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僕、下す。

「さぁご主人様踊りましょう。」

 

 鶸が僕の手を取り緩やかに引く。こうご主人様(・・・・)よわばりする時は概ね何か含んでいることがある。

 

『今回は随分煽るな。』

 

『あら、私とて怒るときは怒りますわよ。』

 

 いつも怒っている気がしなくもないが、鶸は随分ご立腹のようだ。

 

「余裕を持って下等生物(・・・・)の相手をしていたのに全力を持ってしても一人として倒せない気分は如何ですか?」

 

 鶸が僕の手を強く引き移動を促す。そこから更に急反転して手を引かれる。僕はその力に流されるまま引っ張られる。

 

『オイシゲルジュヒョウ』

 

 ぼくらの周りに棘に覆われた氷の樹が生える。急な周囲の変化に僕は驚く。鶸は樹の間を縫うように僕の手を踊るように緩急をつけて引く。ペルッフェアは大いに驚いているようだが僕にはよく分からない。鶸が何かをしているであろうと言うことだけは予想できる。伸びた樹氷がはらはらと空気に巻かれて散る。

 

『オイシゲルジュヒョウ』

 

 宣言と共に並び立つ樹氷。だが僕らの周りに生えるだけで何をしているか分からない。僕にとってはどちら(・・・)も何をしているか分からない。だけど鶸には余裕しかなく、ペルッフェアには焦りしかない。

 

「なぜ見えぬものに気がつく。お前は一体何が見えているのだっ!」

 

 ペルッフェアが激昂するが鶸はどこ吹く風で無視する。僕もただ呆けているわけにもいかず攻撃を加えようと銃を持つ手に力を込めるが、鶸が口に指を当てて静かにするような仕草をする。鶸にもまだ準備があるようだ。

 

「どこまで付き合えばいいんだい?」

 

「出来るならいつまででも付き合って頂きたいのですが・・・あともう少しですわ。」

 

 鶸が僕の手を引きながらリードし踊る。そして少しずつ少しずつペルッフェアに近づく。

 

『トドメルコオリノオリ』

 

 鶸がターンするように手を引いたところで冷たい氷の中をくぐり抜ける。氷は一点に凝縮し氷の柱となる。反射的に回避出来なければ氷の中か。拘束としても必殺としても高そうな能力を持つ。文言と共に放たれる攻撃達は漂う魔力の揺らぎも少なく察知するのは非常に困難だ。鶸はあらかじめ来ると知った上で先んじて移動しているのだと朧気に理解する。本来なら領域が展開された時点で詰んだとも言えるはずだったろう。ペルッフェアもそのつもりだったに違いない。そしてこれを最初に持ってこないことにも相応のリスクがあるとも見て取れる。出し惜しみをする理由が無い隙の無い能力だ。

 

「なぜわかるぅぅぅ。」

 

「知っているからですわ。」

 

 ペルッフェアに鶸が答えると竜の動きが止まる。

 

「知っている?見たことがないものを?」

 

 ペルッフェアが疑問を唱え、そして鶸もそれに合せて動きを止め視線を交わして対峙する。

 

「優秀な部下をお持ちですのにそれを活用しなかったのはお前ですのよ。」

 

 鶸は一息ついてペルッフェアを見る。

 

あちら(・・・)の戦いは終わりましたわ。苦戦は苦戦。ただこちらが負傷者無しとあれば圧勝とも取れますがね。」

 

 鶸が得意げに笑みを浮かべる。

 

「蒼藍竜が牙を、黒玄竜が息をそして氷の庭を。そして柑橙竜はそれらを持たないことを。終わった戦いが、今までの流れが教えてくれましたわ。今の戦いで知ることは当然、意思を共有して情報収集してこその我らですわ。」

 

 鶸はふんと胸を張る。『談話室』の個別リンクが切れているのによく知り得たと思ったが『本』を中継して情報を得ているようだ。

 

「竜として形を成したにも関わらず一人も倒せずか・・・笑えんな。」

 

 ペルッフェアの自嘲とも取れる言葉に鶸がかぶせるように声を上げる。

 

「そこですわ。竜故に孤高。協力が必要なことはこの集落があったことを考えても理解出来ていたはず。お前は下手に力をつけたせいで人を下位種と侮り、そして選択を間違えたのですわ。我らが最強と教えられていたにも関わらず、自らの力を見誤り戦力を小出しにした。それだけですわ。」

 

 言いたい放題言われてペルッフェアが首を下げる。

 

「だがそれでも我は我の意思を貫くっ。」

 

 叫びと同時に薄目の凍結ブレスが放たれる。密度が薄いとはいえ十分な脅威である。鶸はさっと障壁を張って受け流す。そこに間髪入れずにペルッフェアが突撃をしてくる。

 

『もう自由に攻撃して頂いて結構ですわ。ただ近寄ると棘だらけになりますのでご注意を。』

 

 鶸がウインクしながら僕の手を放し転がるように突撃のラインから逃げ出す。

 

「その意思を貫くならもう少し己の力を知るべきですわ。力はあっても技が足りない。年相応に経験が足りない。そして・・・考える力が最も足りていませんわっ。」

 

 最後に鶸が大きく煽る。そう、彼の攻撃はいつも直線的。動物も魔物も兵士も、今まではその牙の前に無力に倒れたのだろう。ペルッフェアは最初の近く範囲外からの突撃かブレスで相手を倒すか無力化しなければならないのだ。きっとそれはこのひどい世界で成功した効率のいい戦法だったのだろう。うまくいきすぎて、それを突き詰めすぎ、そしてそれが失敗することなど露も考えなかった。

 

「王道が出来ればメタられる・・か。」

 

 どんなゲームにもありがちな戦力サイクルを思い浮かべながらペルッフェアを見る。鶸に邪魔され続けた突撃のことをもう忘れたのだろうか。それほど頭に血が上ってしまったのか。目前にせまったペルッフェアが両前足を大地に沈め、背負い投げされるかのように投げ出される。僕はそれを予期していたかのように体を動かし移動する。

 

「次があれば・・・またな。」

 

 広大なこの世界でまた戦うことがあるだろうか。これほど強力な初見殺しがあるなら生き残ってなんとかなるかもしれない。僕が最強などと天上では言われているようだが僕に匹敵している者がいるとも限らない。ペルッフェアと再び相対するのはそれこそ運次第。

 

「最後が雑な物量で悪いけどな。」

 

 僕は転倒のショックでもたついているペルッフェアの周りに結界杭を立てる。結界の中にこれでもかと爆弾を投げ込みながら巨石落としの魔法を打ち込む。爆発物が投げ込まれる中もがき体勢を整える頃ペルッフェアと一瞬だけ視線が合う。

 

点火(イグニッション)。」

 

 ある一つの爆弾が爆発しそして巻き込まれた爆薬が誘爆し結界の中を反射しペルッフェアに叩き込まれる。結界が限界を超えて破裂すること巨石が結界を包み込むように押しつぶす。一度の攻撃で倒しづらいこの世界において今のところ最も信頼できる攻撃は結局の所物量であった。大小様々な攻撃を乱発することで相手の防御を確実に削りそしてHPすらも削りきる。

 

「たっけぇ花火だな。」

 

 巨石の瓦礫が時折爆発に煽られて吹き上がる。正直この方法は相手に物理か熱が有効、転移的なものを持っていないなど否定条件が多すぎて確実性に欠けた。ペルッフェアが杖持ちと分かったときは無理だと思っていたが、瞬間移動をこなすことがなかったので止めに用いた。

 

「おつかれさまですわ。」

 

 僕が後ろに引いたことで鶸も少し寄ってきて声をかけてくる。

 

「どうだろう。終わったと思いたいけど。」

 

-敵対勢力の一角に勝利しました。近隣勢力からの攻撃が一部制限されます。-

 

 メッセージが流れたことで終わったことが認識される。

 

「あー、鈴の方もなんとかしてやらないと。」

 

 思わず忘れかけていた柑橙竜の様子を確認しに行く。鈴はただ足止めに徹しており相手の行く手を遮っているだけである。移動するだけで吹き飛ばされそうなものだが、巨体での移動接触が攻撃と見なされているのか動いては鈴が止めるという不毛な相撲もどきが行われている。

 

「さて、君の主は倒した。大人しく拘束されてくれないかな。」

 

「[そんな指示に従えるかっ。ご主人様の敵をっ。]」

 

 僕は声をかけるが案の定取り合ってくれない。

 

「そう言わずに五日ほどしたら解放するからさ。それで主の元に戻れるだろ。」

 

「[私を殺さないのか?というか理解されている?]」

 

「ああ、戦闘中に習得した。歯が足りないからしゃべれないけどな。拘束中それなりに協力して貰うけど。」

 

 竜はしばらく考えた後、いくらかの言葉を交わして降伏に了承した。竜と残っていたミーバに資源を持たせ領地を引き払わせる。その後桔梗にメッセージを送り領地内の目印で合流する。菫が負傷して腕が動かなくなったと聞いて鶸の言っていた苦戦が結構な激戦であったことを理解する。菫も桔梗も何やら隠しているようにも感じるが無事なら良しとしよう。

 

-未所有の建物を一括で所有できます。-

 

 勝利者報酬的なものか空白地を取得するかの是非であったが、不要だし活用されてもこまるので範囲魔法できっちり滅却する。このままミーバを連れて帰ると国境がらみで五月蠅そうなのでミーバは柑橙竜の指示で森に据え置いておく。森の生物相手ならミーバだけでもなんとかなるだろう。来た道をこそこそと柑橙竜をつれて帰還する。

 

「そういえば名前は無いの?」

 

「[ご主人様の世界では感覚的に理解する物で名付ける物ではないと保留されていたな。]」

 

 生まれると名前が決まるタイプの世界なのだろうか。名付けの習慣がない竜なのかよく分からないが無いんじゃしょうがない。何にせよ名前がないので呼びづらいが一時のことだし他に竜がいないので問題無かろうと判断して放置する。端から見ると拷問のような作業だが生身といえる鱗の装甲、耐久実験を行っている。鎧と同じように耐久度を別途所有している、自然回復する、回復はHPを優先的に回復されるなど主に生態的な方向を本人の了承の元調査を行った。

 

「まぁ無事で何よりでしたが。次はどう成されるおつもりで?」

 

 トーラスも保険として裏工作が必要なこともあり僕の予定の把握には余念が無い。

 

「少し遠目だけど神谷さんかなぁ・・・トーラスも国相手じゃそこそこ工作がいるでしょ。」

 

 僕は紅茶をすすりながら思案を巡らせて答える。

 

「時間を頂けるのは結構ですが、やはり落すことは変わりないのですね。」

 

 トーラスがため息をついている。国内の状況も決して良いとは言いがたく、八割方は技術と利益でついてきているようなものだ。旗色が悪くなればいつ寝返るとも限らない。そして相手は僕と同等の力を持っている可能性がある。ちらつかされた物次第では突然旗が変わることも否めない。

 

「でもたぶん相容れないからその内ぶつかるんじゃ無いの?」

 

 一つの宗教でまとまっている国で利権よりも信仰心が重用されている傾向にある。宗教が広がって浸透してくるといずれぶつからざるを得ないとは思う。貢ぐヤツがいなくなれば王族は干上がってしまうのだから。

 

「まあすでに・・・といった感はありますが。」

 

 余りの宗教の伝播速度にトーラスの警戒度はかなり高い。すでに領地持ちには警戒と警告を送っているようだ。ただ民衆や今現在土地を与えられていない法服貴族までは手が届かない。混乱を避けるためにそれとなく噂程度で抑制させているが禁止事項にまでは至っていない。民衆は心の安定の為や目先の利益につられ、法服貴族は成り上がりや勝利後の利益を求めて受け入れる可能性はかなりある。

 

「正面切って戦うことは大前提で工作するならしといてよ。」

 

「言うは易しですなっ。」

 

 僕が軽く言っても、実際に政治をしているトーラスは困るだけである。そして空気なグラハム。関係ないと言わんばかりにお茶を進める。

 

「越後屋と孤月組には話しを通しとくし、いるなら使ってよ。」

 

「そちらは有り難い申し出ですね。」

 

 越後屋はともかく孤月組は積極的に国と繋がろうとはしない。越後屋もどっちかいうと金の関係といった感じではあるけど、僕らから話しておけばそれなりに融通を利かせてくれる。

 

「あと明後日辺りに猛獣を走らせるからよろしくね。」

 

「事前に言って頂けるだけマシですが、出来れば避けて欲しいですなっ。」

 

 しょうがない。柑橙竜を返すことは大前提だ。そして三万のミーバが行軍する。知らない者からしたら恐怖でしかないだろう。

 

「なるべくうちの領土は通らないようにお願いしとくからさ。」

 

「ウチの国から出立していること自体が問題なのですがねっ。」

 

 報告と相談が一段落して僕はその場を去る。積極的にあれこれと頼むつもりもないし、トーラスも金で解決できる範囲での協力しか求めてこない。時間限定の関係であることも理解してつかず離れず、そして依存しないことはお互いの了承済みだ。城から拠点に戻り菫の状態を確認する。かなり深い怪我だったので治療に時間がかかり、リハビリ的なものも行っている。本人は手が動かない翌日から万全です、問題ありませんと言っているが問題しか感じない。その間に紺に神谷さん側の偵察をお願いする。マップ解放目的の騎兵はある程度近づくと除去されるため斥候兵と一緒に行って貰う。

 

『駄目ですね。特定の範囲を超えるとすぐに補足されます。』

 

 以前使用していた索敵結界を広範囲で使用しておりいくら隠れても見つかってしまうようだ。仕方が無いので不安は残るが鈴にお願いして見て来て貰う。合流は現地になるだろう。僕が教えたこともあって軍は完備しているであろう。そして追加の進化体がどれだけ増えたか。そして魔法使いとしての能力はどうなったか。ただ越境行為になるので即座に軍は送り込めない。三つも許可を得るのは手間ではあるが一言くらいはかけておかないと後々の国運営に影響が及びそう。というかトーラスが絶対止めて欲しいと言っている。隠れ蓑としての仕事はほぼなくなったのでいらないといえばいらないが、さすがに不要即捨ては信義に関わるのでやらない。

 

 進軍の準備と偵察を手配しているうちにペルッフェアが復帰したようで柑橙竜がそわそわしている。

 

「んじゃちょっと早いけど解放しようか。」

 

「[本気か貴様。]」

 

 途中の実験もひどい物ではあったが本当に解放されるとは思っていなかった模様。

 

「約束はなるべく守るつもりですけどね・・・そんなに信用ないかな。」

 

「[私が害をなすとは思わないのか?]」

 

 竜のごもっともな意見がでるがそもそも以前の問題である。

 

「害をなせるほど力はないでしょう。本気でそこらで悪さするつもりなら潰しますけど・・・」

 

「[まぁそうだな。いや、悪かった。]」

 

 バツが悪そうに謝罪をされる。

 

「そうそう旅路で倒れることは無いだろうけど頑張って。なるべく魔獣以外との接触は避けた方がいいよ。合流優先でね。」

 

 柑橙竜はふんっと鼻を鳴らし北方に移動していった。実際にその方向にペルッフェアはいないだろう。先にミーバを拾ってからになるはずだ。拠点の位置情報など最も重要な情報であると思うし、さすがに方角を知られるようなことはしないだろう。

 

「いいんですの?」

 

 補佐としての鶸は不満そうではある。

 

「まあ、たぶん知らなきゃ会わないさ。」

 

 会ったら会ったで意図的に出会わないように調整する気も無い。

 

「次は味方の目を覚まさせないとね。」

 

「当てはあるんですの?」

 

「一通り試すけど、たぶん一度お帰り願うことになるかな。」

 

「仮にも友軍に容赦ないですわね。」

 

「友軍?ボタン一つで裏切りそうな友軍を背には戦えませんよ。ははは。」

 

 ある程度知られているとはいえ、宗教国家相手に戦っているときに後ろから突かれてはたまらない。そういう意味でも先になんとかしておく必要がある。

 

「移動は越後屋の商隊で行くから少しかかるかな。一ヶ月以内には現着したいところだけど。」

 

「各国がどのくらい欲深いかですわね。」

 

「鶸でもわかんないか。」

 

「隣はまぁいいですわ。それこそ力ずくでもなんとかなりますから。次も問題はないかなと。最後がちょっと不明ですわね。」

 

 鶸の話を聞いてふーんとだけ頷く。正直鶸がどう組み立てているかは全く想像が出来ない。

 

 

 翌日から出発準備を進め、馬車六台、従業員八名とまさかのスレウィン。

 

「暇なの?」

 

「暇ではないですが・・・たまには私だってお役に立ちたいのですよっ。」

 

「その心は?」

 

「たまには気楽に売買だけしたいのですっ。」

 

 起業時の初期メンバーであるスレウィンは最高決定機関の一人である。揉むに揉まれた経験でベテランの商人となってはいたが、本部でやりとりすることが多くなり紙で物品を流す指示が増え、現場には関わらなくなって来ていた。本人的にはもっと現場で仕事したいのだろうが地位と状況がそれを許さなかったようだ。そして今回僕の要請を聞いて無理矢理ねじ込んだらしい。ある意味権力の正しい使い方とも言える。

 

「本部が大丈夫ならそれでいいけど・・・」

 

「潰れたところで遊一郎様がいればゼロからでもなんとでもなりますよ。」

 

「僕が倒れた時の保険でもあるんだからそれはそれで困る。」

 

 そんな会話をしながら積み荷の準備をする。主に体積当たりの価値が高い物を選ぶ。空いたスペースには軽装兵と魔術師、医療術士を十体ほど。そして斥候兵を五十体ほど併走させる。

 

「護衛過剰ですな。」

 

 スレウィンが笑いながら評する。かといって見えない護衛で怪しまれても困るので話が通っている越後屋専任の護衛を五名ほど連れて行く。目指すはグライラスト王国領の片隅に滞在中の神谷領。十中八九戦闘になると見て行動する。菫と桔梗、紺そして現地合流の鈴が今回のメンバー。鶸と萌黄は今回はお留守番である。移動と説得でそこそこかかりそうなので最悪途中でよんでもいいしということもあった。鶸が残ることは確定で不満たらたらだったが、最後の一人はくじで決めたらしい。くじで決めたにも関わらず萌黄が残ったのが不思議ではあるが何かあるのだろうか。まあ、毎度毎度運で済ます物でも無いかと今は流しておく。

 

「さてお礼参りに出発だ。」

 

 何やら色々理由はつけたが、根底にあるのはこれである。

のんびり旅行からの仲間割れ戦へ。



萌「うわ、当たった。」

菫「では、今回のお留守番は萌黄ですね。」

萌「うー、護衛はいいの?」

紺「主殿もめっぽう丈夫になったし、そこまで危機的状況にはなりますまいて。」

鶸「じゃんけんで順番を決めたときそのまま決めればよかったものを。」

菫「そう言えばそうですね。」

桔「くじにしたのは萌黄の発案ですよね?」

萌「くじならなんとかなると思ったもん。」

紺(くじだとそうなるから細工したのですがな。)

菫(おぬしも悪よのう。)

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