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第16話 リヴァンネ先輩と僕

「おはよう、生物係」

「文化祭。なかなか盛況だったじゃないか」


休日を挟んで今日。

飼育委員の仕事はなくなっても、園芸部としての仕事は二学期一杯存在する。

花壇に水をやる僕に、いつものように皆声をかけてくれる。


「あ!でも、もう生物係じゃないんじゃない?」

「じゃあ、園芸部?」

「二学期一杯までは生物係でいいよ」


僕もこのあだ名を気に入っている。


「太陽や。優菜ちゃんが来たぞ」


太郎さんに言われた方を見ると、優菜が駆け足でやってくる。


「あ!おはよう、太陽」


側には天使、いつもの笑顔。

優菜は今日も元気だ。


「太陽……だと……」

「まさか、いや、待て」

「もしかして、もしかするの!?」


周りにざわめきが起こる。


「お疲れ。頑張って」

「うん。今日から放課後どうするの?」


優菜は足踏みしながら聞いてくるから、「まっすぐ帰って勉強」と答える。


「分かった。今日、料理作りに行くね」

「リベンジだね。楽しみにしているよ」


優菜は駆け足で走り去る。


「おい!説明しろ」

「なんだよ。今のやりとり!」


話すべきか話さざるべきか迷っていると、


「わたくしの出番のようね!」


数人に周りを包囲されてしまった。


「囲み取材の時間よ!」

「君は完全に包囲されている!」

「我らの質問に素直に答えるならば良し!」

「さもなくば、女王リディアの名の元に事実無根の噂が流れるであろう!」


その正体は、リヴァンネ先輩率いる新聞部だった。

事実無根の噂云々はさすがに冗談だとしても、逃げられないのは事実。

大人しく取材を受ける事にした。


「分かりました。でも、授業の開始が近いので、簡潔にお願いします」

「良いでしょう。では早速、」


あなたと有部さんは恋人同士ですか?

告白はあなたから?

その時の台詞をもう一度

この事を互いの両親は?


答えは、YES、YES、黙秘、歓迎。


答える度に、悲鳴やら歓声が上がる。

優菜のファンによるものだろう。


「次で最後です。ずばり、ヤりましたね?」


黙秘する。

けど、顔に出たのだろう。

悲鳴や歓声が爆発する。


「いつまでそこにいる!もうすぐホームルームだぞ!」

「時間ですね。では、ごきげんよう」


教師の一喝で、野次馬含め生徒全員が教室に急ぐ。


「学舎の瓦版じゃな。どれ、楽しみじゃのう」


嫌な予感がしながらも、道具を片付け教室に向かう。






「それでこの人だかり?」

「悪い」


昼食。

優菜の誘いで一緒に食べている。

その周りは隠れる気が皆無のデバガメばかりで落ち着かない。


「仕方ないよ。太陽もわたしも有名だもん」


二人きりになりたくて呼び出しただろうに。

優菜はそれを微塵も感じさせない。


「だったら、堂々と見せつければ良い!」

「リヴァンネ先輩!」

「いつの間に!」


そんな僕らの前に、突然の先輩。


「恋人達がこそこそするなんて間違っている!恋愛はもっと堂々とするべきだ!」

「「「「「そうだそうだ!」」」」」


親衛隊の合いの手が飛ぶ。

近くに見えないけど、どこから見ているのだろう?


「モテない奴らの僻みなど気にするな!君たちこそ正しい!」

「「「「「そうだそうだ!」」」」」


太郎さんと使徒さんも大きく頷いている。


「佐鳴太陽。再三の勧誘済まないが、今こそ大いなる目的のために力を貸して欲しい!」

「いつも言っていますが、その大いなる目的って何ですか?」

「全校生徒総リア充だ!」


冗談……ではなさそうだ。


「呆れたか?それが正しい。だが!やる価値はある!」


親衛隊の皆さんのボルテージも上がっている。


「協力してくれるな?」

「わ、分かりました」


迫力に押され、言ってしまう。

先輩は満足そうに、


「ありがとう。邪魔したな」


と言って、去っていった。


「面白くなりそうだね。太陽」


僕にとっては、どうなるやら。

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