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3.

 不思議体験はここから始まる。


 うつらうつらしていた時、頭の上側になる縁側を歩く足音が聞こえた。

 奥の座敷側からこちらに歩いてくる足音。

足音はちょうど頭の上の場所、障子を挟んだ縁側でとまった・・・

 家には僕しかいないはず。鍵はかけているので、誰かが入ってこれるはずはない!


 思わず声を上げて飛び起き、僕は障子を勢いよく押し開いた!!


 そこには・・・誰もいなかった。


 夢か、勘違い?


 いやいや、眠りに入りかけていたけどまだ意識はしっかりしてたから、夢やなにかの聞き間違いでは決して無い。

 たしかに誰かが縁側を歩いていた!


 流石にそれからしばらくは寝られなかった。

一応、各部屋の明かりを点けて一廻りして誰もいないことを確認。


 じっちゃんがいた頃は、こんな事は無かった。

何だったんだ?


 しばらく起きていたが、それからはなにも起きそうにないので、改めて布団に横になり僕は眠りについた。


 僕の冒険の始まりは、まず小手調べのようなこの事件から始まった。


 じっちゃんが生きていた頃よく泊まりに行ってたんだけど、一度も怪奇現象に出くわしたことなぞなかった。

 それなのに、初日、二日と自分以外に誰かがいる気配に悩まされ続けた僕は、ついに屋根裏部屋から床下まで確認する大捜索作戦を発動した。


 一日かけて、鍵の状態を含めて各出入り口の確認、壁や屋根などに生き物の入ってくる穴などがないか、劣化したところなどないかチェックしたが、結局異常な所は見つからなかった。


 じっちゃん家に来て三日目の晩、夕食の茶碗類を洗ったあとテレビを見ながらぼんやりしていた時、視界の隅に一瞬人の影のような物が横切った!


 慌てて確認のため、奥の居間に飛び込んだが、明かりを点けた八畳間はがらんとして一瞬見えた人影は微塵も無かった。


 確かに何かがいる気配は感じるが、なかなかその何かが判らない気持ち悪さに気が滅入った僕だった。


 が、振り返ると茶の間のテーブルの横に、一人の男が座っている・・・お茶を自分でさしながらまったりとした様子で寛いでいた。


 え?

あんた誰?


 三十代前半に見える小柄な男は、ゆっくりとお茶を啜りながらニコリと微笑んだ。


「やあ、元気かい若者よ!」

思ったより渋い声で男は話しかけてきた。


「え〜と、どなた様で?」

僕の問いかけに対し

「見てわからないかい、幸運を運んで来る座敷わらし様だ!」


「嘘だ〜! そんな薹が立った座敷わらしいるもんか! いいとこ、妖怪ぬらりひょんだろー」

思わずツッコんだ僕


「いや〜、こんな状況で突っ込んでくるなんて、やっぱり、私が見込んだ若者だ。」


「いやいや、何処から入ってきたの? 鍵かかってたよね?」


「ほら其処から」

男が指差す方向に目を向けると、襖の一枚が光に包まれている。

 なに此れ?


「今から私の世界に招待しよう。 私を祀ってくれて、いつも捧げ物をしてくれた。まぁ、あのお団子の礼だな」


「お団子? え、え、お地蔵さん?」


「その呼び名はあまりにも恐れ多い! 私は地蔵尊様には遠く及ばぬ、ただの仙人の端くれだ」


仙人? 妖怪の間違いじゃないかい?


「じゃあ・・・?」


「地仙の雷光と呼ばれていたので、君もそのように呼んでくれ」


「雷光? なんかイメージが・・・」


雷光氏?が、お茶を流し込んで立ち上がった。

以外に、小さい!

1メートル60センチないんじゃないか。


「さて、行こうか」


「いやいや、初めてあった怪しい人物に、ハイそうですかとついて行く馬鹿はいないでしょ!」


「素直じゃないなぁ。 疑り深い性格はもてないぞ^_^」


「なに言ってんですか、だいたい貴方は木彫りの人形だったはず、迷って出てこないでくださいよ! 」

トドメの一言

「信じろと言うほうがおかしいですよ!」


雷光氏は苦笑いしながら

「力を失って、現し身をあんな木彫にするのがやっとだったんだから、仕方ないだろう」


「現し身?」


「私の本体は、ほれそのドアの向こうだ。 この体は、私の姿を写し取った仮の姿・・・あっ、ゲームで言えばアバターだな。」


「アバター?」


「仕方ないなぁ。 じゃ、まず仙人の世界の話をしようか。」

 雷光氏は、再び座布団に座り込み、お湯をポットから急須に注ぎ始めた。

 僕は雷光氏の斜め前に、座布団を引っ張り出してその上に座った。


僕が座ったのを確認した後、お茶を湯呑みに注ぎながら雷光氏がゆっくりと語り始めた。


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