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9.

じっちゃんの世界へ入った僕の一言

「うんぎゃ〜!」


 じっちゃんの仙域は海の世界。

珊瑚礁に囲まれた大きな島が二つ、一方は平地、一方は高い火山島?だ。


 じっちゃんが俯瞰映像を投影してくれた。

珊瑚礁の中は内海になっている。映像がクローズアップされてゆく。

問題は、その内海に浮かんでいるものだった!


 昔、本で見た、日本帝国海軍戦艦の大和と武蔵以下空母大鵬、翔鶴などなど・・・

外国のもある、あそこのはビスマルク級か、フィリブス・ウィニーティス級もあるぞ、なんて渋い!


 一瞬見ただけで分かる僕もかなりの軍事オタクだけど、じっちゃんがこれ程のコレクターだったなんて。

どっから引っ張って来たんだアレらは?


 周辺の異世界から、少しずつ変わる多元世界だから探せばコチラにあるものは簡単に手に入ります、じゃないだろう!

資源の無駄遣いじゃないかい、じっちゃん!


「どうだ泰光。 集めるのに苦労したが、凄いコレクションだろう。 あ、最近手に入れたの見るか? アメリカさんの原子力空母だぞ、あちらに浮かんでるのがそうだ」

じっちゃんが楽しそうにコレクションの解説を始める。


 昔から機械オタクだったけど、ここまで軍事に詳しかったっけ?


 中には、僕の時代から見て未来のも有るじゃないか。これ、現し世(現代)に持って行けば歴史が変わるな!


 あれなに、フェイズドアレイレーダー付いてる・・・現代の速射砲、垂直ミサイル発射管?なんか魔改造されてる戦艦があるんですけど?!

え、大和級を改造した? ガスタービン、ええ?僕が考えた最強の大和ですか、そうですか!


 あのデカい船は、タンカー。

自動車運搬船もあるし、民間の船もコレクションの対象なのね。

節操のない、じっちゃんだ。


 平地の島には長大な飛行場があり、なんとあのアメリカ空軍初めとした世界の航空機が所狭しと並んでいた。その横には軍事、民間問わず色々な、車両が。


 島をグルリと囲む線路を走るのは、往年の蒸気機関車が引く年代物の客車。


すげぇ~、博物館だ、テーマパークだ!


 僕は開いた口が塞がらなかった。


「戦車操縦してみるか?」

じっちゃんがパンター戦車を撫ぜながら、僕に話しかけた。 とても幸せそうだ。


「遠慮します。 大型特殊免許持ってないし。 某アニメみたいには簡単に戦車操縦できないこと知ってるんで」


「心配いらないぞ、これらは全て自立行動可能になっているから、命令すれば動いてくれるぞ」


 つまり、人工知能の自動操縦になってるのね。いや、たぶん操縦だけでなく戦闘もやっちゃうんだろう!

 弾も自動装填、もしかしたら、弾や燃料自体この世界にいる限り自動生成されるんだろうな。


破壊されたらどうなるんだろうか?


 その場合も自動で修復され復活するそうだ。

もう、赦してください。

 無限に復活して、弾切れ燃料切れなく戦い続けられるって最強、最恐なんですけど。

ま、じっちゃんの世界の中だけの話だけど・・・


 火山島には温泉リゾートを作ってあるそうだ。

この人は、趣味と娯楽が全ての人だったんだ!


 ばっちゃん、本当に苦労したね。


 じっちゃんの仙域ですっかり毒気を抜かれた僕は、その後もじっちゃんに振り回され続け、開放されたのはじっちゃんの世界でまる一日たった頃だった。


 疲れと眠気でボロボロの状態で、僕はやっと山の家に帰りつけた。


 でも、ばっちゃんとこに出発した直後に戻ってきたので、こちらの世界では時間が経っていない。

めっちゃ、時間感覚が狂ってしまう。このままで良いのか俺?!


 色々あったので本当に疲れたぁ〜。

いや〜、体感としては、丸三日は起きてたんじゃないか。

風呂を沸かす気力もなく、やっと敷いた布団にもぐりこんで、なが〜い一日が終わった。


 翌日、若さっていいね。

復活した僕は、当初の予定だった山の敷地を囲むフェンスの点検をすることにした。


 敷地入口の扉がある場所まで降りてゆき、あらためて扉の南京錠の状態、扉の状態を確認。

時計回りにフェンスに沿って山に入る。

ナタを左手に藪をはらいながら進んでいった。


 木々の間に木洩れ日が射し込んで地面に光の輪っかができている。

腐葉土の上を踏みしめながら進んでゆくと、じっちゃんの炭焼小屋が見えてきた。

 小屋を見ると、何回か炭焼きにつきあわされた思い出が蘇ってきた。

そうだ、今度炭を焼こう。


 更に進むと、木が切られ草っ原になっている場所に出る。

数年前に木を切り出した跡地だ。 苗木が植えられているが、下草刈りが必要になっている。

数日中に草刈り機を持ってきて、刈らないといけない。

 とりあえず、持ってきた手帳に防備録として記入して先に進む。


 昼飯は少し陽射しが差し込む岩の上に腰掛けて、握ってきたおにぎりを頬張った。

水筒から水を飲み、一休みして周りを見渡す。陽射しの中でも、昨夜?あったような妖精達や、たまに毛むくじゃらの淡く光る正体不明の物達が周りを徘徊している。

あれは、たぶん妖怪の仲間かな?


 どんどん、あちらの世界が見えるようになってきた。

ありがた迷惑なんだけど、仙人としては見えて当たり前。あちらの世界のものが、見えて聞こえて触れないと半人前だから仕方ないか。


 意識を仙域に移すと、僕のいるこの世界(現し世)が過去から未来へ川の様に流れて行くイメージが頭の中に浮かぶ。

流れはいたるところで分岐し、折曲している。

分岐した流れの幾つかは新しい時空間として安定し、また逆に存在自体が不安定になっている世界も多く見える。

多元宇宙の世界だ。

まだ見える範囲は狭く、朧気でしかないが・・・


 登ったり下ったりしながら数時間かけて一廻りし終えた。



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