードルだ。


『その分、景品は豪華だぞ!真羅が用意したからな!』


会場がどよめく。


「よ!太陽。頼まれた通りにしといたぜ」

「ありがとう。楽しんでる?」

「もちろん!」


蔵人達と合流する。

蔵人には景品に限らず、色々なところで便宜を図ってもらった。


『じゃ!始めるぜ!』






「残念だったね」

「くじ運だからね。仕方ないよ」


僕も優菜もリーチまでいって、どちらもビンゴなし。


「儂に運を良くする権能はないからの」

「私もよ。恋を燃やし、愛を暖めるだけだもの」


二柱とも、その気持ちだけ受け取っておきます。


『最後に、我らが女王より御言葉を頂戴する』


忍谷先輩が片時も手離さなかったマイクは、リヴァンネ先輩の手に渡る。


『今日は楽しんでくれたか?恋人達はその想いを育んだか?新たな出逢いはあったか?何か得るものがあった事を期待する』


簡潔に締めの言葉を口にする先輩。

これでパーティーも終わり。

と、思ったら、


『突然だが。わたくしは進路に専念するために、目的を断念。ここに引退を表明する』


などと言う。

当然どよめく会場。


『付いてきた者達には、とても感謝している。わたくしもその者達を見捨てるのはしのびない。そこでだ。』


あ!

この流れは。


『佐鳴太陽。君に後を任せる。なに。出逢いを求めて、楽しく騒ぎたい者達ばかりだ。』


視線がこちらに集まる。

って、優菜!

「行ってこい」とばかりに背中を押すな!

蔵人に千愛まで!

友達に背中を押され、先輩の前に立つ。


『頼む事は一つ。彼らの世話だ。出来るだろ?』

「やれない事はないですが、僕は外部の協力者ですよ?」

『だからこそだ。君のやり方でこの学校を盛り上げればいい』


異議が上がらないかと後ろを見るも、皆さん好意的である。


『では、よろしく。解散!』


「やる」とは一言も言ってないんだけどな。


「ほっほっほ。動植物の世話の次は人の世話。儂の契約者は人徳あるのう。」

(笑い事じゃないよ、太郎さん。あれ?その赤い糸玉、何?)

「縁結びの遣いじゃな。あそこの属神の申請で、神が遣わしたようじゃ」


先輩の側に浮かぶ、編み物をする女性が手を振る。

神々公認ですか、そうですか。

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