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18.

 ゲートから出て、野良神様の神気を探ってみる。

 神気は神様ごとに微妙に違う。人間の指紋や声紋、虹彩の様に同一のものが無いので、神様の特定が可能なのだ。


 野良神様(勝手に野良にしてごめんなさい)の気は、此処からかなり遠い。位相設定にズレがあったようだ。

まだまだ精度が甘いな 汗


 え〜と、自分がいった場所であれば、ゲート繋げられるんだけど、もしもの事考えたら歩いてゆくしかないか。

 野良神様の気を探りながら探すこと二時間、やっと見つけた。


 突然、神様の前に飛び出し、声をかけた僕に対し、野良神様はにこやかに微笑んでくれた。


「田の神様、お迎えにあがりました。 貴方様が貴方様で無くなる前に、避難場所へお移りください」


「先程の仙人か、下位の仙にしては・・・いや、この気は・・・奇妙な者よ。 先程は完全に下位の仙だったはず。 だが、今は神気を纏うとは?」


「わたしの仙域を、一柱の神が避難場所とされています。 貴方様もまた、わたしの仙域へ避難され権能の回復をなさいませ」


 野良神様は一瞬の逡巡のあと、ゆっくりとゲートの中に足を踏み入れた。

その瞬間、仙域はまた拡大した。


 ゲートの向こう側では橘山様が待っていて、新しい神様の到着を歓迎してくれた。


「居候させてもらう。 すまない」


「わたしも同じようなもの。 貴神にはあそこの管理をお願いしたい。 わたしの権能ではできないので」


「おぉ! 田畑の管理か! 久しく使えていなかったので錆びついているが、吾が権能そのもの、感謝する」


 神様同士で管理地の分配をおこない、棲み分けが出来たようだ。

 ここは常春だが、これからは四季を創ったほうが良いのかな?

神様二柱に聞いてみよう。


 山の家の田畑も野良神様にみてもらおう。ちっちゃいけど・・・


 あれから、山の家の田畑と僕の仙域とを繋ぐ常設のゲートを作って、そこを通って動物達も行き来出来るようにした。

 その結果、僕の出費、餌代他が節約出来ることになり、おおいに助かった。これもありがたい。


 さて、とんぼ返りして師匠に絞られよう。

その前に蒼さんの作ってくれる朝ご飯だ・・・すっかり餌付けされてないか、僕。


・ ・ ・


 じっちゃんの遺産相続処理が終了した。


 じっちゃんの遺産は、実は莫大なものだったそうだ。弁護士さんが僕の両親と叔父さん夫婦に提示したじっちゃんの遺言書、その内容を確認するなかで叔母さんが気絶したらしい。


 僕の管理する山の家と周辺の山は財産の中では枝葉にすぎなかったということだ。


 じつは、僕が実家から山の家に行き来する時にいつも缶コーヒーを買う雑貨屋前の交差点を、山の家の方向に曲がらず真っ直ぐいったどん詰まりにも、じっちゃんは山を持っている。

 

 その山が本当の宝の山だった。その山からは金鉱石が取れ、住●金●という大企業に権利を貸して毎年莫大な上納金を手にしてたそうだ。

 親戚一同、じっちゃんがこの世からいなくなるまで、この事実をまったく知らなかった。

 今にして思うが、だからあんなに建機なんか買えたんだ。


 遺言書は僕の父が山を相続し、企業との契約をじっちゃんから父に変更する。莫大な有価証券は叔父さんにおくるとの内容・・・じっちゃんの遺言を受けて、ふたりとも仲良く遺産を分割。

 兄貴は後々親父の後を引き継げるということで、今からテンパっている。


 僕にも、山の家と周辺の山、そして僕にとっては目の玉が飛び出るほどの預金をじっちゃんの遺産として貰えた。相続税を払っても多分一生食うに困らない。

 と言うことで、父さんが約束していた管理費は無しになった。


 そして、橘山様と田の神様(江様)二柱共に、山の家にいついてしまった。

もちろん仙域と出たり入ったりしているんだけど、山の家でグテッとしている姿を見る時間が多くなってきているようだ。


 じっちゃんも、ばっちゃんも監視カメラ付いてるのかと疑問に思うほど、僕が山の家に帰ってくると、ほどなく顔を出してくる。おかげで、僕は結構ワチャワチャした毎日を過ごしている。


 神様達とじっちゃん達、いつも接近遭遇してるんだけど微妙なタイミングでバッティングしない。でも見てる僕は、毎回ドキドキで冷や汗かいてます。


 山の家に帰ってくると、山仕事、畑仕事、巡回点検、修理、買い物、など、など、休む暇なく仕事がおいかけてくる。

師匠の世界では、修行漬!

 僕の自由な時間は何処に消えた?

神が助けてくれぬなら、悪魔に頼むぞ!

 自由にグデられる時間を我に与えよ、我は求め訴えたり。エ●エ●エ●サ●ム!

なあんて、昔の漫画風に悪魔召喚してみたが、ちっとも変化なし。当たり前だけど 汗


 鬼籍に入られてなお、漫画だけでなく妖怪好きをはじめオカルト界全般に、世間一般にも影響を与え続けている偉大な水●し●る先生、ええ受けてますよ影響、もろ ^_^


 ま、貧乏暇なしとはよく言ったものだ。(貧乏じゃないけど・・・)

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