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『弐の噺:目に見えないモノ』

 年少で私立幼稚園に入学すると、友達がたくさん出来た。

うちは仏教徒だったが、なぜか幼稚園はミッション系のカトリックだった。


バス通園だったが一週間ほどしたある朝、どうしても幼稚園に行きたくなくだだをこねた。


「行きたくない。行きたくな~い」


しかし、小さく身体の軽いオレは両親と先生に無理やりバスに乗せられた。

後から聞いた話、バスに乗せ椅子に座るとケロッとして、両親ばあちゃんとも見ずに友達と話し出したらしい。

そうして幼稚園に着くと、敷地内に教会があり、毎朝礼拝をして教室へと行った。


遊びの時間は毎日外の遊具で遊んだ。

特に、ジャングルジムはお気に入りで、毎日登って遊んでいた。

朝ぐずったその日、いつものようにジャングルジムで遊んでると何か黒いモヤのようなモノが

身体にまとわりつく感じがしていた。


(何?)と思っていたが、気にしなかった。


しかしその直後、ジャングルジムの最上段から落ちた。


出血し病院に連れて行かれたオレは頭を2針縫うと

幼稚園へと戻り、親が迎えに来るのを、先生の膝の上に座って待っていた。


と親から聞いた話はこうだった。

しかし落ちた瞬間の記憶から次の記憶へは空白が存在する。


オレの記憶は、この先生の膝の上で待っていて母親が自転車で迎えに来たという所からしか記憶しかない。

完全に、ジャングルジムからどうやって落ちたかなどの記憶は、すっぽり抜け落ちていた。


2mはあろうジャングルジムの最上段から落ち、2針縫うだけで済んだのは不幸中の幸いだと思う。

それにしても、あの黒いモヤは何だったのだろうか?

それに、どういう風に落ちて助かったのだろうか?


落ちると言えば両親からも聞いた話がある。やっと歩けだした1歳の時、

うちの2階から1階まで階段を転げ落ちたらしい。


ものすごい落下音がして店から裏へと行ってみると、階段下にオレが立っていて、母親の顔を見ると

泣き出したらしい。


より小さく、より高いところから転げ落ちたのに、この時はかすり傷ひとつなかったらしい。


この2つから考え、オレは何かにちょっかいを出され、別の何かはオレを守ってくれているのではないだろうか。

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