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僕、狩りの支度をする。

「ふむ、もうそろそろ使徒とぶつかる頃とは思いましたがそんなにいるんですね。」

 

 トーラスは悩ましい顔をしながら呟く。

 

「悪いけどしばらくはそっちにかかりっきりになるので、融通が難しくなるかもしれない。」

 

 僕はそう言ってトーラスを見る。横にグラハムもいてちゃんと話は聞いているのだがここ二年で空気レベルはさらに上がってきた。決して無能ではないのだがトーラスの手際が良すぎるのである。良くも悪くも温厚なオーラは貴族に舐められる前に懐柔が進んでしまうという要素もあり、かなり強攻策をとっているにも関わらず意外と王家に反発するものは少ない。このおっさん相手にしょうがないから守ってやろう的な庇護要素がどこにあるのか分からないが一部の貴族からは甘やかされてすらいるレベルでもある。

 

『私と貴方が横にいて挟まれているのを見れば叩き上げの貴族は大体そう感じてしまうでしょう。王としても若いですからね。』

 

 何を言っているんだとトーラスに見られ、同じような目線を返した覚えはある。

 

「国防関係は削らないように調整していただければ。」

 

 トーラスが書類とグラハムをちらちら見ながら言葉を漏らす。

 

「じゃあ先に不確定要素が多い竜のほうかな。宗教国家相手はどうしても戦争になりそうだし。当面は地固めを進めて貰えばいいかな。」

 

「それは非常に助かりますね。」

 

 トーラスは皮肉交じりにかぶるように言葉を返す。普段から早急に土地を広げすぎると愚痴られているので、一息つくとなれば手を上げて賛同する案件である。

 

「あの国もいい話は聞かないけど光満教ってなんなんだろうね。」

 

 グラハムが普段開かない口を開く。いたたまれない空気を払拭したかったのかもしれない。

 

「よくある新興宗教でしょう。目の前で良いこと言って救われますよー、恩恵がありますよーって口先三寸でだまくらかすような。」

 

 僕の言葉にグラハムとトーラスは首をかしげる。

 

「新興宗教とはよくあるものですか?私は聞いたことがないですが。ただ欺しているのなら警戒は必要ですね。」

 

「実際に恩恵があって救われているなら欺しているのではなのでは?」

 

 トーラスとグラハムが議論を始まる。

 

「ああ、そうか新興宗教っていう概念がないか。こっちの宗教ってどうなってるんだろう。」

 

 僕は自分の世界の概念を常識のように話していたことに気がつく。

 

「宗教・・・神をあがめると言う意味では実際に神がいる、時によっては神託をもたらす、そして非常時にはその姿を降ろして平定する。その存在を確信はしていても心の拠り所にするという程ではありませんね。一部実際に結果が得られた地域ほど敬意を持つ傾向にはありますが。」

 

 トーラスはそういって宗教事情を解説する。

 

「自然信仰とか多神教ですらないんだね。」

 

 僕の言葉にトーラスが興味を示したのでかいつまんで元の世界の宗教や歴史を教科書のうろ覚え程度に説明し、その上で新興宗教がどういうものであるかを僕の知識で説明する。

 

「グラハムの言うとおり実際にそれで救われているならいいじゃないかという側面もあるけど、外野から見るとえげつない利権集団にしかみえないのもちらほらいたって感じかな。」

 

「こちらの世界に詐欺がないわけではないが神を騙るのは見たことがない気がするな。」

 

 グラハムがそう言ってトーラスに確認を取るように見る。

 

「本来なら過度に神を騙るようなことがあれば実際に神罰が降る可能性があり、実際に事例があるということから実際にやるものは少ないのでしょう。今回は実際に神の使徒ということもあり見逃されているのかもしれませんが。」

 

 トーラスの言うとおり実際に神がいるなら気に入らないことを言い出せば罰として首謀者を消すことはあるのだろう。

 

「そちらの宗教についてはこちらでも調べておきます。多くの所はすでに貴方の知るところでしょうが。」

 

 王家の情報網は貴族方面からに強いが、越後屋と孤月組の収集範囲はさらに広く数が多いので基本的に上位互換と言える。ぼちぼち情報交換と開示を行ってから直近の支援状況を相談して打ち合わせを終える。

 

「竜ですか。かなり小さいと聞いていますが・・・わざわざご主人様が出るほどの相手ですか?」

 

 本拠点に戻って装備を検討、調整しながら準備を進めていると菫が尋ねてくる。

 

「どうだろ現地の人達の話を聞く限りではかなり特殊な竜に感じられるけど。」

 

 昔聞いた噂にあった白竜のことだと思わせるほど似通った存在だ。この世界で認知されている竜と比べると似ているところもありかけ離れた部分もある。体高二m。尻尾を含めれば三mを超えそうな大きさ。輝く白い鱗。凍らせる息吹を使う。実際にその竜を見て助かった者は少なく外見情報にムラはあるものの絶対に間違っていないという範囲の確定情報。識者の中で白竜か銀竜か論議が行われているらしいが概ね銀竜という意見のほうが多い。世間的には噂先行で白竜ということで知れ渡っているが。その白か銀かで何が変わるかというと大きさや気性。住んでいる地域、加齢による強さが違ってくる。今現在山林に住んでいると言うことが一番疑問視されているところだが、その白か銀かの論争が意味をなさないほどこの竜の大きさから三から七年、どんなに育っていなかったとしても十年は生きていない幼竜であるという点はどの識者も一致している。発見された当初はむしろ周りに親がいないか調査が進められたくらいだという。僕の目線から見ると選定者として別世界から連れてこられている以上必ずしもその指標があっているとは限らないとも見ている。なにせこの世界の平均的な大きさは僕の世界より大分大きい。そして信憑性が薄いとされている話として、武具を使っている、隠密性が高い、実は複数いる、冷気以外の息吹を使う、竜の村があるといった話である。武具を使う竜というのは非常に珍しいと思うのだがそれ以外の要素は選定者としての目線で見れば再現可能な範囲であると見ている。そして実際にミーバと施設が確認されている。

 

「竜としては小物ですけど、選定者と見ればどうでしょうねぇ。」

 

 鶸は慎重に検討を進めている。

 

「最も真っ先に貴方が行く必要も感じていませんが。」

 

 と強い視線で見られる。

 

「肉体が強固な竜でありながら恐らく杖を選んだヤツだ。若いといっても知恵がまわるんじゃないかな。」

 

 明らかに不自然で一定距離に入ると突然姿を現すことから所持しているのは杖で間違い無い。イメージにある竜は肉体も魔法もばっちこいという感じだがやはり肉体で戦うことを好んでいる。魔法を専門にする竜はあまりいない気がする。

 

「まあ僕だって好きで危険に突っ込みたいわけじゃないし・・・」

 

 そう言いながら紺を見る。

 

「詳細な調査を紺にお願いしようかな。隠密を必要数連れて行って良いよ。」

 

 『隠密』は斥候兵から派生させた情報収集を目的とした移動力と隠身に特化した職である。攻撃力や輸送能力が犠牲になっているが調査や通信網の確立には問題がないので多くの斥候兵がこちらに切り替えられている。最も早いと言っても騎乗より早いわけでも無い。やはり菫は異常とも言える。鈴に至っては手が加えられているだけあってバグっていると言わざるを得ない。

 

「承りました。彼の地の戦力を丸裸にしましょうとも。」

 

 僕のお願いを形相に受け止め走り去る。気合い入ってるなあ。

 

「私も行きます。」

 

 珍しく鈴が重い手を上げる。皆の強い視線が鈴に刺さる。ここ最近は操られて倒れると言うことも無く、そして出会った頃ほど怠惰でもなくそれなりに活動をしている。ただし神託などのスキルの使用に魔力以外に気力?的なものを使用するようで力を使えば使うほどだれてくる。それさえ気をつけていれば割と普通に活動ができるようにはなって来た。ただ自主性の無さはあまり変わらなかったのだが。

 

「伝達という点では私が優れていますし、なにせ襲われても頑丈ですからね。」

 

 相変わらず棒読みっぽいがそれでもわずかに抑揚が見られ、前向きであることが感じられる。ただこうして急に動き出すと皆は警戒してしまうのだろう。僕も警戒しないわけでは無いけどこの状況はそれほど悪いとは思っていない。

 

「分かった行っておいで。ただ丈夫だからって殴られても言い訳じゃないからね。隠れる努力はするように。」

 

 僕の小言にはいっと気合いのない返事をして紺を追いかけていった。

 

「いいんですの?」

 

 鶸が不安そうに確認を取る。

 

「ま、大丈夫だと思うよ。」

 

 僕は根拠も無く軽く答えておく。他にも何か言いたそうだが鶸は珍しくそれを引っ込めて作業に戻った。あわよくばと思っているのだろうがこの大地が吹き飛ぶようなことがあっても鈴を害することはできないだろう。いろんな意味で神に守られていると言っても過言では無いのだから。

 

 

『私も一緒に行く。許可は貰った。』

 

 メッセージとは違う何も無い狭い場所で会話したような響く声が頭に響く。このような意思の伝え方をする者は鈴しかいない。それにしてもついてくるとはどういうことか。敵地のど真ん中に行くのに見つかってしまったら主殿に如何様に説明すれば良いのだろうか。拠点付近で生産作業をしている隠密を捕まえている所なので異常な速さの鈴はすぐに到着する。

 

「私も行く。」

 

「それは先ほど聞きました。どういう風の吹き回しですか。」

 

 紺は直接関わってはいないので実感が沸きにくいですが鈴は神の影響下に入ることがあり危険要素として認識しています。よもやそちらから指示を受けていたのなら迂闊に行動は出来ません。

 

「行ったほうがいい。そういう気分だから。」

 

 気分と言われても。鈴は選択言語の意味不明さは今に始まったことではありませんが真意が分かりづらいです。ただ主殿の許可を取ったというなら何か考えがあるのでしょうが。

 

「分かりました。一緒に行きましょう。」

 

 そもそも逃げ切れる相手でもないので問答をしても無駄と思い一緒に行くことに。くだんの山林は自国の国境にはまだ含まれていないため隠れながら走り抜けていくことに。鈴は隠れていないのですが瞬間的な移動で目に止まらなかったりと別の方向で見つからない努力はしています。半日と少し走り山林の麓までたどり着きました。移動速度的に一番足を引っ張っているというのが紺なのが何か申し訳ないところ。

 

「どうする?」

 

 鈴が方針を確認するためか近寄ってきます。

 

「相手は異種族ですし会話は止めておきましょう。」

 

 諜報はC型の仕事になっているので現場でしゃべるのは久しぶりです。そもそも主殿前以外ではC型ネットワークだけで済ませていますし。相手が竜族とあっては人の声も人型も違和感があるでしょう。

 

『・・・・んー・・・-・・んー、んー。これで伝わってるかな?』

 

 鈴が不可思議なことを言いながらネットワークで意思伝達を行っています。あなたC型ですよね?

 

『実は接続し直す必要はあるけどどこのネットワークにも入れるんですよ。』

 

 取りあえず色々特別製なのは分かりました。連絡はそれで取り合いましょう。私は東方向から行きますので鈴は西方面からと意思を伝えて行動にかかります。鈴が突然目の前から消えたので少し驚きましたが瞬動と理解して、やはり便利だなと思ってしまう。概ね拠点位置は分かっていますから少し離れた所から活動範囲が変わってないかを確認しながら探りを入れていきます。森の中で石の監視塔見つけ様子を伺います。動物や大型の昆虫が一定範囲に侵入すると石塔の上部から矢が放たれてそれらを撃ち抜きます。中型の固定された機械式弩をミーバが賢明に管理しています。気配を消し、魔法的な誤魔化しを行いながら範囲内に侵入しますが反応はありませんでした。隠身強度はそれほど高くなくても見つからないようです。そちらを確認した後別の監視塔を発見確認しながら徐々に拠点の内側に侵入していきます。ここに入るくらいなら隠密でも問題ありません。内側しばらく入ると不自然なほど木の根元にキノコが生えているキノコ畑にたどり着きます。そちらを越えていくと工房施設が散見しているのが分かります。以前はここまで調査しています。外側の調査をしていた隠密から森を歩いている銀竜を確認したと情報が入ります。視覚をリンクさせると聞いていたような竜がいることが分かります。大きさも聞いていた通りです。噂になっているように竜の体に様々な装備をつけています。白竜として間違えて見られていたのはむしろ鎧のせいなのだろうと。竜が加工された竜の鎧を着けているのが確認出来ました。加工したせいか銀がくすんで鈍い白のように見えます。何かに警戒しながらゆっくりと進む姿は巨大なアルマジロと言えなくもありません。手足と尻尾には何やら金属の塊が着いているのをみると何か武装をつけているのではないかと思います。確かに自らの肉体で戦うことがほとんどである竜としては不思議な感じがします。そして別のもう一体から連絡が入り銀竜を発見したとのこと。噂の一部である複数いるという話が確定したようです。後から増えたというよりどちらかはミーバ兵なのでしょう。どちらを見ても同じような銀竜にしかみえませんが、同型どころか異種族の顔の区別などつきようも無く同じような顔としか思えませんでした。見回りをしている銀竜を隠密にまかせ更に奥に進み内部状況の確認と兵力を確認することにします。ただその先で紺は恐ろしいものを見つけてしまいました。鈴です。鈴は隠れもせず拠点と言えるこの森の中をキョロキョロしながら歩いています。

 

『鈴。何をしているのですか。』

 

 圏内に入った鈴に紺は必死の警告を送ります。

 

『え?だって隠れる必要ないし。』

 

 鈴の意味不明な言葉を理解出来ないまま唖然として見ていると鈴はそこらにいるミーバとすれ違っても何一つ咎められず気にも止められていません。

 

『私、堂々と歩いているだけなら相手にされないのですよ。』

 

 ネットワークを使う際に謎のポーズを取りながらやっている以外はただの不審者に見えなくもありません。ここに不審者がいること自体が怪しいのですがもはや意味がわかりません。後々『迎合』というスキルの性だと言うことを教えていただきました。不安になりながらも木の上で身を隠したまま鈴を追うと三体目の銀竜と接敵します。これはさすがにと目を覆う勢いでしたがチラリと目線を送られただけで特に何も起こりませんでした。隠れることが信条な紺としてはかなり神経を使います。ハラハラしながら追従すると洞窟にしては不自然な穴。山の斜面に、自然には出来用のない位置に自然洞窟のような穴が開いています。鈴は興味深そうにそちらに近づいていきます。洞窟の周りは立派な木が無いため遠目から穴と鈴を伺います。穴から鈍く金色に輝く金属鎧を着た竜が出てきました。アレが選定者本人か。低く唸るような声で鈴に首を向けています。鈴も理解出来ないようでそそくさと引き返そうとしています。引き返す鈴に鎧の銀竜は首を上げ四つ足のままにじり寄ります。

 

「我らの言葉を解さぬということは敵であろう。そもそも人型を味方にした覚えもないがなっ。」

 

 同じようなうなり声でありながらなぜか頭の中で言葉が理解されます。今までいた竜よりもさらに一回り大きな竜。それは竜と呼んで良いのか分からないほど歪な毛皮に包まれたモノ(・・)。かろうじて竜と判断させるような骨の仮面をかぶったような頭とその口、歯が竜であると言っていた。洞窟から半身を出した異形の竜はその口を閉じぬままに鈴に向かって甲高い音を出した。鈴はそれでも慌てぬかのようにちらりとその銀竜と視線を合わせた。

 

「貴方が選定者ですね。ご主人様の命により貴方を見に来ました。」

 

「死をもって告げよっ。」

 

 口を開けたままどう発声しているかも分からぬまま竜は何かを吐いた。幾ばくかの白い粒子をまき散らしながらそれは鈴に向かって飛来する。

 

『私のことはいいので紺は皆と引いてください。』

 

 鈴が意思を伝達してきた瞬間に鈴の周りが白い煙に覆われる。追って吐かれ続ける吐息が白い煙を吹き飛ばしその周辺を白い霜で覆う。周辺が氷結しそれらはどんどん大きくなる。隠密に撤退指示をだすも私は鈴が気になって仕方が無い。冷気ブレスにしては何か挙動がおかしいが鈴の周辺は確かに凍結している。

 

「む。こやつ・・・」

 

 竜はいぶかしげに息吹を出すのを止める。鎧の竜は主を守るように側に控える。

 

「うー、寒い寒い。」

 

 鈴はなんの感慨もわかないような声で服についた氷を手で払っている。

 

「如何様な魔法で身を守ったかは知らぬが・・・いやただのシステムということか。」

 

 竜は首を振って考えを正しているようだ。

 

「ここは穏便に。近いうちにまた。」

 

 何を穏便にすませたのか全く分からないが鈴はわびを入れるように頭を下げようとしてその姿を消した。

 

「面妖な。存在していながら存在していないことのように消え失せたな。」

 

 竜が唸り鎧の竜も唸る。

 

「そう言うな。だが敵が来る。我と同じ目的でここに飛ばされた選定者という敵が来る。いつもの食料共ではないぞ。戦いの準備をせよ。」

 

 竜が楽しそうに喉を鳴らし、鎧の竜は雄叫びのように声を響かせる。それを聞きながら紺は竜の集落を後にした。相手の能力の一部を知れたことは良かったが警戒されたことは良くは無い。プラマイゼロ未満の状況に不服に思いながら鈴と合流し愚痴を聞き流されながら帰路についた。

 

 

「お疲れ様。」

 

 僕は翌朝戻ってきた鈴と紺を労う。細い目をより細くするかのように喜びを見せる紺。そして喜びの欠片も感じているように思えない鈴。対照的な二人を見比べてから考察に入る。

 

「やっぱり冷気防御はいるかね。」

 

「現象が一般的な銀竜のブレスかと言われると少し悩みますが。」

 

 主力がブレスと言われる竜相手に色が判明しているならそのブレス属性に対策を取るのは当然のこと。防御力でごり押し?するのもありだが手を抜かず軽減でき対策ができるならやりたくなるのがゲーマーというもの。周回ゲーならまた変わるけど。

 

「竜なのにごりごりの武装でしたね。人間を嫌っているようですが人間のように装備を固めているという印象はありますね。」

 

 紺的にはやはり装備が気になるようだ。道具を使うことで攻め手のバリエーションは増える。竜とみて対策を偏らせるのは難しいように思える。

 

「最低でも氷結は出来る前提で、そちらは防御、解除できるようにはしていきますわ。」

 

 鶸も得られた情報だけでは決めかねているようで通常ありそうでされると困ることだけは対策の方針をまとめる。

 

「異界の竜で選定者となればもう・・・何が起こっても不思議じゃ無いね。」

 

「そうです(わ)ね。」

 

 菫と鶸の声が重なり僕を見る。そんなにおかしいことしてるかね・・・確定情報として相手はミーバ軍を持たないが進化体は最低四体いるということでミーバ兵を連れて行っても良いがそれほど役には立たなかろうと周囲の警戒と露払い。臨時の治療を目的に斥候兵二十と魔術師十、医療術士十を連れて行く。あとはこちらの進化体もすべて一緒に連れて行く。鈴が何か出来るかっていうと微妙なのだけど導火線の着いた爆弾だけ持たせておこうということになった。なにせ装備制限がひどくて手に持って何かすると言うことは本当に出来ないと過去の実験で判明している。棒を振ればすっぽ抜け、物を投げては飛ぶ方向が定まらず。爆弾とて置いて火をつけると言うくらいしか出来ない。転がして前に出そうものなら力の加減悪くまっすぐ進まない。最も爆弾を持ったまま爆発しても傷一つ着かないので持ったまま敵陣に突っ込むといういささか不安な作戦だけは出来る。

 

「精々死なないようにお願いしますよ。」

 

「死んでもなんとかなるんでそこはお気になさらずに。」

 

 今死なれると国の運営がおぼつかなくて困るので最低限生きて戻ってきて欲しいと願うトーラス。だが残機はもう一つあるので安心して欲しい。念を入れて帰ってくるようにお願いするトーラスを置いて僕らは竜討伐に挑む。

少々前段階が長く戦闘までには至らず。



紺「鈴はよくわからんのです。」

鶸「まあアレですわね。」

鈴「ひどいっこんなに貢献してるのに。」

萌「もっとこう抑揚をつけてっ。」

菫「ん、まあ貢献については置いておくとしても理解しづらいのは確かですね。」

桔「良い子ですよ?」

紺「桔梗も意外と分からない部分多いよね。」



 紺野遊一郎 グループなし 戦術師Ⅵ

 STR:854 VIT:775 DEX:891

 INT:712 WIZ:734 MND:776 LUK:10

 MV:15 ACT:1.4|1 Load:2533 SPR:1637

 HP:1730 MP:1566 

 ATK:1329+475|1318+552 MATK:1578+346

 DEF:363+126 MDEF:332+114

 スキル:木造建築、貴石研磨、装飾品作成、皮革加工、魔獣皮革加工、髭加工

     騎乗Ⅴ、強行Ⅴ、隠密Ⅳ

     魔法陣作成、魔導変換、魔法物質化、魔石加工、魔石付与、魔力付与

     剣Ⅳ、軽盾Ⅴ、体術Ⅵ、貫通撃Ⅱ

     弓Ⅵ、銃Ⅵ、貫通射撃Ⅶ

     攻勢魔術Ⅴ、守勢魔術Ⅵ、強化術Ⅵ、回復術Ⅴ

     条件発動Ⅴ、並列発動Ⅱ、詠唱短縮Ⅵ、消費軽減Ⅴ、貫通術Ⅵ、

     範囲拡大Ⅱ、射程延長Ⅰ

    (剣Ⅳ、軽盾Ⅴ、守勢魔術Ⅵ、強化術Ⅵ、回復術Ⅳ)

 装備:陽光石剣、複合流星鉄弓、冷魔式狙撃銃、冷式ショットガンS、

    龍眼魔法増幅腕防具、龍布防具、重龍鱗鎧、真銀円盾

    不壊鉛擬腕

 特典アビリティ:本

 

 菫  護衛 急襲斥候兵Ⅵ

 STR:702 VIT:651 DEX:811

 INT:601 WIZ:642 MND:624 LUK:18

 MV:25 ACT:1.6|3 Load:2105 SPR:1513

 HP:1422 MP:1243

 ATK:1167+368|1252 MATK:1225+145 

 DEF:292+126 MDEF:253+114

 スキル:機先、精査、希薄、料理Ⅴ、毒物Ⅴ

     短剣Ⅷ、体術Ⅷ、隠密Ⅷ、捜索Ⅶ、必殺Ⅶ、暗殺Ⅲ

     貫通撃Ⅶ、貫通射撃Ⅴ、障破撃Ⅶ、障破射撃Ⅴ

 装備:神涙滴の小剣、冷石短剣、龍布防具、重龍鱗鎧

  

 萌黄  護衛 人形遣いⅥ

 STR:578 VIT:592 DEX:602

 INT:581 WIZ:611 MND:576 LUK:44

 MV:20 ACT:1.5|3 Load:1798 SPR:1213

 HP:1244 MP:1192

 ATK:879|891 MATK:1157 

 DEF:238+88 MDEF:237+96

 スキル:先制、索敵、危機感知、活殺

     物体操作Ⅶ、消費軽減Ⅵ、並列操作Ⅵ、同時行動Ⅳ

     追従行動Ⅳ、人形劇Ⅳ

     貫通撃Ⅵ、障破撃Ⅴ、貫通射撃Ⅴ、障破射撃Ⅵ

 装備:龍布防具、真銀盾、真銀剣、真銀槍、冷式ショットガン

    人型、狼型、蛇型、馬型、蟹型

 

 桔梗  護衛 魔術師Ⅵ

 STR:542 VIT:532 DEX:795

 INT:911 WIZ:855 MND:849 LUK:5

 MV:18 ACT:1.6|3 Load:1666 SPR:1650

 HP:1064 MP:1766

 ATK:939|1066 MATK:1760+346 

 DEF:265+88 MDEF:340+96

 スキル:先制、索敵、血操魔

     攻勢魔術Ⅶ、守勢魔術Ⅵ、強化術Ⅴ、治療術Ⅴ、瞑想Ⅶ

     条件発動Ⅶ、詠唱短縮Ⅶ、消費軽減Ⅶ、貫通術Ⅶ、障破術Ⅶ

     射程延長Ⅴ、範囲拡大Ⅴ

 装備:龍眼魔法増幅腕防具、龍布防具

 

 鶸  グループなし 医療術士Ⅵ

 STR:489 VIT:467 DEX:921

 INT:992 WIZ:995 MND:997 LUK:34

 MV:12 ACT:1.0|4 Load:1495 SPR:1916

 HP:934 MP:1987 

 ATK:949|1165 MATK:1989+346 

 DEF:277+126 MDEF:398+114

 スキル:並列作業、集中、緊急治療、精密演算、料理Ⅴ

     統合生産Ⅷ、体術Ⅵ

     守勢魔術Ⅶ、強化術Ⅵ、治療術Ⅶ、瞑想Ⅵ

     条件発動Ⅵ、詠唱短縮Ⅶ、消費軽減Ⅶ

 装備:龍眼魔法増幅腕防具、龍布防具、重龍鱗鎧、魔力縄射出装置

 

 鈴  グループなし 職なし

 STR:10 VIT:2345 DEX:16

 INT:11 WIZ:2455 MND:10 LUK:1987

 MV:38 ACT:0.3|15 Load:2415 SPR:2471

 HP:4690 MP:2466 

 ATK:18|21 MATK:21 DEF:472 MDEF:493

 スキル:迎合、神託、踏破、神速、予兆

     回避術Ⅶ、魔力受けⅦ

 装備:なし

 

 紺  なし 急襲斥候兵Ⅵ

 STR:621 VIT:624 DEX:822

 INT:715 WIZ:762 MND:715 LUK:21

 MV:21 ACT:1.4|4 Load:1334 SPR:1106

 HP:1248 MP:1477

 ATK:1032|1132 MATK:1430 DEF:289+126 MDEF:295+114

 スキル:先制、発見、潜伏

     体術Ⅶ、隠密Ⅶ、捜索Ⅶ、逃走術Ⅶ、詐術Ⅵ、攻勢魔術Ⅴ

     貫通撃Ⅵ、貫通射撃Ⅵ、障破撃Ⅵ、障破射撃Ⅵ

 装備:真銀手甲、龍布防具、重龍鱗鎧

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