死後、僕は君のタイムループに閉じ込められる。世界を救う方法は、君が“完全に納得する死”を迎えることだった

高校生・真野拓海は、通学路で恋人の綾瀬ほのかと共に死んだ──はずだった。
しかし目を覚ますと、そこは死ぬはずだった当日の朝。
その日から拓海は、何度死んでも、何度世界が滅んでも、必ず同じ朝に戻される。
唯一の共通点は、「彼女の死」。
事故、病、テロ、世界崩壊……死因は毎回異なるのに、ほのかは必ず、その日一日で死ぬ。
そして、そのたびに世界はリセットされる。

やがて拓海は、この世界の真実に気づく。
この世界は、ほのかの無意識の魂によって創られた“再現世界”。
そして、彼女自身が「完全に納得する死」に辿り着くまで、世界は永遠にリセットされ続けるという、あまりにも残酷な運命だった。

愛する人が、世界の“終わり”を望んでいる。

拓海は、彼女を救うため、そしてこの永遠のループを終わらせるために、あらゆる可能性の世界線を奔走する。
だが、その旅の先に待つのは、世界を救うことと、彼女を永遠に失うことの選択だった。

これは、少年が少女に世界を返すための、終わりの物語。