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【完結】料理を作って異世界改革  作者: 高坂ナツキ
王都
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08 開店準備

「というわけで、今日からは食堂の運営について準備を始めていくぞ」


「具体的にはどうするの、マサト兄ちゃん?」


「レイジはこれまで通りライアンさんたちと組んで食材の採集をお願いするよ」


「わかった」


 俺の言葉にレイジが頷く。

 野菜中心の料理を並べてもいいのだが、やはりバランスを考えれば肉も欲しいからな。


「エリックとルッカは食堂で作れる料理も覚えていってほしい」


「マサトさん、どんな料理を基本にするんですか?」


「そうだな、サンドイッチとフルーツジュースは食堂でもメインにするつもりだ。あとは、ホーンピッグを中心にした料理だな。食堂を作った後は燻製室を使って加工肉も作ってみるつもりだ」


 ベーコンやソーセージを作ればパスタなんかも作りやすくなるしな。

 それに肉を運ぶ手段が少ないこの世界では燻製なんかは重宝するだろう。


「カツサンドはもう教えていますから、お米の炊き方とかを中心に教えますね。あと、燻製室の使い方はきちんとわたしにも教えてくださいね」


 やはりミーナはやることを伝えればすぐに応えてくれるのでやりやすい。

 まあ、燻製関連でチクチク言われ続けるのもつらいし、作ることになったらちゃんとミーナにも手伝ってもらおう。


「食堂の作成時期とかを中心にランドールさんとは話し合っておくから、みんなも自分のできることから始めておいてほしい」


 二人に後のことは任せて俺はランドールさんのところに行くとするか。

 食堂の作成場所についても聞かなきゃいけないし、食堂の内装についても相談しないとな。


「というわけで、食堂について相談に来ました」


「と言われてもね、食堂自体が王都でも初めてのものだからあまり気張らなくても大丈夫だよ?」


 いやいや、そんなことを言われても貴族のランドールさん目線の気張らないと庶民の俺たち目線の気張らないでは認識が違う可能性もあるからな。


「食堂のテーブルには布をひいておきたいのでその布と、椅子に置くクッションは準備してもらっていいですか?」


「ああ、そういうものは必要だな。シェリルバイト領からきている商会に頼んでおくよ。それと私が連れていく人間はカトラリーは使えるから普通に出して大丈夫だよ」


 確かに、貴族であるシェリルバイト家の人たちは使用人も含めてカトラリーは使えていたから他の貴族もそれくらいは使えるのか。


「それではフォークとナイフは準備しておきますね。皆さんと同じように箸は使えないでしょうから、メニューは箸を使わなくていいものにしますよ」


「そうだね、基本はサンドイッチでいいとは思うけど温かいものも用意してもらえると助かるかな。私たちもそうだったけど温かい食事は衝撃を受けるからね」


 この世界の人間は貴族も庶民も野菜か果物をそのまま食べる食生活だから、温かい料理を食べたことのある人間がいないんだよな。


「それと食堂の作成場所ですが……」


「それならきちんと用意してあるよ。シェリルバイト領で展開していた場所くらいの広さは確保してあるけど、それくらいの広さでよかったかな?」


「ええ、その広さなら十分です」


 領都で用意してもらった場所はかなり広かったからレベル4の食堂も十分作成できるだろう。


「あとは……食堂にくるお客様は」


「そうだね、マサト君にとっては不本意かもしれないけど、当分はシェリルバイト領の周辺貴族から始めさせてもらうよ。他派閥の貴族の中には難癖をつけてきそうな人もいるしね」


「いずれは王都の庶民にも広げていきたいのですが……」


「うん、それもいいだろうけど、貴族を先に案内しておかないといろいろ文句言ってくる人もいるからね。こちらの派閥の貴族に根回しをした後に他派閥の貴族を招待して……それからになるかな」


 あー、やっぱり貴族はめんどくさいんだな。

 シェリルバイト家の人たちは普通に庶民に混じっているような感じの人たちだったからあんまり気にしていなかったが、やはりこの世界で貴族にあんまりかかわるものじゃないかもしれないな。


「まあ、庶民に広げることに関してはタウンハウスの使用人に手伝ってもらってもいいから気長にやってくれると助かるかな」


 ランドールさん含めてシェリルバイト家の人たちにはお世話になっているし、そのくらいは仕方ないか。

 王国の周辺には帝国と聖王国、それに迷宮都市があるらしいから王都にある程度、料理についての知識が広まったら他に移ろうと思っていたのだけど結構時間がかかるかもな。

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